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「揚貨装置運転士」ってどんな資格?取得するメリットや合格難度について解説します!

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船で運ばれた大きな荷物や重い荷物を、クレーンやデリックを使って陸へと渡す作業があります。

この作業を行うときに必要な資格が「揚貨装置運転士」という国家資格なのです。

この資格を所持することで、港湾での荷役作業で必要とされる知識やスキルを持っていることを証明できます。

では、どういう人がこの資格の取得を目指すべきなのでしょうか?

また、試験の合格難度はどのくらいなのでしょうか?

今回はこの資格について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「揚貨装置」とは一体なんなのか?

概要


“船舶上に設置されたクレーンもしくはデリックのこと”を指しています。

これは、“5t以下”“5t以上”の装置に分けられることとなり、それぞれで必要な免許が異なります。

◆「5t以下」:”揚貨装置運転特別教育”によって学科と実技の教育を受けた人に、運転士としての免許が与えられる
◆「5t以上」:”揚貨装置運転士試験”に合格することで、運転士としての免許が交付される

つまり、今回ご紹介するこの資格に合格することで、5t以上を含めすべての揚貨装置を操縦することができるようになる、というわけです。

ちなみに、同じ船と陸の上でクレーンやデリックを操作して荷物のやり取りをする場合、陸側にクレーンやデリックを設置して運転する運転士に必要な免許は「クレーン」「デリック」に関するもので大丈夫です。

本免許が必要となるのは、あくまでも“船舶上のクレーンやデリックを操作するためのもの”となります。

なぜ、特別な免許が必要となるのか?

同じ船舶上の荷物を動かす場合であっても、「陸上にあるクレーン・デリック」「船舶上にある(船舶に取り付けられた)クレーン・デリック」とで、必要な免許が異なるのはなぜでしょうか?

その理由は、「船舶上かどうか」に違いがあります。

陸上の場合は、クレーンやデリックは完全に固定された状態で操作が可能です。

しかし、“船舶上=海の上”であるこちらの場合は、船の揺れなどでバランスを崩す恐れがあるため、より高度な操作技術が求められることとなるのです。

クレーンやデリックは、重いor大きな荷物を扱うため、操作を誤ってしまうと最悪命に関わる大事故を引き起こす恐れがあります。

バランス操作を誤ると、足場である船舶自体が転覆する危険性だってあります。

だからこそ、「バランスを取って船舶上のクレーンなどを操作できる、より高度な技術を有している証明」として、本免許が存在するのです。

資格の「取得方法」について


次に、本資格の取得方法について、ご紹介をしていきたいと思います。

「受験資格」について

本資格は国家資格ですが、受験資格というものは特に設けられていません。

学歴・経験・年齢を問わず、誰でも受験することが可能です。

ただし、「本人確認証明書」の添付は必要となります。

また、試験に合格した後に、所在地の都道府県の労働局長への申請をすると免許が交付されます。

ただ、免許が交付されるのは18歳以上からとなりますので、この点には注意しておきましょう。

「受験料」「受験地」「試験日程」などについて

まず、本免許を取得するためには、「学科」と「実技」の試験に合格する必要があります。

その試験を受けるために必要な受験料は、以下の通りです。

◆「学科」:6,800円
◆「実技」:11,100円

受験地は全国各地にあるため比較的地方に住んでいる方でも受験はしやすいかとは思います。

ただ、試験日程や合格発表日については、地域によって異なりますので、受験申込・問い合わせ先までご自身で確認を取るようにしてください。

「試験内容」「免除科目」について

上記でも記載した通り、試験には「学科」と「実技」の両方に合格する必要があります。

それぞれの内容は、以下の通りです。

【学科試験】
◆揚貨装置に関する知識:10問(30点)
◆関係法令:10問(20点)
◆原動機及び電気に関する知識:10問(20点)
◆揚貨装置の運転のために必要な力学に関する知識:10問(30点)

【実技試験】
◆揚貨装置の運転
◆揚貨装置の運転のための合図

尚、学科試験の所要時間は「2時間30分」となっていますが、2科目が免除される場合は「1時間15分」となります。

つまり、所有する資格によって、学科試験や実技試験が一部orすべて免除となる可能性があるのです。

要件・科目および免除の申請に必要な書類は、以下の通りとなります。

◆クレーン・デリック、旧クレーン、旧デリック又は移動式クレーン運転士免許を有する者は、
 ・学科(原動機及び電気に関する知識、力学に関する知識)
 ・実技(運転のための合図)
が免除される。

◆揚貨装置運転実技教習を修了した者で、その修了した日から起算して1年以内の者は、実技の全てが免除
◆揚貨装置の学科試験に合格した者で、その学科試験が行われた日から起算して1年以内の者は、学科の全てが免除
◆床上操作式クレーン運転、小型移動式クレーン、玉掛けの講習を修了した者は、実技(運転のための合図)が免除

