「自動車登録番号票」というのは、自動車の識別をするために取り付けられている標識版のことです。
「ナンバープレート」といえば、お分かりいただける方は多いと思います。
これは、いわば“車やバイクの身分証明証”のようなものであり、車やバイクなど公道を走行する乗り物すべてに取り付けられています。
そして、まったく同じナンバーをつけている乗り物はありません。
今回は、この「自動車登録番号票(ナンバープレート)」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
「自動車登録番号票」とはなにか?
自動車の識別をするために取り付けられている、「自動車登録番号票」という標識版。
ずばり「ナンバープレート」のことであり、自動車登録番号票が正規名称となります(以後はナンバープレートと呼称する)。
これには「地名」「数字」「ひらがな」などが記載されており、一見すると数字や文字を適当に羅列しているように見受けられるかもしれません。
しかし、実際はそれぞれに意味があって使用されています。
ちなみに、2枚1組+この世にまったく同じものは1組しかありません。
“車の前と後ろで2枚”という意味であり、要するに「まったく同じナンバーをつけている車は存在しない」のです。
また、車やバイクなど公道を走行する乗り物すべてに取り付けられており、“必ず見やすい位置に取り付ける”ことが義務付けられています。
これに違反した場合は、罰金に課せられる可能性があります。
まさに「車やバイクの身分証明証」のような存在であり、これなくして乗り物を運転することはできないのです。
どんな役割があるのか?
ナンバープレートの役割は、「個々の車両を識別できるようにして管理しやすくする」というものです。
車両の情報は、「陸運局」というところで管理されています。
◆安全基準を満たしているか?
こういったことがナンバープレートによって把握できるようになっており、これを付けることで「車庫証明の手続き」「自賠責保険」「各種税金の支払い」などが正しく行われていることを証明することができるのです。
複数の種類が存在する
ナンバープレートには、“色が違う”といった複数の種類が存在します。
これは「色によって車の用途などを見分ける」ために設けられたものであり、以下のように分類されます。
◆緑地×白文字:栄養用普通車
◆黄地×黒文字:自家用軽自動車
◆黒地×黄文字:営業用軽自動車
◆青地×白文字:外交官車両
◆白地×赤い車線:臨時運行許可車両(仮ナンバー)
他にも、文字が発光することで視認性を高めた「字光式ナンバープレート」や、地域振興の一環として図柄が記載された「ご当地ナンバープレート」なども存在します。
ナンバープレートの見方について
すべての文字や数字に意味がある
以下はサンプル画像になりますが、以下のようなものが記載されています。
左上から順番に、以下が記されています。
◆「分類番号」(“000″の部分)
◆「ひらがな(判別文字)」(“あ”の部分)
◆「一連指定番号」(“12-34″の部分)
一見すると、文字や数字が適当に羅列しているだけのように感じるかもしれませんが、すべてに意味があり、すべて車両を管理しやすくするために存在します。
以下で、それぞれの内容を解説していきたいと思います。
「地域名」
記載してある内容としては、一番理解しやすい部分かと思います。
これは、現住所を管轄区としている「運輸支局」か「自動車検査登録事務所」の所在地を表す地名が記載されています。
これは、各都道府県の面積や車両台数によって違いがあり、以下のようになっています。
●5箇所:東京都
●4箇所:埼玉県、神奈川県、千葉県、愛知県、福岡県
●3箇所:静岡県、大阪府
●2箇所:岐阜県、兵庫県などの11県
●1箇所:宮城県、京都府などの27府県
このため、住所地とはまったく違う地名が記載されたものを交付される人もたくさんいます。
ちなみに、好きな地名を設定することはできません。
「分類番号」
これは、車両の大きさや用途によって決まります。
1ケタ目(数字の左端)は固定で、残りの2ケタがランダムに決定されます。
振り分けられる番号の意味は以下のようになります。
◆乗合自動車:200番台
◆乗用自動車:300番台
◆小型貨物自動車:400、600番台
◆小型乗用車:500、700番台
◆特種用途自動車:800番台
◆大型特殊自動車:900番台
◆大型特殊自動車(建設用途):000番台
「ひらがな(判別文字)」
これも上記と目的は同じであり、“用途を区分するため”に用いられています。
ナンバープレートは、後述する「希望ナンバー」としてある程度自由に数字を設定することができますが、この「ひらがな(判別文字)」は自分の希望するものを選ぶことはできません。
また、駐留軍人用車両は平仮名のほか、アルファベットも使用されます。
用途区分および使用される「ひらがな」は以下の通りです。
◆自家用 :さすせそ たちつてと なにぬねの はひふほ まみむめも やゆ らりるろ
◆レンタカー :わ れ
◆駐留軍人用車両:アルファベットもしくは「よ」
ちなみに、上記をご覧になれば分かる通り、「お」「し」「へ」「ん」の4つの平仮名はナンバープレートには使用されていません。
この理由は、それぞれ以下の通りです。
●「し」:「死」を連想させてしまい、縁起が悪い
●「へ」:「屁」を連想させて不潔と感じる、排気ガスを連想させるなど諸説ある
●「ん」:発音がしづらい
「一連指定番号」
これは、登録時に割り振られる番号です。
必ずしも4ケタである必要はなく、「・1-11」「・・-11」「・・-・1」のように「・」(0の代わり)が付くこともあり、「・・-・1」~「99-99」まで通し番号が用いられます。
ここまでにご紹介したものと組み合わせて、膨大な数にのぼるすべてに車に固有の番号が割り当てられているのです。
ナンバープレートの「封印」について
リアナンバープレートの左上ボルトに付いているアルミカバーですが、これは「任意に脱着できないようにするための封印」であると共に、「正式にナンバープレートを取得したことの証」となります。
この封印は、国土交通大臣または運輸支局職員の“封印取付受託者”のみが行えるもので、封印が外された状態やナンバープレートが付いていない状態で走行をすると違反となります。
ただし、軽自動車にはこの封印はありません。
なぜなら、運輸支局ではなく軽自動車検査協会で登録手続きをするためです。
「希望番号制度」とはなにか?
