前回の記事で、「バスの具体的な用途」について、詳しくご紹介をさせていただきました。
実は、一言で「バス」と言っても、その種類や大きさはさまざまです。
たくさんの種類があり、それぞれに細かな違いがあります。
今回は、この「バスの種類」や「車両の違い」について、詳しくお話していきたいと思います。
用途別に見る「バスの種類」について
冒頭でもお話した通り、「バス」と一言で言い表しても、実にさまざまな種類が存在します。
用途別にまとめてみると、以下のようになるでしょうか。
◆「コミュニティバス」:地方自治体が運行に関与している小型バスで、路線バスよりも小回りが利く
◆「観光(貸切)バス」 :修学旅行や慰安旅行などで利用することが多い、”バスを貸し切って”使用されるもの
◆「定期観光バス」 :観光地・路線・運行時間が決められているバス
◆「高速バス」 :高速道路を走るバス
◆「空港アクセスバス」:空港とターミナル駅間を運行するバス
「バス」と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、街中を走っている「路線バス」ではないでしょうか。
通勤・通学などでも利用したことは多いでしょうし、もっとも人々の生活に密着しているバスと言えるでしょう。
また、「コミュニティバス」も「路線バス」と同じく街中を走るバスとして有名ですが、この2つの最たる違いは“運営会社”となります。
◆「路線バス」 :バス会社や交通事業者が運営する、決まった経路を運行するバスのこと
「コミュニティバス」の方が小回りが利き(大型バスが運行できないような狭い道路や住宅街などを走っている)、路線バスや電車など、他の交通手段がないエリアで運行されています。
「両者の違いが良く分からない!」という人は、≪前回の記事≫で詳しくご紹介しておりますので、そちらを参照ください。
なんにせよ、「バス」と一言で言っても、“用途別に見ても多くの種類が存在する”ということは、これでご理解いただけたかと思います。
車両の”区分け”について
概要
次に、“車両の区分け”についてのご紹介となります。
バス……、特に「観光バス」は、大きさや種類がかなり多いのが特徴です。
大別すると、
◆「中型車」
◆「小型者」
上記3つが存在し、この大きさは「国土交通省」が定める「一般貸切旅客自動車運送事業」で決まっているのです。
もちろん、それぞれのバスで、必要となる免許も異なります。
すべてをまとめてみると、以下のようになります。
●必要な免許:「大型免許」
●車両の区分:「車両の長さが9m以上もしくは旅客座席数が50人以上」
≪中型車≫
●必要な免許:「中型免許」
●車両の区分:「大型・小型者に分類されないもの」
≪小型車≫
●必要な免許:「普通免許」
●車両の区分:「車両の長さが7m以下+旅客座席数が29人以下のもの」
それぞれの違いを、もう少し細かく見ていきましょう。
「大型車」
大型自動車に必要な免許は、当然「大型免許」となり、その分類は以下のようになっています。
●最大積載量:6.5t以上
●常務定員 :30人以上
大型バスの最大の特徴は、“設備が充実している”ことでしょうか。
(大型のトランクはもちろん、冷蔵庫・カラオケ・ビンゴ・TVモニターなどが、基本的に常備されている)
「中型車」
中型自動車に必要な免許は、「中型免許」で、その分類は以下のようになっています。
●最大積載量:3t以上6.5t未満
●常務定員 :11人以上30人未満
最大の特徴は、“他のバスと比べて、もっとも車内の座席スペースが広々としている”ことでしょうか。
左右2席×6列に座席が配置されているのがスタンダードであり、前後の座席間がゆったりしているのです。
また、補助席がないので、通路も広く感じることでしょう。
長距離・長時間の観光であっても、安心して乗車することができると思います。
もちろん、トランク・カラオケ・モニターなど、設備も充実しています。
「小型車」
こちらは、「普通免許」で運用が可能で、分類は“上記のいずれにも該当しない自動車”となります。
いわゆる「マイクロバス」であり、バス料金も同じです。
小型であるがゆえに、大型や中型バスに比べて設備は充実していません。
(バスによっては、小さなトランク・カラオケ・TVモニターが付いていることもある)
ちなみに、小型バスは10年以上も前にメーカーが製造を終了しているため、新車がありません。
つまり、“台数が少ない”ということになります。
また、「小型バス」と「マイクロバス」は大きさやバス料金も同じですが、名称が異なる通り、実際は似て非なるものです。
「マイクロバスではなく、小型バスを借りたい!」という利用客もいるのですが、メーカーが製造を終了している点や、出発地によっては手配が難しいなどの理由もあり、「小型バスではなくマイクロバスの案内となってしまう」こともあるため、注意が必要です。
この両者の違いについては、改めて別の記事でご紹介できればと思います。
観光(高速)バスの種類について
バスの大まかな種類については上項の通りですが、観光(高速)バスは、さらに細かく種類分けがされています。
端的にまとめてみると、以下のようになります。
◆「スーパーハイデッカー」:(旅客席数 45~55人 目安の価格 約5,000万円)
◆「大型ハイデッカー」 :(旅客席数 45~51人 目安の価格 約4,000万円)
◆「大型一般車」 :(旅客席数 41~53人 目安の価格 約3,000万~4,000万円)
◆「中型ハイデッカー」 :(旅客席数 27~35人 目安の価格 約2,000万~3,000万円)
◆「中型一般車」 :(旅客席数 27~40人)
◆「小型ハイデッカー」 :(旅客席数 25~28人)
◆「小型一般車」 :(旅客席数 22~29人)
ちなみに、「デッカー」というのは「デッキ」のことであり、「客席(客室)の床」を意味しています。
●「ハイデッカー」 :高床
であり、ハイデッカーと一般車の違いは“床の高さ”となります。
このように、一言で「バス」といっても、その種類はさまざまです。
同じように見えても、意外とさまざまな違いがあります。
気になる方は、バスターミナルやサービスエリアなどで、バスの違いを探してみるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
以上が、「バスの種類」のご紹介となります。
ちなみに、バスの種類……というより、設置されている設備を含めると、もう少し種類が細分化されることとなります。
②「サロンタイプ」:座席の後部が「コの字」に回転するタイプのバスのこと
③「トイレ付バス」:文字通りトイレが設置されているバスのこと(数が非常に少ない)
④「リフト付バス」:車いすに座ったまま乗車できるバスのこと(数が非常に少ない)
特に、①③④はバスの数そのものが非常に少ないので、探すだけでも一苦労かと思います……。
とはいえ、これでバスの種類もさまざまに存在することがご理解いただけたかと思います。
同じように見えても、意外とさまざまな違いがあるのが、バスの面白いところなのです。