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「運転代行」ってなに?サービス内容や注意点、タクシーとの違いについて解説します!

この記事は約8分で読めます。

「運転代行」という名前を聞いたことはあるでしょうか。

これは、お酒を飲む会へ車で出向いたとき(飲酒したとき)や体調不良など、“自身が車を運転できる状態でないとき”に、代わりに車を運転して指定の場所まで送り届けてくれるサービスのことを言います。

しかし、これ以上に具体的な内容……例えば「料金システム」「依頼するときの注意点」などをご存じない方もいらっしゃるかもしれません。

また、人によっては「タクシーと何が違うの?」といった疑問がある方もいるかもしれません。

今回は、この「運転代行」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「運転代行」ってなに?


まずは、「運転代行とはなにか?」という点から、詳しくご紹介をしていきましょう。

冒頭でも記載した通り、“自身が何らかの理由で運転できる状態でないときに、代わりに車を運転して、指定の場所まで送り届けてくれるサービス”のことを指しています。

これは、「代行運転」と呼ばれることもあります。

利用するパターンで代表的なのは「飲酒」「病気(体調不良)」ですが、時には「観光」などの理由で利用されることもあります。
(観光地では地理がわからないため、プロに移動をお願いするというパターンである)

ちなみに、日本で初めてこのサービスを行ったのは、富山県にある「株式会社日星」であり、1963年というかなり古い歴史をもっています。

その後、特に注目がされ始めたのは、1980年ごろの“道路交通法の改正”です。

これにより、飲酒運転の取り締まりと罰則が厳しくなったことで、運転代行の価値が激増したと言われています。

「運転代行」のシステムとは?

“仕組み”について

運転代行の業務は、2人1組+車1台(随伴車:ずいはんしゃ)を用いて行われることとなります。

代行の流れとしては、以下6つのステップで行われています。

1.お客様が代行業者に代行の依頼を行う
2.2人のドライバーが随伴車でお客様のもとへ向かう
3.お客様と合流して、車をお預かりする
4.お客様の車を止めた駐車場が離れていれば、客車を運転してお客様をお迎えする
5.客車にお客様を乗せて、目的地に向かう。随伴車は客車について行く
6.客車を運転していたドライバーを随伴車に乗せて、営業所に向かう

この点に関しては、「公益社団法人 全国運転代行協会」が公開している「運転代行のしくみ」にて画像付きで説明がされており、非常に分かりやすくなっています。


引用:公益社団法人全国運転代行協会「運転代行とは」

運転代行には、いくつかのルール(注意点)が存在しますが、その点については後述でご紹介したいと思います。

“運転代行”はどうやって見つけるの?

もっとも簡単かつ探しやすいのは、スマートフォンなどのインターネットを利用して、近くの運転代行業者を探すことです。

できるだけ近くの業者を利用することによって、待ち合わせ場所までの時間も少なくて済み、スムーズな利用が可能となるはずです。

そして、利用したい業者が見つかれば、次に電話で代行を依頼しましょう。

この時、その代行業者に初めて依頼をする場合は、以下のことを質問されます。

◆名前
◆連絡先
◆予約日時
◆目的地
◆車を駐車している場所
◆車の種類や色
◆同乗者の人数

また、別の機会に再度代行依頼をする場合であっても、(当然ながら)「時間」や「場所」などの情報を質問されることになります。
(=待ち合わせの時間と場所を決める)

この点は、事前に確認して決めておくと、電話でのやりとりがスムーズに行われることとなるでしょう。

“料金”について

上項でご紹介した「公益社団法人 全国運転代行協会」によると、運転代行の料金は“地域や業者によって、独自に設定されている”とのことです。

このことから、「金額(料金システム)が良くわからない」「思った以上に値段が高かった」などの意見が寄せられることもあるのだとか。

この点については、国土交通省が平成28年に料金制度に関するガイドラインを策定、また専用の料金メーターの規格化、設置の義務化についても検討しているとのことです。
(運転代行業の利用者の保護のため)

ただ、現段階で料金システムを簡単にご紹介すると、基本は「基本料金+距離」で料金設定をする業者が多いかと思います。

この“距離”の算出方法ですが、以下の2パターンが存在します。

①随伴車に料金メーターが搭載されているパターン(タクシーの料金メーターと似たようなもの)
②客車のトリップメーターで走行距離を測り料金を算出するパターン

現時点では、料金の設定は業者によってまちまちです(業者ごとに自由に設定できる)。

そのため「初めて利用する」という場合は、利用する前に業者に料金設定について質問をしてみることをオススメします。

「タクシー」との違いは?


