運転手・ドライバー業界の求人をお探しの方はドライバーbizへ。詳しくはこちら!

「危険物取扱者」ってどんな資格?資格の種類や初めて取得を目指す場合の注意点を解説します!

この記事は約9分で読めます。

人々の生活を支えている物の中には、知識なく扱うと、大事故を引き起こすような危険物質も含まれています。

もっとも身近なものでイメージしやすいものといえば、「ガソリン」「灯油」などが挙げられるでしょうか。

こういった、業務上で危険物を安全に取り扱う際に必要となる資格が、「危険物取扱者」というものです。

この資格を取得すれば、具体的にどんなことができるようになるのか?

資格にはどのような種類が存在し、どんな試験を受ければ取得できるのか?

今回は、こういった内容について、詳しくご紹介していきたいと思います。

「危険物取扱者」とはなにか?

概要

これは、「消防法」という法律で定められた国家資格のことです。

一定量以上のものを貯蔵したり、取り扱ったりする際に必要となる資格およびその資格を所持している人のことを指しています。

この資格が必要とされる場所は、例えば以下が挙げられるでしょうか。

◆一定量以上の危険物を貯蔵、取り扱う化学工場
◆ガソリンスタンド
◆石油貯蔵タンク
◆タンクローリー施設

危険物を取り扱う際は、事故などを防ぐために適切な管理が必要となります。

これらの取り扱いに立ち会う際に求められるのが、本資格になるというわけなのです。

「定義」について

ちなみに、危険物は「消防法」によって定められていますが、その定義は以下の3つとなります。

●火災が起きるリスクが大きい
●火災が広がるリスクが大きい
●消火困難の可能性が高い

日常生活においての身近な危険物に指定されているのは、「ガソリン」「灯油」「油性塗料」などがあります。

例えば、よく目にする&利用する人も多いであろうガソリンスタンドでは、危険物取扱者の立ち合いが必要不可欠です。

また、化粧品開発メーカーでも「アルコール」「オイル」などの材料が危険物とされるため、有資格者が求められることとなります。

もちろん、これら危険物を運ぶ際にも、確かな知識と技術を持った人が運転をする必要があります。

これらのことから、上記の定義に当てはまるものは非常に多く、この資格はさまざまな仕事に影響しているのです。

立ち合いは、生活安全に重要である

上記の通り、この資格および資格所有者は、生活におけるさまざまな場面で必要な存在となります。

一つ扱いを間違えれば、やけどなどの怪我に繋がりますし、下手をすれば火災や爆発などの大事故を引き起こす可能性もあるのです。

本資格所有者は、不慮の事故に対処するスキルも問われることとなります。

その場にいる人たちを安全に避難させた上で、事態を収拾する対応をしなければいけません。

また、事故に巻き込まれて怪我をした人がいれば、すぐに安全な場所に移動したうえで、応急処置を施す必要もあるのです。

事故は起きないに限りますが、危険物を取り扱う以上100%安全とは言い切れなくなります。

万が一事故が起きた場合、専門知識に従って消火や要求処置が必要となるのです。

資格の種類について

危険物は「6つ」に分類される


消防法では、火災の危険性が高い物質を「危険物」として指定しており、それは以下の6つに分類されることとなります。

●第1類:酸化性固体塩素酸ナトリウム、硝酸カリウムなど
●第2類:可燃性固体硫黄、鉄粉など
●第3類:自然発火性物質及び禁水性物質ナトリウム、黄リンなど
●第4類:引火性液体ガソリン、灯油など
●第5類:自己反応性物質ニトログリセリン、トリニトロトルエンなど
●第6類:酸化性液体過塩素酸、過酸化水素など

そして、本資格には「丙種」「乙種」「甲種」の3種類に分かれており、資格によって取り扱うことができる危険物が異なります。

加えて、それぞれで受験資格も異なります。

この項目にて、それぞれの違いを解説していきましょう。

「丙種」について

丙種として取り扱えるものは、以下の通りです。

◆ガソリン
◆灯油
◆軽油
◆動植物油類
◆第3石油類(重油や潤滑油、引火点130℃以上のもののみ)
◆第4石油類

3種の中でもっとも扱える危険物に制限が加えられることとなり、さらに「無資格者への立ち合いができない」「危険物保安監督者になれない」などの制限もあります。

例えば、セルフサービスのガソリンスタンドには立ち会うことができません。
(店員が給油を担当するガソリンスタンドであれば、対応可能)

基本的に丙種資格は業務の幅が狭く・限られてくるため、より幅広い業務を求めるなら「乙種」「甲種」を狙った方が良いかと思います。

尚、受験資格は特に制限がなく、誰でも受講することが可能となっています。

「乙種」について

これは、さらに第1類~第6類に分かれており、以下のようになっています。

◆第1類:「酸化性固体」(例)塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムなど
◆第2類:「可燃性固体」(例)マグネシウム、硫黄、赤リンなど
◆第3類:「自然発火性物質及び禁水性物質」(例)リチウム、ナトリウム、黄リンなど
◆第4類:引火性液体(例)ガソリン、灯油、エタノール、軽油
◆第5類:自己反応性物質(例)ニトログリセリン、アジ化ナトリウム、トリニトロトルエン
◆第6類:酸化性液体(例)過酸化水素、硝酸など

