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「電気自動車」ってなに?特徴や他の車との違い、メリット・デメリットについて解説します!

この記事は約10分で読めます。

エコカーの一つとして、現在注目を集めている「電気自動車」

その名の通り「電気」を用いて走行する車のことです。

しかし、ガソリン車がまだまだ主流の現代において、「電気自動車のことを詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、この「電気自動車」の特徴やメリット・デメリットなどについて、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「電気自動車」とはなにか?


「電気自動車=Electric Vehicle」……略して「EV」と呼ばれています。

その名の通り、動力源を「電気」として走る車のことを、「電気自動車」というのです。

これは、大きく以下2種のタイプに分けられます。

①「バッテリー」から電力を得るタイプ
②電力外部から得る「架線式」

ただし、②は日本においては一般的ではなく、「電気自動車=バッテリーから電力を得るタイプ」の方がイメージは付きやすいと思います。

とはいえ、架線式=「架線集電式電気自動車」として、トロリーバスなどが古くから存在しており、海外ではこちらをイメージする人も多いでしょう(電車のようなものを想像すると、イメージが付きやすい)。

そして、①のバッテリーから電力を得るタイプの自動車のことを、「電池式電気自動車」と呼びます。

“電気をエネルギーとする車”であるため、ハイブリッドカーなどの“エネルギーの一部として電気を使う車”も含まれることがありますが、一般的には“電気だけをエネルギーとする車”を指すことが多いとされています。

スマートフォンなどと同様に自動車にバッテリーが搭載されており、充電によって電力を蓄えます。

そして、その蓄えた電力を使って、車を動かしているのです。

「ハイブリッド車」「ガソリン車」「ディーゼル車」との違いはなにか?


車の歴史は非常に古く、現在も様々な進化を続けています。

そして、同時にさまざまな種類が存在するのです。

現在の主な種類と動力を端的に紹介すると、以下のようになります。

◆ハイブリッド車:「電気」と「ガソリン」の両方を搭載している(ハイブリッド=組み合わせるという意味である)
◆ガソリン車  :「ガソリン」を動力とする
◆ディーゼル車 :「軽油」を動力とする

他にも、「PHV(プラグインハイブリッド自動車)」「FCV(燃料電池自動車)」なども存在します。

これらと、「電気自動車」との最大の違いは、ガソリンや軽油などの“燃料をまったく使用しない”ということです。

例えば、ハイブリッド車は「電気」「ガソリン」の両方を使用しますが、電気自動車は「電気」のみを使用し、ガソリンは一切使いません。

また、“充電器を使って外部から充電する”のも、一般的なハイブリッド車と違う点といえるでしょう。

ただし、上記に記載した「PHV(プラグインハイブリッド自動車)」は、外部充電が可能な車種も存在します。

電気自動車の「メリット」とは?


