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「寝台車」「霊柩車」の手配はどう行えばいい?発生する費用についても解説します!

この記事は約7分で読めます。

「寝台車」「霊柩車」は、それぞれ異なる場面で利用されます。

ただ、大切な方を亡くした直後、悲しみや戸惑いの中で、家族は葬儀に向けての実務を進めていかなくてはならないことに変わりはありません。

それぞれ、どのように手配を行えばいいのか。

そして、利用する際にはどのくらいの費用が掛かるのか。

今回は、こういった点について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

それぞれの違いについて


まずは、「寝台車」「霊柩車」の、それぞれの違いからご紹介したいと思います。

「寝台車」とはなにか?

この車は、「ご遺体を、ある場所から別の場所に移すための車両」のことをいいます。

例えば、病院から自宅、自宅から葬儀式場の搬送などに利用されます。

基本的に、病院では納棺はしません。

なぜなら、“病院はあくまでも医療の場”だからです。

もちろん、ご家族側の立場としても、いつまでもご遺体を病院に安置しておくわけにもいきません。

こういった際に手配をし、遺体を自宅などの安置場所へ搬送してもらうのです。

尚、ご遺体は家族が自家用車で運ぶこともできますが、実際は葬儀社や霊柩車運航業者にお願いするケースがほとんどとなります。

この時に、一つだけ注意点があります。

それは、「業者がご遺体を搬送する場合は、営業行為となる」という点です。

事業として利用する場合は、陸運局の許認可が必要となるのです。

そのため「貨物自動車運送事業法」に基づいて、緑色のナンバープレートを取得しなければいけません。

業者が白色のナンバープレートで車を搬送することは違法であり、そもそも保険加入の有無も怪しいものです。

安定性・安全性・不測の事態への対応も考慮し、ご遺体の搬送はきちんとした業者に依頼するのが安心かと思います。

「霊柩車」とはなにか?

こちらは、「ご遺体を葬儀会場から火葬場に搬送するために用いられる車両」となります。

霊柩車も「一般貨物自動車運送事業」にあたるため、緑色のナンバープレートを取得しなければいけません。

また、メーカー生産車に特殊部品や装置を付けた“架装車両”にあたるため、ナンバーは特殊な車両に使用される「8ナンバー」となります。

一般的なものであれば「普通自動車第一種免許」で運転が可能ですが、バス型など10名以上の参列者を乗せる車の場合は「旅客運送」にあたるため「中型自動車第二種運転免許」が必要となります。

尚、こちらに関しては、以前に別の記事で詳細をご紹介しておりますので、以下にリンクを貼っておきたいと思います。

両者の違いはなんなのか?

「ご遺体を運ぶ」という点で、両者に違いはありません。

両者は「どこからどこにご遺体を運ぶか?」という点で、違いがあるのです。

【霊柩車】
・ご遺体を安置している場所から火葬場へ運ぶ

【寝台車】
・故人様がお亡くなりになった場所(病院など)からご遺体を安置する場所(会館など)へ運ぶ

言い方を変えると、葬儀前に出勤するのが「寝台車」、通夜や告別式の後に出勤するのが「霊柩車」となります。

尚、お迎えに行く場所への配慮もあって、寝台車の外観は一般車両と変わりはありません。

また、近年は霊柩車も一般車両と見分けがつきづらくなっていますが、この2つには見分け方があります。

それは、“前方ドアの表記”です。

霊柩車の場合、車前方のドア下部に、小さく「霊柩」もしくは「霊柩限定」と表記されています。

この点で、区別をすることができるのです。

それぞれの「手配方法」について

それぞれで、手配の方法は変わります。

この項目にて、それぞれの手配方法について解説していきたいと思います。

「寝台車」の場合

ご逝去すると、多くの場合は「葬儀社はお決まりですか?」と看護師や施設職員に質問されます。

この時点で依頼するところが決まっていれば、その葬儀社に連絡を取ってお迎えに来てもらいます。

もしまだ決まっていない場合は、看護師や施設職員に相談してみるといいでしょう。

基本的に、年中無休の24時間体制で受付を行っているので、葬儀社への連絡は深夜や早朝、土日の連絡であっても問題ありません。

ちなみに、依頼の際には、

◆故人の名前
◆病院名
◆病院の住所
◆搬送先

などを事前に確認されますので、連絡の前に答えられるようにしておくとスムーズかと思います。

そしてもう一つ。

寝台車による搬送を依頼したからといって、そのまま葬儀も同じ会社に依頼しなければいけないという決まりはありません。

まだ、「どの葬儀社にするかは決まっていない」というご家庭も多いでしょうから、ひとまず搬送だけをしてもらい、安置後に改めて検討をするというのも一つの手段となるのです。