上記の、試験に合格した類のもののみを取り扱うことが可能であり、1つ取得すれば他を受験する際に、試験科目が大幅に免除されるというメリットがあります。

「乙種」は、本資格の中でも特に人気とされています。

特に、「第4類(乙4)」が、身近な石油類を取り扱うことができるため、もっとも人気です。

身近ゆえに初学者でも理解がしやすく、他の類に比べて取得もしやすくなっています。
(もちろん勉強は必須ですが)

尚、こちらも受験資格は設けられておらず、誰でも受講することが可能です。

受験資格がなく、試験科目の免除されるというメリットもあることも、人気の理由の一つといえるかもしれません。

「甲種」について

これは、ここまでにご紹介した種類の中で、最上位にあたるものです。

上記でご紹介した消防法で決められた第1類から第6類のすべてを扱うことが可能であり、他の人が扱っているときには立ち合いもできます。

ここまでにご紹介したものの中で、もっとも柔軟に立ち回ることができるのが大きな特徴といえるでしょう。

加えて、これを取得すれば、「危険物保安監督者」になることもできます。

簡単に言うなれば、その現場におけるリーダー的存在であり、危険物を使った作業を見守ったり・指示を与えたりする業務につくことができます。

このことから、ここまでにご紹介した3種の中で、もっとも社会的ステータスが高いものと言えます。

ただし、「甲種」を受験するためには、一定の受験資格が必要となります。

それは、以下の通りとなっています。

◆大学等において化学に関する学科等を卒業した者
◆大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
◆乙種危険物取扱者免状を有し、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験2年以上の者
◆4種類以上(①第1類又は第6類、②第2類又は第4類、③第3類、④第5類)の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者
◆修士、博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻したもの(外国の同学位も含む。)

試験の合格難度(詳しくは後述にて)も非常に高く、受験資格においても一定の条件を必要とするため、そう簡単に取得できる資格ではありません。

取得を目指すのであればしっかりと受験の計画を立てていかなくてはいけませんので、この点には注意が必要といえるでしょう。

初めて資格取得を目指す場合の注意点について

乙4の資格取得から目指すべき!しかし……


始めて「危険物取扱者」の資格取得を目指す場合、もっともオススメなのは「乙種:第4類(乙4)」の資格取得を目標にするのが良いでしょう。

その最たる理由は、上記項目でもご紹介した通り“身近な石油類を取り扱うことができる=仕事の需要が高い”ためです。

また、乙種=受験資格がなく仕事をしながらでも資格取得を目指せますし、資格を取得できれば他の類への受験の際に“試験科目が免除される”というのもメリットに挙げられます。

ただし、一つだけ注意点があります。

それは、「乙4の合格率が非常に低い(取得難度が高い)」ということです。

簡単にご紹介すると、

◆「乙4」の合格率:約43%
◆「その他の乙類」の合格率:訳70%

となっており、乙4とその他乙類とでは合格率に大きな開きが存在します。

この最たる理由は、「受験者数が多く、対策をしないまま受験する人が混在する傾向にあるから」です。

始めに乙4の資格取得を狙う人が多いため、試験対策が甘く不合格となってしまう例が多いのです。

ただし、乙4を取得してしまえば他の乙類の受験時は“試験科目の一部が免除”されます。

これもあって、他の乙類の合格率が高くなっているのです。

要するに、「初めての人は乙4の資格取得から目指した方が良いが、合格難度は高く、しっかりと試験対策をしてから臨まないと合格は難しい」ということです。

乙4合格後はどう動くべき?

「危険物取扱者として長く仕事に従事したい」「キャリアアップを目指したい」という場合、最終目標は“甲種の取得”となるかと思います。

乙種に合格したあとに甲種を目指す場合の方法は、以下の2パターンがあります。

①乙種危険物取扱者免状を有し、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験2年以上の者
②4種類以上(①第1類又は第6類、②第2類又は第4類、③第3類、④第5類)の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者

早めに甲種の資格を取得したい場合、②の方法が手っ取り早いかと思います。

そのため、次は1類か6類のどちらか、または3類、5類を受験する流れで進めていくのが良いでしょう。

ちなみに、「化学に関する学科を卒業している」など、すでに甲種の受験資格を持っている場合は、初めから甲種を受験することも可能です。

ただし、「徐々に上位の資格を取得したい」場合や、「工場などへの就職を考えている」場合は、乙種から受験するのが一般的となります。

この点については、“自身の目標”に応じて、取得方法を切り替えていくのが良いかと思います。

まとめ

以上が、「危険物取扱者の資格の種類や初めて資格取得を目指す際の注意点」のご紹介となります。

資格には、「甲種」「乙種」「丙種」の3種類が存在し、それぞれで扱うことができる危険物が異なります。

どの資格を取得するか?どの資格から取得するか?は、もちろん人それぞれですので、自分の目的に応じて必要な資格取得に向けて動いてみてください。

いずれにせよすべてに共通して言えることは、「資格を所持していると就職に有利である」ということと「資格を活かせる業界が広がっている」ということです。

もちろん、危険物に関する知識は、日常生活でも大いに役立てることもできます。

メリットや自分の希望なども考慮しつつ、自分にあった資格取得を目指してみてください。

タイトルとURLをコピーしました