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「カーリース」ってなに?仕組みやローン購入との違い、メリット・デメリットについて解説します!

この記事は約13分で読めます。

車の新しい利用法として話題となっている、「カーリース」

お得とは言われていますが、実際何がお得なのかが分からないという方もいらっしゃいます。

カーリースの仕組みやメリット・デメリットは何か。

ローン購入との違いは何か。

どんな人がカーリースに向いているのか。

今回は、こういった点に注目して、ご紹介をしていきたいと思います。

そもそも「リース」とは何か?


リースとは英語で“賃貸借”の意味ですが、日本の場合は一般的に「リース会社が、企業に対して機械や設備を長期間賃貸する」という意味で使用されています。

機械や設備を“購入する”のではなく、“一時的に借りている”状態となるのです。

リースで借りたいという場合は、企業(利用者)側はまず対象物件を選定して、リース会社に申し込みを行います。

そして契約をした後に、メーカーや販売会社から直接物件が納入されます。

その後、物件が納入されたことを確認して、リース料金の支払いがスタートするのです。

リース会社は“リース物件の所有権を持っている”ため、リース物件に保険をかけ、リース物件の設置場所である市区町村に固定資産税を納めています。

カーリースも、原理はこれとほぼ同じです。

「カーリース」とは?

概要


端的に言うと、「契約者の希望に合わせた車をリース会社が調達し、月額制で貸し出す」となります。

最大の特徴は、“リース期間中は自分だけの車として自由に利用できる”という点です。

定額制で商品やサービスを利用できるサブスクリプションと同じ利用形態であるため、「車のサブスク」と呼ばれることもあります。

どういう人が利用するの?

元々は法人向けのサービスとして、商用車や社用車に利用されることがほとんどでした。

しかし、近年は個人向けにカーリースを提供する企業も増えており、法人だけでなく個人にもその存在が広く普及し始めています。

個人で車を購入・運用する場合、購入費だけでなく維持費もかかります。

購入の際には頭金が必要ですし、維持するためには車検や税金も支払わなくてはいけません。

対してカーリースの場合は、毎月定額のリース料金のみを支払えばよいので、自身で購入することに比べて手軽に車を利用することができるのです。

「カーローン」との違いについて


車は高額な買い物であるため、購入する場合にお金を一度に用意することが難しいケースもあります。

そのため、多くの人が「カーローン」を利用して購入しています。

ローンとは、「銀行などからお金を借りて、後から少しずつ支払う約束」のこと。

ただし、お金を前もって借りるため、後の支払いには“金利”が発生してしまいます。

この「カーローン」「カーリース」には、どういった違いがあるのでしょうか。

違いをまとめると、以下のようになります。

【所有者】
◆カーローン:銀行系マイカーローン→契約者、その他のカーローン→販売店・信販会社など
◆カーリース:リース会社

【使用者】
◆カーローン:契約者
◆カーリース:契約者

【初期費用】
◆カーローン:頭金・税金・登録諸費用など
◆カーリース:なし

【月々の費用】
◆カーローン:車両本体価格÷返済回数 ※頭金を払わない場合
◆カーリース:(車両本体価格-残価+諸費用)+支払回数

【維持費】
◆カーローン:税金・保険料・メンテナンス費用など、すべて自己負担
◆カーリース:定額にできる

【走行距離・カスタマイズ】
◆カーローン:一切の制限なし
◆カーリース:制限あり

ローンの場合は、基本的に車両に係わる費用だけが支払いの対象となるため、税金の支払いや新車登録などに係わる費用は所有者負担となります。

しかし、カーリースの場合は、税金や諸費用もリース料金に含まれており、毎月一定額の支払いで車を利用することができるのです。

もちろん、ガソリン代などの消耗品や駐車場代などは別途支払う必要がありますが、これはローンで購入した場合であっても同じことです。

そのため、「月々の支払いを抑えて利用したい」という場合は、カーリースの方がお得だといえます。

ただし、車を購入した場合は“資産”となりますが、カーリースの場合は所有者がリース会社になるため、支払い(契約)が終了しても自身の資産にすることはできません。
(一部の会社では、利用制限なしで最終的に車がもらえるサービスもある)

“買う”“借りる”かの違いであるため、どちらを選択するかは利用者自身が良く考えて決めてみて下さい。

「新車リース」と「中古車リース」の違いとは?