「希望番号制度」というのは、“車のナンバーを自由に選択できる制度”のことをいいます。
これは、1999年5月より全国で実施されています。
対象となるのは、登録自動車の「自家用」「営業車」「自家用の軽自動車」で、「黒ナンバーの軽自動車」「レンタカー」「オートバイ」などは対象外となります。
また、いつでも自由に既存のナンバーを取り換えられるわけではなく、変更には以下のような条件があります。
◆引っ越しなどの住所変更で、陸運支局の管轄が変わる場合
◆使用しているナンバープレートが、破損・汚損・欠損したとき
さらに、この制度は「抽選対象希望番号」と「一般希望番号」の2種類に分かれており、必ずしも希望通りの番号が選択できるわけではありません。
特に日本人は、語呂合わせや縁起物が好きであり、希望番号が被りやすいのです。
そのため、希望が殺到しやすい以下13種類の番号を、「抽選対象希望番号」として抽選制にしているのです。
「・・・1」「・・・7」「・・・8」「・・88」「・333」「・555」
「・777」「・888」「11-11」「33-33」「55-55」「77-77」「88-88」
さらに、地名によっては独自の抽選番号が存在することもあります。
上記以外の番号を希望する場合は「一般希望番号」として抽選を行うことはありませんが、希望する番号がすでに使用中の場合は選択することができません。
ナンバーの変更について
上記の希望ナンバーへの変更以外でも、ナンバープレートの変更が必要となる場合があります。
◆中古車の購入や譲渡などで、管轄の運輸支局が変更となった
◆図柄ナンバーや字光式ナンバーへの変更
そして、ナンバー変更の際には以下が必要となります。
●自動車検査証
●住民票
●車庫証明書
●認印
●委任状(車の所有者と使用者が異なる場合)
●予約済証(希望ナンバーや図柄ナンバーの場合)
また、住所変更の有無や、自身で手続きを行うかディーラーに依頼するかなどで、必要なものが異なる場合もあります。
念のため、必要なものを事前に確認しておくことをオススメします。
ちなみに、変更の手続きは(書類に不備がなければ)基本的には即日で完了します。
ただ、年度末や年末などの混雑する時期では数日かかる可能性もありますので、この点にも注意しておきましょう。
まとめ:ナンバープレートは正しく取り扱おう!
以上が、「ナンバープレート」についてのご紹介となります。
一見すると適当に数字や文字が羅列しているだけのように感じる人もいるかもしれませんが、実はそれぞれにきちんとした意味があるのです。
「希望番号制度」としてある程度自由にナンバーを設定することもできますので、気になる方は一定のタイミングで希望するナンバーに変更してみるのもいいかもしれません。
ただし、いつでも自由に変更できるわけではありませんので、その点にはご注意ください。
尚、ナンバープレートはきちんと取り扱わないと“違反”になります。
◆ナンバープレートを「変形」させたり「確認しづらくする」行為
加えて、ナンバープレートカバーはすべて装着禁止(無色透明でもダメ)であり、接地角度も定められています。
こういった行為は、絶対に行わないようにしてください。
最後に。
ナンバープレートが犯罪目的で“盗まれる”というケースも相次いでいます。
ナンバープレートが盗まれると、一時的に車が使用できなくなったり、警察に事情聴取される恐れもあります。
再発行にも時間や手間がかかりますので、取り付け状態の確認とともに盗難対策も行っておくことをオススメします。