名称が異なることからもわかる通り、「タクシー」「運転代行」はまったくの別物と考えてください。

それぞれの特徴は以下の通りです。

◆「タクシー」:”利用者本人のみ”を、目的地まで運ぶ
◆「運転代行」:”利用者と利用者の車”を、目的地まで運ぶ

一見すると、「利用者を目的地まで運ぶ仕事」という意味で似ているように感じるかもしれませんが、実際は似て非なるものなのです。

運転代行の”注意点”について


運転代行を依頼するにあたって、注意しておかなくてはいけないことが“3つ”あります。

①随伴車に乗ってはいけない
②事故を起こした場合、自動車運転代行業者の保険が適用される
③自車だけを運んでもらえない

思わぬトラブルに発展しないためにも、事前に確認をしておくことをオススメいたします。

上記、それぞれ補足を加えていきましょう。

注意点その1.「随伴車に乗ってはいけない」

例えばの話ですが、「車を駐車した場所が現地より遠いから、駐車場まで随伴車に乗せてほしい」という場面があったとします。

これは、業者側としては“禁止行為”となります。

というのも、随伴車に利用者を乗せるというのは「白タク行為」として法律で禁止されているのです。

この「白タク行為」というのは、簡単に言うと“送迎サービスの許可を取得せずに行う違法行為のこと”になります。

例えば、タクシーなどの“営業用車両”として認可されている場合、ナンバープレートは「緑色」になるのです。

しかし、運転代行の随伴車は本来“利用者を運ぶ車ではない”ため、ナンバープレートは「白色」になります。

これが、“白タク”と言われる所以なのです。

もし「ちょっとぐらいいいでしょ!ケチケチするなよ!」など随伴車に乗ることを強いてしまうと、運転代行業者からすると「違法行為」となってしまうため、随伴車に乗ることを要求するのは絶対に避けるようにしてください。

注意点その2.事故を起こした場合、自動車運転代行業者の保険が適用される

運転代行業者の業務中に交通事故を起こしてしまった場合、「運転代行業者が加盟している保険」から補償が行われることとなります。

仮に、依頼主自身が手厚い補償に加入していたとしても、依頼主自身が加入する自動車保険を利用することはできませんので、この点も注意しておきましょう。

ちなみに、運転代行業者は損害賠償措置を取る義務を負っており、一定の基準以上の代行保険に加入しなくてはいけません。

その基準は以下の通りです。

≪損害賠償額:対人8,000万円以上、対物・車両200万円以上≫

これは国土交通省が定めており、また事故の程度によっては、より多くの補償が必要になる場合もあります。

交通事故は、自身の体はもちろん、自身の車や他者(他車)にも迷惑をかけてしまう恐れがあります。

このような危険性を避けるためにも、(念のため)事前に「利用する代行業者は、どういった保険に入っているのか?」も確認しておくといいかもしれません。

注意点その3.「自車だけを運んでもらえない」

基本的にはあまり類を見ないケースではありますが、“自分の車のみを代行運転してもらう”こともお願いできません。

このサービスは、あくまで「”利用者”と”利用者の車”を目的地まで運ぶこと」なのです。

車だけの配送であれば、それは「陸送」に該当することとなります。

また、上記でご紹介した「運転代行用の保険」ですが、自車だけを運んでいる最中に事故が起きても“運転代行用の保険は適用されない”こととなります。

このことから、トラブルを避けるためにも、自車だけを運んでもらうような依頼は避けるようにしましょう。

“自身”のみが目的地に移動するのであれば、「タクシー」を、

“自身”と”自車”を目的地に運んでもらうのであれば、「運転代行」を、

“自車”のみを配送してもらうのであれば、「陸送」を、

それぞれ用途に合わせて使い分けして利用するようにしてください。
(陸送を利用する機会はそもそもあまりないとは思いますが、念のため……)

まとめ

以上が、「代行運転のサービス内容・注意点」となります。

これは、飲酒・怪我・体調不良など、“自身が車を運転できなくなったとき”に重宝するサービスです。

特に利用するパターンで多いのは「飲酒時」かと思います。

確かに、法規制や飲酒運転根絶の取り組みなどもあって、飲酒運転の(死亡)事故率は減少してはいます。

しかし、完全に根絶されたわけでもありません。

飲酒運転による悲惨な交通事故を起こさないためにも、お酒を飲む前から安心できる運転代行業者を調べておくことをオススメします。

また、思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、利用する際には注意点をしっかり把握・確認しておきましょう。

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