新車・中古車、仕組みそのものはどちらも同じですが、利用する際は以下のような違いに注意しておきましょう。

まず新車リースは、購入と同様に、グレードやオプションを選択でき、メーカー保証も利用できます。

中古車に比べて耐用年数も長いため、長期契約ができる点もメリットの一つといえるでしょう。

ただし、中古車に比べて費用は高く、納車までに時間がかかることとなります。

対して中古車の場合は、すでにある中古車を利用するため、新車に比べて納車がスピーディーです。

また、車両本体価格も新車より安いため、総額も抑えることができます。

ただし、中古車であるため、故障やトラブルといったリスクが発生する可能性はあります。

双方にメリット・デメリットがあるため、自身の状況に合わせて、納得のいく方を選択してみて下さい。

ちなみに、長期で利用する場合は、中古車リースより新車リースの方が月々の負担を抑えられる可能性がありますので、安い中古車に限定せず、どちらも検討対象にした方が良いかと思います。

カーリースのメリットとは?


カーリースには、マイカー購入とは違ったメリットが豊富にあります。

まとめると、以下の通りです。

1.貯金がなくても新車を利用できる
2.残価設定により料金をディスカウントできる
3.豊富な車種から好きな車を選べる
4.車選びから審査申し込みまでをネットで完結できる
5.乗り換えが楽
6.リース料を経費として計上できる

順に解説をしていきましょう。

メリット1.貯金がなくても新車を利用できる

車を購入する場合は、車両本体価格に加えて、初期費用としてまとまった資金が必要となります。

カーリースの場合は、初月からかかる費用は月額料金だけであるため、頭金・登録諸費用などのまとまった資金を用意する必要がありません。

また、車を維持していくためには、保険や税金も発生することとなりますが、これらもリース料金に含まれているため、維持費の負担も少なくても済みます。

また、メンテナンスプランに加入していれば、臨時の出費も気にしなくて済みます。

車は、消耗品であるため、使用していればメンテナンスは絶対に行わなくてはいけません。

また、車検や法定12か月点検など、一定期間ごとに別途費用が発生します。

メンテナンスプランに加入しておけば、家計を気にせず必要なタイミングでメンテナンスを行うことができるのです。

メリット2.残価設定により料金をディスカウントできる

「残価」とは、“契約満了時の車に残っている価値”のことであり、想定下取り価格を意味しています。

例えば、車両本体価格が200万円の車を購入する場合、支払う金額は当然200万円です。

しかし、残価設定を利用する場合は、契約満了時の下取り価格を差し引いた金額で契約を交わします。

そのため、まったく同じ新車を利用しても、カーリースで支払う車両本体価格は“購入した場合よりも安くなる”可能性があるのです。

ただし、注意点もあります(詳細はデメリットの項にて)。

メリット3.豊富な車種から好きな車を選べる

取扱車種が豊富なカーリース会社であれば、さまざまなメーカーの車種やグレードを比較して検討することができます。

各メーカーのディーラー巡りをする必要もありませんので、時間を節約しつつ自分にぴったりの車を見つけやすいのです。

加えて、月額料金のみの定額制であるため、購入では手の届かないワンランク上の車に乗れる可能性もあります。

メリット4.車選びから審査申し込みまでをネットで完結できる

個人で利用する場合、ネットで一通りの処理ができることがほとんどであり、オンラインで料金シミュレーションもできます。

また、納車時も車を自宅まで届けてくれます。

販売店へ訪問する必要が一切なく、自宅で気軽に比較・検討し、自分好みの車を選ぶことができるのです。
(店舗を用意しているカーリースであれば、対面で話を聞くこともできます)

加えて、リース満了時の手続きも同様に自宅で済ませられますし、(カーリースの車はリース会社の所有物であるため)リース期間中の車の税金や自賠責保険の支払い手続きもリース会社が行ってくれます。