「霊柩車」の場合

こちらは、葬儀社を通じて手配を行うことが一般的となります。

葬儀社が自社で霊柩車を保有している場合はそちらを使用します。
(近年は、洋型霊柩車が主流となったため、車を所有するところも増えている)

もし、保有していない場合は、葬儀社が専門業者に手配してくれます。

ご遺族が手配をする必要はありませんので、安心して葬儀社にお任せください。

ちなみに、ご遺族が専門業者に直接依頼をすることができないわけではありません。

ただ、プランの中に費用が含まれていたり、打ち合わせの際にその内容を決める機会があることから、そのまま葬儀社経由で手配することがほとんどとなるのです。

「費用」について

当然、寝台車であっても霊柩車であっても、仕事を依頼する以上は費用が発生します。

この項目にて、それぞれの費用をご紹介していきたいと思います。

尚、費用は葬儀社や依頼内容によって変化します。

そのため、ここでご紹介するのはあくまで相場となります。

実際に依頼する際にどのくらいの費用が発生するのか、葬儀社に確認をとってみてください。

「寝台車」の場合

料金体系は、葬儀社各社に委ねられています。

ただし、国土交通大臣に届け出し、「適正である」と認められた料金が定められています。

まず、「基本料金」についてです。

これは、“搬送時の走行距離”に応じた料金設定となります。

一例として、以下を記載しておきます。

◆10km未満:約10,000円~20,000円
◆40km以上~50km未満:約19,000円~35,000円
◆90km以上~100km未満:約35,000円~60,000円

あとは、以下のような点で金額が発生・加算されることがあります。

●「車両留め置き費」
●深夜早朝の割増料金 ・高速道路や有料道路の利用料金
●搬送時に使用する防水シーツや棺、棺用布団
●安置時に使用するドライアイスなど

尚、「車両留め置き費」「車両留置料」と呼ばれることもあります。

これは、「待機時間に応じて発生する料金」のことです。

これら料金も、葬儀社によって料金設定は異なることとなります。

「霊柩車」の場合

こちらも、料金体系は葬儀社各社に委ねられています。

ただし、霊柩車によるご遺体の搬送も、国土交通省管轄の認可事業となります。

そのため、こちらも国土交通省へ届け出を行う必要があり、「適正である」と認められた料金が設定されることとなります。

ちなみに、無料サービスやダンピング、価格のつり上げは違法となります。

そして金額ですが、これは「基本額+距離による加算額」で決まることとなります。

この「基本額」というのは、走行距離や車のタイプによって異なります。

相場としては「走行距離0~10kmで13,000円~50,000円程度」といわれていますが、詳細は葬儀社に必ず確認をとってください。

ただし、こちらの搬送料金に関しては、葬儀社が提示しているプラン料金の中に組み込まれているケースも多いです。

とはいえ、プランの中に含まれずに別途請求される可能性もありますので、事前にしっかりと確認をとっておいてください。

他にも、状況によっては以下のような追加料金が発生する可能性もあります。

◆「待機時間料」     :依頼主都合で出発時間が後ろ倒しとなった場合など
◆「深夜早朝割増料金」  :22時~5時などの深夜・早朝の時間帯に依頼する場合
◆「高速・有料道路使用料」:高速道路などの有料道路利用時
◆「冬季割増料金」    :寒冷地での冬場(12月~3月など)の利用時

また、必ずしも必要となるわけではありませんが、慣習として霊柩車の運転手に“心付け”を渡す人もいらっしゃいます。

ただし、葬儀社によってはそうした”心付け”を一切受け取らない方針の場合もありますので、打ち合わせの際に確認しておくのも良いかと思います。

まとめ


以上が、「寝台車・霊柩車の手配方法、発生する費用」についてのご紹介となります。

大切な方を亡くし悲しみや戸惑いの中でも、こうした手配は(故人のためにも)行わなければなりません。

また、どんな形であれ「お仕事を依頼する=費用が発生する」ということでもあります。

そのため葬儀に関するご準備は、いざというときに困ることがないように、できる限り事前に行っておくことが大切かと思います。

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