尚、免除の申請には、以下のような書類が必要となります。

◆免許証の写しを提出すること
◆実技教習修了証の原本またはは写しを提出すること
◆免許試験結果通知書の原本または写しを提出すること
◆技能講習修了証の写し

状況に応じて必要な書類は異なるため、「自分にとって必要な書類はなにか?」は、自身でしっかりと確認を取るようにしてください。

「合格基準」について

本試験の合格基準は、以下のようになっています。

【学科】
以下の条件全てを満たすことで合格となる
◆総得点が、満点中60%以上の得点率
◆各科目が、満点中40%以上の得点率

【実技】
以下の条件を満たすことで合格となる
◆減点の合計が40点以下で合格

「合格率」について

直近の「受験者数」「合格者数」「合格率」は、以下のようになります。

【学科】
◆平成30年度:受験者数516人、合格者数385人、合格率74.6%
◆令和1年度:受験者数591人、合格者数418人、合格率70.7%
◆令和2年度:受験者数376人、合格者数288人、合格率76.6%
◆令和3年度:受験者数446人、合格者数359人、合格率80.5%

【実技】
◆平成30年度:準権者数315人、合格者数297人、合格率94.3%
◆令和1年度:受験者数349人、合格者数327人、合格率93.7%
◆令和2年度:受験者数231人、合格者数214人、合格率92.6%
◆令和3年度:受験者数273人、合格者数249人、合格率91.2%

平均すると、「学科試験の合格率:75%前後」「実技試験の合格率92%前後」ということになります。

実技試験は90%越え、筆記試験も70%を超えていることから、国家資格の中では比較的取得難度は易しい方といえるでしょう。

試験で問われるもの

上項でもお伝えした通り、揚貨装置の運転には危険が伴います。

そのため、以下のような点を十分理解しているかが問われることとなります。

◆揚貨装置の構造や原理
◆運転のために必要な力学
◆関係法令といった知識
◆運転のための操作技術や能力
◆合図について

学科試験のオススメの勉強法は、「数年分の過去問を繰り返し勉強すること」です。

過去問は繰り返し出題されるので、1つの問題を深く理解することができれば、同様の問題には対処することができるようになるでしょう。

勉強方法について

上記でもお伝えした通り、学科試験の勉強方法は、「数年分の過去問を繰り返し勉強すること」です。

特に、問題集の解説が詳しい問題集もしくは参考書を選ぶのが良いと思います。

ちなみに、計算問題も類似して出題されることとなりますが、答えの出し方さえ理解すれば、問題がどう変わろうと答えることができます。

そして実技試験ですが、当然運転を訓練する必要があるため、運転教習を受講してみてください。
(揚貨装置の6日間コースの運転教習があります)

教習で修了試験に合格できれば、実地での実技試験は免除となります。

教習の基本は以下の通りです。

◆「基本運転」:1回60分の、計240分
◆「応用運転」:1回60分を1日2回、軽240分
◆「合図の基本動作」:60分が1回

上記教習をすべて終えたのちに修了試験があり、揚貨装置の運転と運転のための合図が試験されることとなります。

仮に、万一試験に不合格となっても、60分の補習を行えば追試験が受けられます。

資格を活かせる職業・就職先はどこ?


この資格を取得すれば、「船舶に取り付けられたクレーン・デリックを操縦できる」ようになります。

つまり、上記のようなメリットが発生するのです。

◆船上での荷役作業において、たしかな知識と技術をもって従事できる
◆船に積んだ大きくて重い荷物の運搬ができる

このことから、本資格を取得できれば、港湾関係への就職や転職が見込めるようになります。

この資格は、上記でもお伝えした通り、取得難度が易しめではあります。

しかし、だからといって「誰にでも簡単に取得できる資格ではない」ではあります。

高度な知識と専門技術が必要となってくるため、この国家資格を取得すれば、一生モノの資格として長く役立てることができるようになるでしょう。

また、「重い・大きな荷物を扱う=下手をすれば大事故につながる」という可能性もあるため、完全に人の手を離れて完全自動化することも難しいです。

これらのことから、将来性も十分にある仕事(資格)といえるかもしれません。

まとめ

以上が、「揚貨装置運転士の資格概要・合格難度・取得するメリット」のご紹介となります。

本資格は、船上でのクレーンなどの操作を行うことができるようになるのが大きな魅力の一つと言えます。

港湾での荷役作業で必ず必要とされる資格であるため、関連する職業に就職・転職したいと考えている人は、ぜひとも資格取得に向けてその一歩を踏み出していただければと思います。

それに合わせて、陸上荷役作業に関する資格(クレーン・デリック運転士や移動式クレーンなど)も取得していれば、より幅広い業務に携わることができるようにもなるでしょう。

◆関連する職業に、就職・転職したい
◆スキルアップをしたい

このように考えている人は、資格取得に向けて、ぜひチャレンジしてみてください。

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