運転手・ドライバー業界の求人をお探しの方はドライバーbizへ。詳しくはこちら!

「車体整備士」ってどんな仕事をするの?資格の取得方法や自動車整備士との違いも解説します!

この記事は約7分で読めます。

自動車に関する資格の中には、「車体整備士」という国家資格があります。

車のボディやフレームなどの外装に関わる業務(=板金)に携わるのであれば、取得しておきたい資格となります。

車体整備士とは、具体的にどのような仕事をするのでしょうか。

また、資格の取得方法や「自動車整備士」との違いはなんなのでしょうか。

今回は、「車体整備士」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「車体整備士」とはなにか?

概要


具体的な仕事内容は、「自動車のフレームやボディなどの外装部分を、点検・整備・修理する」ことです。

外装は、交通事故などで損傷することもありますし、走行中の砂埃や洗車時の磨き傷など普段の車利用時であっても傷やへこみができてしまう可能性があります。

そうしたときに、修理や交換作業によって、傷ついた車を新車同様の状態にまで修復してくれるのが「車体整備士」なのです。

尚、「板金塗装」については、以前に別の記事にてご紹介しておりますので、以下にリンクを貼っておきたいと思います。

「特殊整備士資格」の一つである

冒頭でもお伝えした通り、車体整備士は国家資格であり、自動車整備士の中にある「特殊整備士資格」の一つです。

特殊整備士資格には、他に「自動車電気装置整備士」「自動車タイヤ整備士」があります。

「自動車整備士」「特殊整備士」については、以下の記事を参照ください。

「自動車整備士」との違いについて


「自動車整備士」「車体整備士」はどちらも国家資格であり、資格の取得=スペシャリストとしての証明にもなる重要なものです。

この2つの違いは、扱う業務区分にあります。

まず「車体整備士」は、車のボディやフレーム部分……つまり“外装”の点検・整備・損傷の修理を行う技術者のことを指しています。

対して「自動車整備士」の方は、エンジンを含む“車全般”の点検や修理を行う仕事です。

車の点検・整備・修理を行うという意味で両者は似たイメージを持たれますが、仕事内容には歴然とした違いがあるのです。

そしてもう一つ、“資格の必要性”にも違いがあります。

「自動車整備士」は等級が1級~3級に分かれており、仕事に携わるには関連する資格を取得しなければいけません。

対して「車体整備士」の資格には等級制度が設けられておらず、仕事に携わるために資格が必須となることもありません。

とはいえ、車体整備士資格を取得する=知識と技術を持っている証明となるため、職場や顧客からの信用を得ることにつながりますので、資格取得を目指して損をすることはありません。

ちなみに、どちらの資格も「一度取得すれば更新の必要はなく、永久的に資格保持者として扱われる」という共通点があります。

車体整備士の就職先について

この仕事は専門性の高い職種であり、特に需要があるのは以下となります。

◆車の外装修理を専門にしている「板金工場」
◆事故車の取り扱いが多い「損害保険会社」

あとは、「自動車整備工場」「ディーラー」などでも活躍の場があります。

ただし、会社によって取り扱っている業務は異なりますので、就職・転職時にはしっかりと企業の情報を収集して就職先を決めるようにしてください。

資格の取得方法について


特殊整備士資格の一つである「車体整備士」は、具体的にどうすれば取得することができるのでしょうか。

この項目にて、解説していきたいと思います。

“受験資格”について

まず受験資格を得るためには、以下3つのうち1つの条件を満たす必要があります。

①自動車整備系の専門学校や認定大学の特殊整備士課程を卒業していること
②自動車整備系の専門学校や認定大学の2級整備士課程を卒業後、実務経験が1年以上あること
③2年以上の実務経験があること

①であれば、卒業と同時に受験資格を得ることができ、また自動車整備士資格も同時に取得できる可能性があります。

一般的には、②③の方法で資格取得を目指す人が多いかと思います。

先に自動車整備士の資格を取得し、実務経験を経て特殊整備士の取得を目指す方法です。

受験資格を得る方法は複数あるので、自分に合った方法で取得を目指してみてください。

尚、上記の受験資格は、他の特殊整備士資格である「自動車電機装置整備士」と「自動車タイヤ整備士」にも適用されます。

“試験”について

試験は、国土交通省が管轄する「技能検定試験」と国土交通大臣の登録を受けた登録試験実施機関である社団法人日本自動車整備振興会連合会(日整連)が管轄する「登録試験」の2種類があります。

両方を受ける必要はなく、どちらかの試験に合格することで資格を取得することが可能となります。

それぞれの試験地や受験料は以下の通りです。

≪技能検定試験≫
●試験地(学科・実技):各地方運輸局、および沖縄総合事務局が指定する都道府県(※)
●受験料;7,200円

≪登録試験≫
●試験地:
 →学科:各都道府県
 →実技:札幌・宮城・新潟・東京・愛知・大阪・広島・香川・福岡・沖縄(※)
●受験料:
 →学科:7,200円
 →実技:14,000円

(※)試験地は、受験者数により変更される場合がある

ちなみに、「登録試験」で学科・実技の試験に合格した場合は「技能検定試験」の受験が免除されます。

ただし、”学科試験免除申請”と”実技試験免除申請”の2つの免除申請を、2年以内に行わなくてはいけません。

試験内容は「学科」と「実技」があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

≪学科試験≫
●出題数:40問
●試験時間:80分

【試験科目】
1.構造、機能及び取扱法
2.点検、修理、調整及び完成検査の方法
3.整備用機械に関する初等知識
4.整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法
5.材料の性質及び用法
6.図面に関する一般知識
7.保安基準その他の自動車の整備に関する法規

≪実技試験≫
●出題数:3問
●試験時間:30分

【試験科目】
1.基本工作
2.点検、分解、組立、調整及び完成検査
3.修理
4.整備用の試験機、計量器及び工具の取り扱い

“合格率”について

学科試験の合格率は例年90%前後であり、他の自動車整備関連に比べて高い合格率となっています。

◆平成30年度第2回:96.0%
◆令和元年度第1回:87.6%
◆令和元年度第2回:96.0%
◆令和2年度第1回:88.9%
◆令和2年度第2回:97.1%
◆令和3年度第1回:86.0%
◆令和3年度第2回:95.9%

合格率が高い理由としては、受験資格に“実務経験”もしくは“特殊整備士課程での履修”が必須であることが挙げられます。

日々の学習や実務を通して、基礎的な知識が身についている証といえます。

まとめ

以上が、「車体整備士」の資格についてのご紹介となります。

「車の板金塗装に興味がある」という人、「仕事のキャリアアップを目指したい」という人は、ぜひ資格取得に向けて一歩を踏み出してみてください。

尚、自動車整備士とは同じ車であっても、取り扱う仕事内容が大きく異なることとなります。

最終的には、どちらの資格も取得している方が仕事の幅は大きく広がりますが、「どちらから取得するか迷っている」という人は自動車整備士から資格取得することをオススメします。

理由は、「自動車整備士の資格を所持していないと、携われない仕事がある」からです。

3級→2級→1級と等級が上がるほどに関われる仕事の幅も増えていくため、先に自動車整備士の資格を取得し、その後に車体整備士を目指すのが良いと思います。

ただし、最終的にはその人自身の興味や関心・目指すキャリアの方向性から取得する優先度を考えてもらっても問題はありません。

どちらの資格も国家資格であり、両方の資格を得ることは“総合的に車のメンテナンスを行う技術を持っている証”として長く役立てることができるはずです。

タイトルとURLをコピーしました