次世代のエコカーとして注目を集めている電気自動車。

注目されるからには相応のメリットが存在します。

まずは箇条書きでまとめてみると、以下のようなメリットが存在します。

1.「環境に優しい」
2.「快適に走行できる」
3.「燃料代を節約できる」
4.「補助金制度を利用できる」
5.「自動車税の優遇を受けられる」

順に、捕捉を加えていきましょう。

メリット1.「環境に優しい」

ガソリンなどの内燃機関は、「二酸化炭素」「炭化水素」などの有害とされる物質を排出してしまいます。

環境のために……と技術がいくら向上して有害物質を抑えられているとはいっても、排気ガスの排出はゼロにはならないのです。

近年、例年以上の高温が続いているとおり、急激に地球温暖化が進んでいます。

排気ガスに含まれるCO2がその原因の1つとも言われているのです。

しかし、電気自動車は動力が「電気」であるため、“排気ガスをまったく排出しない”作りとなっています。

特に、自動車が多い都市部において、排気ガスを排出しない電気自動車のメリットは大きな意味を持ち、電気自動車は“環境に優しい乗り物”といえるでしょう。

メリット2.「快適に走行できる」

エンジンを搭載する内燃機関は、シリンダー内で爆発を発生させてエネルギーを取り出します。

そのため、どうしても「振動」が乗じてしまうのです。

これは、回転数が高くなればなるほどに、振動の可能性も高まることとなります。

しかし、電気自動車は「モーターを駆動させる仕組み」となっています。

このため、エンジン車に比べ振動を抑えられますし、走行音も静かになります。

総じて、“快適に走行できる”というメリットにつながるのです。

メリット3.「燃料代を節約できる」

利用者にとっての一番のメリットといえば、「燃料代を節約できる=家計に優しい」ことが挙げられます。

電気代が多くかかりそうなイメージがありますが、「ガソリン車」と比べて「電気自動車」のランニングコストは“年間でおよそ4万円弱お得になる”という試算が出ています。

一度導入すれば、環境はもちろん、お財布にも優しい乗り物となるのです。

メリット4.「補助金制度を利用できる」

これはデメリットの項目でもご紹介するのですが、ガソリンエンジンを搭載した車と比べて、「電気自動車の方が車両価格が高くなる」傾向があります。

しかし、現在は国や自治体による「補助金」制度が設けられており、購入時の負担を抑えることができるのです。

電気自動車を購入すると、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金(CEV補助金)」を受けることができます。

これは、車両・外部給電器などの購入後、所定の書類を提出すれば受給することが可能です。

そして、令和4年度の補助金上限は、以下の通りです。

◆給電機能のない車種:65万円
◆給電機能のある車種:85万円

※実際の受給額は、車種やグレードによって変わる

また、例えば東京都の「ZEV補助金」など、自治体独自の補助金を設けている場合もあります。

ただし、補助金自体はいつ終了するか分かりません。

そのため、購入を検討している方は購入前にしっかりとリサーチをしておくことをオススメします。

メリット5.「自動車税の優遇を受けられる」

自動車の所有時には、以下3つの税金がかかることとなります。

◆自動車税環境性能割(旧:自動車取得税)
◆自動車重量税
◆自動車税

しかし、電気自動車の場合は、これらの税金が免税もしくは減税の対象となります。

さらに2022年7月には、環境性能に優れた車両に適用される「グリーン化特例」が実施されています。

この特例では、2021年4月1日から2023年3月31日までに新規登録された「EX」「PHV」「FCV」「LPG」は、登録翌年の税金が「概ね75%」軽減となります。

また、補助金制度と同じく、自治体独自の減税や免税制度もあります。

購入時だけでなく維持する際にも税金の負担を抑えられるようになっており、普及を促進しているのです。

この点についても、購入前にしっかりとリサーチを行っておくことをオススメします。

電気自動車の「デメリット」とは?


「環境やお財布にも優しく、補助金などの優遇策もある」

メリットだけを聞くと、良いこと尽くしのように感じる人もいるかもしれません。

しかし、多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在するのが事実です。

それは、以下が挙げられます。

1.車種の選択肢が少なく、車両代金も高い
2.航続距離が限られている
3.充電スポットが少ない
4.充電に時間がかかる
5.家で充電するには工事が必要である

これも、順に補足を加えていきましょう。

デメリット1.車種の選択肢が少なく、車両代金も高い

最近では電気自動車のラインナップも増えてきてはいますが、それでもハイブリッド車やガソリン車に比べれば圧倒的に車種は少ないです。

費用に関しても、300万円台~が費用相場となっており、補助金が利用できるとはいえそれでも安いとは言えません。

ちなみに、電気自動車は“バッテリー容量が大きいものが高額になる”という特徴があります。

そのため、「自分は走行時の性能を気にしないから」とエンジン車のような感覚で安い電気自動車を購入してしまうと、航続距離が足りず、日常使いで不便を感じることになりかねません。

