最近街でも見かけるようになってきた「介護タクシー」という存在。
端的に言うと「体が不自由な人が利用しやすいように工夫されたタクシー」のことで、一般的なタクシーとはその利用方法が大きく異なります。
そして、近年は超高齢化社会に突入しており、高齢者が年々増加しています。
それは=“介護を必要としている人も増え続けている”ということであり、現代では「介護タクシー」の存在は必要不可欠なものとなっています。
では、どうすれば「介護タクシーの運転手になることができるか?」ですが、その点をこの記事にて詳しくご紹介していきたいと思います。
「介護タクシー」とはなにか?
概要
まずは、「介護タクシーとはなにか?」という点からご紹介していきたいと思います。
これは冒頭でもお伝えした通り、“体の不自由な人”が利用できる特殊なタクシーのことを指します。
主に、高齢者や障がいを持つ人……つまり「要介護者」が対象となり、このタクシーには「車いす」や「ストレッチャー(※)」のままでも乗車ができるように、車が改良されているのです。
(※)ストレッチャー:自立歩行や車椅子での移動が困難な者に用いられる器具のこと
体の不自由な人は、移動すること自体がとても大変な人もいます。
そういった人たちの助けとなる存在であり、要介護者にとって「介護タクシー」は必要不可欠な役割を持っているのです。
「福祉タクシー」ってなに?「介護タクシー」とはなにが違うの?
「介護タクシー」を調べていると、同時に目にすることが多いのが「福祉タクシー」の存在です。
名称が異なる通り、この2つは役割こそ似ているものの、その“利用条件”や“利用用途(対象者)”は大きく異なります。
その違いを表にしてまとめてみたので、以下をご覧ください。
最大の違いは、
◆「介護保険が適用されるかどうか?」
この2点となるかと思います。
そもそもの条件が大きく異なり、特に「介護タクシー」というより「介護保険を適用できるようにする」ためには、特定の条件をすべてクリアしなければいけません。
(介護保険が適用されなければ、利用時の料金は全額自己負担となる)
この点は、利用する前にお世話になっているケアマネージャーなどに相談をしてみるようにしましょう。
どうすれば「介護タクシー」のドライバーになることができるのか?
次に、この職に就くために必要なことについて、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
◆必要な資格は?
◆なぜ〇〇の資格が必要なのか?
◆ほかに役立てられる資格は?
こういった点をご紹介していきます。
どこに就職すればいいのか?
まず、就職先についてですが、これは以下の2パターンが存在します。
②個人で介護タクシー事業を開業する
①に関しては、「介護タクシー 求人 地名」などでインターネットで検索をかければ、必要な求人情報を簡単に入手することができるでしょう。
当社でも、ドライバーに関するさまざまな求人案件を取り扱っておりますので、以下を参考にしていただければ幸いです。
そして②の開業についてですが、介護保険適用のタクシー会社として開業するには、免許や資格を満たすだけでは足りません。
「介護保険事業所(居宅介護支援事業所や訪問介護事業所など)」を開設する必要があるのです。
そのためには、まず以下の書類を運輸局に申請する必要があります。
◆許可申請書
◆事業計画及び資金調達に係る書類
◆営業所の図面、土地・建物などの権利関係の書類
◆自動車関係の書類、任意保険などの見積書
そのうえで、法令試験に合格しなければいけません。
(申請~開業の許可が下りるまでは、約3~4か月ほどかかる)
開業するためには、“ドライバー”の知識・技術・経験だけでなく、“介護”に関する知識・技術・経験も必要となってくるため、そう簡単に開業することはできません。
まずは、①の介護タクシー事業を行っているタクシー会社に就職し、経験と実績を積むことから始めてみるといいでしょう。
必要な資格は?
必要となる資格は、以下の2点です。
◆介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
どちらも「介護タクシー」の運転手として活躍するには必須となる資格です。
尚、「福祉タクシー」のドライバーの場合は、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」は取得しなくても問題はありません。
なぜなら、「運転手に介助業務を行う義務がない」からです。
とはいえ、取得しておいた方がいざというときに役立つ資格ではあるため(知識としても役立てることができる)、取得しておいても損のない資格と言えるでしょう。
なぜ〇〇の資格が必要なのか?