車の売買・維持管理に手間がかからず、気軽にカーライフを楽しむことができます。

メリット5.乗り換えが楽

車を購入した場合は、中古車として売るにも廃車するにも、すべて自分で手続きを進めなくてはいけません。

対してカーリースの場合は、契約満了時にリース会社へ車を返却するだけで良く、必要な手続きはすべてリース会社が行ってくれます。

また、再リースや乗り換えなど、契約満了時の車の扱い方にもいくつかの選択肢が設けられています。

中には、契約満了時に車をもらえるカーリースもあるため、購入に比べて乗り換えの選択肢が広く・乗り換え自体が楽というメリットもあるのです。

メリット6.リース料を経費として計上できる

法人や個人事業主が、車を費用として計上するには期間をかけて減価償却していく必要があります。
(ローンを利用した場合、利息分のみの計上となる)

対して、カーリースの場合は月々のリース料をすべて“経費”として計上することができます。

リース料には税金・車検・メンテナンス費用なども含まれるので、経理上の手続きが大幅に簡素化でき、処理も楽となります。

節税効果に加え、経理の手間も減らすことができるのは、法人や個人事業主にとっては大きなメリットとなります。

カーリースのデメリットとは?


残念ながら、メリットばかりではなくデメリットも存在するため、利用する際には注意が必要です。

デメリットとしては、以下が挙げられます。

1.走行距離に制限がある
2.残価清算ありの契約方式では、高額な支払いが発生することもある
3.車の返却時に原状回復費用を請求される
4.事故が遭った場合に費用が発生することもある
5.カスタマイズがしにくい
6.契約途中での解約や契約内容の変更は、基本的に認められない
7.審査に通らなければ利用できない