金額よりも“自分の用途に合った電気自動車選び”を行う必要があるため、人によってはより高額な買い物となってしまう可能性もあるはずです。

デメリット2.航続距離が限られている

現時点での電気自動車の最大のデメリットとも言えるのが、この「航続距離が限られている」という点です。

※「航続距離(こうぞくきょり)」とは、航空機や船舶、電気自動車などが燃料を最大積載量まで積んで飛行できる、または航行、運転できる最大距離のことをいう※

バッテリーの性能向上に伴い航続距離は伸びているとはいえ、100km程度から200kmほどの航続距離の車が多いとされています。

◆普段から車を愛用している人
◆旅行などロングドライブを行う人

などの場合、この「航続距離」には十分に注意しておかなくてはいけません。

ガソリン車であれば、遠出途中に燃料がなくなってきても、ガソリンスタンドで気軽に給油をすることができます。

しかし電気自動車の場合は充電スポットがまだまだ少なく、充電にも時間がかかるため、十分な注意が必要となるのです。、

デメリット3.充電スポットが少ない

充電スポットは、およそ「18,000ヶ所」存在しており、全国のガソリンスタンドの6割を超えるところまで来ています。

しかし、まだまだその数は多いとは言えず、どこでも自由に充電できるとは限りません。

特に、地方では充電に困ることもあるはずです。

ちなみに、充電スポットがある場所は、以下のように多岐に渡ります。

◆カーディーラー
◆コンビニエンスストア
◆ショッピングモールなどの商業施設
◆ホテルなどの宿泊施設
◆道の駅
◆サービスエリア、パーキングエリア
◆飛行場や市役所など公共施設の駐車場

そして充電スポットは、以下のようなサイトで探すことができます。

●e-Mobility Power
●GoGoEV
●EVsmart
●チャデモ協議会

また、最近では簡単に充電スポットが探せるようなアプリも出ているため、地域によっては充電スポットも見つけやすくはなっています。

ただし、上述で記載したように地方などではまだまだ充電スポットの導入が追いついておらず、「充電スポットがまったく見つからない!」といった事態を招く恐れもあります。

特に遠出するときなどは、その地域の充電スポットを事前に確認しておくことをオススメします。

デメリット4.充電に時間がかかる

「電気自動車=バッテリーに充電する必要がある」となります。

スマホの充電に時間が掛かるのと同じように、電気自動車のバッテリーに充電するにも“一定の充電時間”が必要となるのです。

この充電時間は、電気自動車……というより、搭載されているバッテリーによって変化します。

例えば、フル充電に必要な時間は、およそ7時間~といわれています。
(急速充電であれば20分~30分で完了することもあるが、それでも一定の時間は必要となる……し、そもそも急速充電スポットの数はまだまだ少ない)

ガソリン車であれば、ものの数分で燃料補給が完了しますが、電気自動車はどうしても充電に時間が掛かってしまいます。

もし「充電するのを忘れていた……!」なんてことになれば、ガソリン車のように簡単に給油することはできないのです。

デメリット5.家で充電するには工事が必要である

上記の通り、電気自動車を使用するには「バッテリーの充電」が必要不可欠であり、「充電設備」が欠かせないものとなります。

スマホの充電のように、コンセントにさせばOK!ではないのです。

そのため、自宅で充電する場合は設備工事が必要となります。

例えば、充電用コンセントを使用する場合、製品自体は数千円から1万円前後で販売されています。

しかし、電気自動車用の充電設備にはブレーカーが必須であり、施工のすべてにかかる費用は約10万円が相場とされています。

設置費用は、補助金の対象になる場合や、メーカーが費用をサポートしてくれる場合もありますが、それでも決して安い買い物ではありません。

この点についても、事前にしっかりと確認を行っておくといいでしょう。

まとめ

以上が、「電気自動車の特徴や他の車との違い、メリット・デメリット」についてのご紹介となります。

電気自動車は、今後の日本においてどんどん普及されていくことでしょう。

なぜなら、2021年6月に経済産業省はいわゆる「グリーン戦略」を発表したからです。

この中で、電気自動車などエコカーのさらなる普及を打ち出し、2035年までの新車販売の100%を電動車(ハイブリッド車も含まれる)に、2030年までに充電スポット15万ヶ所設置を目標としており、日本では今まさに電気自動車の普及の取り組みが進められています。

そのため、電気自動車を取り巻く環境は、これからより変わっていく可能性が高いといえます。

しかし、だからといって誰でも簡単に電気自動車に乗り換えができるほど容易ではありません。

メリットも多いですが、同時に明確なデメリットも存在するため、導入に対してはしっかりと検討を行ってから踏み切った方が良いのです。

ぜひ国や自治体の制度を活用しつつ、電気自動車の特徴を踏まえたうえで取り入れるかどうかを考えてみてください。

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