次に、「介護タクシーの運転手の場合、なぜ介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)が必要となるのか?」という点についてです。
その理由は、上記でもお伝えした通り「介助業務が発生するから」となります。
下記は、介護タクシーのドライバーが行うサービスの一覧となります。
出発~帰宅までの間、利用者に対して必要な介助業務を行う義務があるため、介護タクシーのドライバーには「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」が必須となるのです。
ちなみに、当然のことではありますが「普通自動車二輪免許」だけでは、利用者への身体介助・タクシーの乗降介助を行うことはできません。
「福祉タクシー」のドライバーとして活躍するなら介護資格はなくても問題ありませんが、「介護タクシー」のドライバーとして活躍したいなら介護資格は必須です。
この点には注意をしておきましょう。
ほかに役立てられる資格は?
必須ではありませんが、取得しておいて仕事に役立てられる資格は、下記のような資格or研修があります。
→介護タクシー利用者とのコミュニケーション、車いすの取り扱いや乗降時の介助方法等についての知識、スキルを身につけることができる
◆ハートフルアドバイザー研修
→高齢者や障害者に適切な接客サービスを提供するにあたっての心構え(心のバリアフリー)や基本的な知識、実践的な技術を習得するための研修
◆サービス介助士(ケアフィッター)
→高齢者やお身体の不自由な方に対して、必要な「おもてなしの心」と「安全な介助技術」を学べる
◆普通救命講習
→心肺蘇生、自動体外式除細動器(AED)の使用方法、窒息の手当、止血の方法などを学べる
いずれも業務上、利用者に対してより良いサービスを提供するために役立てられる資格(研修)ばかりです。
利用者への安心・安全のサービス提供、自身の仕事領域の幅を広げる際の参考にしてみてください。
尚、それぞれの詳細については、別途専用の記事を作成して詳しくご紹介していこうと思います。
「福祉タクシー」のドライバーになるために必要なことは?
こちらは、“要介護者を目的地まで運ぶこと”が目的となるため、基本的には「普通自動車二種免許」のみを取得していれば、職に就くことが可能となります。
ただし、サービスの幅は事業所によって異なる場合があります。
例えば、一部の介助業務を行っていたり、車いすのレンタルなどを行っている場合です。
基本的に「普通自動車二種免許」があれば問題はありませんが、就職時に介護資格が必須であったり、職に就いた後に別途資格取得を求められたりする可能性もあるかもしれません。
この点については事業所によって詳細が異なるため、求人情報を調べる際に「応募条件(必要な資格)」の項目を確認してみるといいかと思います。
ちなみに一つ言えることは、最終的には「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は取得しておいた方が良い」でしょうか。
資格を取得しておけば、「自身の仕事の幅を広げることができる=収入や待遇も良くなる可能性が高い」ということにつながります。
また、日々の仕事に役立てることもできます。
福祉タクシーのドライバーであっても、利用者は“介護を必要とする人”です。
移動中になんらかの問題(非常事態)が発生することも否定はできません。
そのため、資格を取得していればいざというときにも柔軟に対応することが可能となります。
資格は、基本的に取得しておいて損をすることはありません。
この手の業界に就職したいと考えている人は、必要な資格についての情報を収集し、取得できるように行動を起こしてみてください。
まとめ
以上が「介護タクシー」「福祉タクシー」のドライバーになるための方法のご紹介となります。
両者は似た職種であるものの、その業務の幅は大きく異なります。
また、「普通自動車二種免許」の取得という共通点はあるものの、「介護資格の必要性」はそれぞれで異なります。
そのため、「介護タクシーのドライバーになりたい!」と思っていても、資格の有無によって就職できる先が限定されてくる可能性もあるのです。
上記でもお伝えした通り、資格は取得しておいて損をすることはありません。
「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」の資格を取得しておけば、ドライバーとしてはもちろん、介護職関連の仕事に就ける可能性も高くなります。
(介護業界は、資格を取得していれば未経験でも就職できるところが多い)
自分の仕事の幅が広がることになるので、“介護”という仕事に興味がある人は、ぜひ介護関連の資格取得についても検討してみてください。
最後に。
当社では、関連サイトとして「ドライバー」に関する採用サイトも取り扱っております。
詳細は以下リンクよりご参照いただければ幸いです。
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