こちらも、順に解説を加えていきます。

デメリット1.走行距離に制限がある

カーリースでは、月間や年間の走行距離に上限が設定されているのが一般的です。

その理由は、“契約満了時の車の価値を担保するため”です。

走行距離の制限は、1ヶ月あたり「500~2,000km」が平均値となっており、リース会社によって上限は異なります。

また、オーバーした場合は、超過料金が発生してしまう場合がほとんどです。

一般的な車の乗り方であれば超過料金を気にするケースはほとんどありませんが、中には“極端に制限距離の短いカーリース”も存在します。

必ず、契約前に詳細を確認しておくことをオススメいたします。

また、どうしても制限が気になるという場合は、走行距離無制限のカーリースを選ぶのも良いかと思います。

デメリット2.残価清算ありの契約方式では、高額な支払いが発生することもある

メリットの項でもご紹介した通り、多くのカーリースでは「残価」を設定します。

注意しなければいけないのは、「設定した残価と契約満了時の査定額に差がある場合に、高額な残価清算のリスクの可能性がある」ということです。

ただし、これは「オープンエンド方式」のカーリースに限られます。

オープンエンドとは、カーリースの契約時に“カーリース会社が設定した残価を契約者に開示する契約方式のこと”です。

こちらの場合、契約満了時に車の状態や中古車市場における価値などから査定を行い、契約時に設定した残価と実際に残っている残価との差額を算出して残価の精算を行います。

想定残価が実際の残価を上回っていれば差額が返金されるのですが、もし想定残価が実際の残価よりも低かった場合は、契約者は差額を支払わなければなりません。

これに対して、「クローズドエンド方式」というものも存在します。

こちらは、カーリースの契約時に“契約時にカーリース会社が設定した残価も、返却時の実際の残価も契約者に開示されない”契約方式です。

契約者は想定残価も返却時の差額も知ることができませんが、残価精算を行わないため差額を請求される心配がないのです。

契約満了時の高額請求を避けたいのであれば、残価清算の心配がいらない「クローズドエンド方式」のカーリースを選択して下さい。

デメリット3.車の返却時に原状回復費用を請求される

リース会社によって判断が分かれますが、返却時の車の状態によっては「原状回復費用」を請求される可能性があります。

ただし、車を使用していれば汚れや軽微な損傷などは発生してしまうもので、多少であれば原状回復の必要はほとんどありません。

とはいえ、リース会社によって判断が分かれますので、事前にその範囲を確認するか、原状回復費の補償があるプランを選ぶようにすると安心できるかと思います。

デメリット4.事故が遭った場合に費用が発生することもある

上記のように、通常の使用をしている中で起きた故障や傷については、メンテンナンスプランなどに加入することでカバーできます。

ただし、事故による損傷の周囲費用は上記プランの範囲には含まれず、利用者が負担しなければいけない場合がほとんどです。

とはいえ、これは車を購入した場合でも同じことではあります。

任意保険に加入することで事故に備えることもできますので、カーリースであっても任意保険の加入は検討しておくことをオススメいたします。

デメリット5.カスタマイズがしにくい

カーリースで使用している車の所有権は、“カーリース会社”にあります。

他人の所有物であるため、ドレスアップやカスタマイズは基本的にできないと考えておいた方が良いです。

ちなみに、カーナビやライトの入れ替えのような“元に戻せるカスタマイズ”であれば、行うことは可能ではあります。

しかし、契約満了時に車を返却する際は、原状回復が求められるため、注意はしておいた方が良いです。

デメリット6.契約途中での解約や契約内容の変更は、基本的に認められない

“総額を契約月数で割っている”ため、基本的に契約期間の途中で解約や契約内容の変更ができません。

もし途中解約となった場合は、残りの利用料を一括で支払うなど、高額な違約金を支払わなければならないことがほとんどです。

事故で修理不能や廃車になった場合など、やむを得ない事情で中途解約するケースでも同様です。

この点には、十分注意しておいた方が良いかと思います。

中途解約時の違約金をカバーできる自動車保険(任意保険)もありますので、心配な方はこういった保険に入っておくことをオススメいたします。

また、契約期間を柔軟に選べるカーリースを選ぶことで、中途解約のリスクを抑えることもできるはずです。

デメリット7.審査に通らなければ利用できない

カーローンの場合もそうですが、カーリースでも契約前に審査があります。

基本的に、カーリースの契約期間は、中長期に渡る可能性が高いため、「申込者が契約期間中に滞りなくリース料金を支払えるかどうか?」を確認する必要があるのです。

そのため、収入が不安定な人や債務履歴に不安要素のある方は利用できない可能性があります。

ただし、カーリースはお金の貸付ではありませんので、審査のハードルは低めではあります。

また、リース会社によって審査基準も異なります。

「一度審査に落ちたが、他のカーリース会社であれば審査が通った」というケースもありますので、気になる方はいろいろなリース会社を調べてみると良いかもしれません。

カーリースに向いている人は、どういう人?

個人で利用する場合、購入するよりも手軽にカーライフを始められるのが、カーリースの大きな特徴です。

ただし、カーリースに「向いている人」「向いていない人」がいるのも事実です。

特徴をまとめると、以下のようになります。

【カーリースに向いている人】
◆お金をかけずに新車に乗りたい
◆契約・車の維持・乗り換えの手間を省きたい
◆家計管理を楽にしたい
◆車やメンテナンスに詳しくない

【カーリースが向いていない人】
◆車を自分のもの(資産)にしたい
◆大きな出費に抵抗がない
◆走行距離が長い
◆ドレスアップやカスタマイズをしたい
◆生活環境の変化が不意に起こりやすい

結論、向いていない人には「デメリットだらけ」と感じてしまうことがあるため、自分がどちらに当てはまるかを確認した上で、自分に合った方を検討してみて下さい。

まとめ

車は、人生においての大きな出費の一つとなることは間違いありません。

現代は、“マイカーの所有”がステータスだった時代から、“車を生活のツールとして利用する”という考え方に変わっており、カーリースは車との新たな関わり方を実現できる手段の一つとなっています。

“費用”だけでなく、“手間”の面でもメリットが大きいカーリースですが、同時に注意しておかなくてはいけないこともあります。

また、「カーリースに向いていない人」もいます。

メリットとデメリットを理解し、「自分には購入とカーリースのどちらが向いているのか?」をしっかりと検討した上で、自分に合った方法で車を入手してみて下さい。

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