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未経験でも取得できる?「自動車整備士」の資格の種類と取得方法について解説します!

この記事は約7分で読めます。

自動車の安全を守るうえで欠かせない「自動車整備士」という仕事。

“自動車の安全を守る=ドライバーや同乗者、周囲の人々を守る”ということに直結するため、この仕事は極めて重要であり、特定の整備をするためには国家資格を所持していなくてはいけません。

この「自動車整備士」にはいくつかの種類が存在し、当然取得を目指す資格によって合格難度が異なります。

また、受験資格を得るためには、一定の実務経験も必要となります。

今回は、この資格について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「自動車整備士」とは?


自動車整備士とは、「メカニック」とも呼ばれています。

その名の通り、自動車の整備を行う仕事のことを指しており、「点検・修理」「メンテナンス・調整」「分解・組立」などを行う専門職です。

イメージとしては、「自動車にとってのお医者さん」といえば分かりやすいかと思います。

自動車整備士の仕事に関しては、以前に別の記事でご紹介しておりますので、以下を参照いただければ幸いです。

資格の「種類」と「難易度」について


自動車整備士の資格は、「1級」「2級」「3級」と3つの等級に分かれています。

また、業務の範囲は取得している資格によって異なりますので、どういった仕事に携わりたいのかで必要な資格は変わってきます。

尚、3級→2級→1級と等級が上がるにつれて、試験の合格難度は高くなり、それに合わせて業務の範囲も広くなっていきます。

この項目にて、各等級の内容および合格難度について解説していきたいと思います。

「3級」について

3級では、整備に関する基本的な業務を実施できるようになります。

資格の種類は、以下4つが存在します。

◆3級自動車シャシ整備士
◆3級ジーゼル自動車整備士
◆3級ガソリン自動車整備士
◆3級二輪自動車整備士

ただし、エンジン・ブレーキ・サスペンションなどの分解整備は、単独で行うことはできません。

試験科目は「学科」と「実技」です。

学科試験は30問(60分)で4択マークシート方式、実技試験は試験時間が30分となります。

合格率は60%~70%台で推移しています。

「3級なのに、合格率が低めだな……」と感じる人もいるかもしれませんが、これは独学で受験する一般受験者が多いことが理由に挙げられます。

「2級」について

2級は、自動車の整備に関しての業務全般を実施できるようになります。
(2002年に1級が新設されるまでは、最上位の資格であった)

3級では許可されていない業務でも実施できるため、自動車整備士として仕事をしていく上では取得しておくべき資格といえるでしょう。

また、自動車整備士の求人でも2級自動車整備士の資格が求められることも多いです。

資格の種類は、以下の4つがあります。

◆2級自動車シャシ整備士
◆2級ジーゼル自動車整備士
◆2級ガソリン自動車整備士
◆2級二輪自動車整備士

尚、上記すべての資格を取得しなければいけないというわけではありません。

自分が携わる業務の内容で、取得すべき資格を決定している人もいます。

試験科目は、こちらも「学科」と「実技」です。

学科は、40問(80分)。ただし、自動車シャシ整備士のみ30問(60分)です。
(4択マークシート方式で出題される)

実技は、3級と同じく試験時間が30分となります。

合格率ですが、学科試験は年度によってばらつきがあり、40%~90%の間に位置しています。

3級の項目でも少し触れましたが、独学で挑んだ場合は合格難度が高くなり、逆に自動車整備の専門学校などで勉強してから挑んだ場合は比較的合格はしやすくなります。

ただし、実技試験は非常に難易度が高く、基本的に合格率が50%を超えることはありません。

「1級」について

2002年に新設された(現時点での)最上位の資格であり、知識と技能のレベルに関しての高い水準が求められることとなります。

ただ、従来の2級資格で整備に関する業務のほとんどを行うことができるため、実は1級を取得しても現場の業務内容に大きな変化が起こることはありません。

2級で行う業務+リーダーとして他の整備士・作業員に対しての指示出しや指導を行う立場となることが期待されています。

そして資格の種類は、以下の3つがあります。

◆1級大型自動車整備士
◆1級小型自動車整備士
◆1級二輪自動車整備士

ただし、2021年時点では「1級小型自動車整備士」の試験のみ行われており、その他の試験が実施されたことはまだありません。

試験は「学科(筆記試験と口述試験)」と「実技」があります。

筆記試験は、50問(試験時間100分)の4択マークシート方式、実技は2級・3級と同じく試験時間が30分となります。

合格率は、筆記試験がおおむね50%で推移しており、口述試験に関しては95%以上と高い合格率となっています。

ただし、実技試験は合格率にばらつきがあります。

●平成29年度第2回:51.3%
●平成30年度第2回:19.9%
●令和元年度第2回:73.8%

後述でもご紹介しますが、1級の受験資格を得るには「2級取得後に実務経験3年以上」をクリアする必要があります。

口述試験はともかく、筆記・実技はそれでも低い合格率となっているので、1級の取得難度がどれだけ高いかは想像に難くないでしょう。

受験するための「条件」について


試験を受けるためには、受験資格を満たさなくてはいけません。

その方法は、以下の3つが挙げられます。

①自動車整備士課程のある専門学校、もしくは高校を卒業する
→卒業と同時に受験資格を得られる(1級・2級・3級と課程が分かれている)

②機械工学科系の専門学校や高校、大学を卒業する
→卒業後、実務経験を6ヶ月以上積むと3級の受験資格を得られる

③自動車整備士課程や機械工学科以外の学校を卒業する
→卒業後、実務経験を1年以上積むと3級の受験資格を得られる

上記の通り、自動車整備士課程のある学校以外を卒業した場合は、実務経験が必須+3級からの受験となります。

2級や1級を取得したい場合は、下位の資格取得後に、さらに一定の実務経験を積む必要があります。

●2級:3級取得後に実務経験3年以上
●1級:2級取得後に実務経験3年以上

加えて、“実務経験として認められる”ためには、認定工場や指定工場の整備工場で働かなければならないという規定もありますので、この点には注意が必要となります。

未経験でも整備士になることはできるのか?

自動車整備士の受験資格を満たす方法は、「整備士養成課程に進む」「一定の実務経験を積む」しかありません。

例えば、高校の普通科を卒業して整備工場などに就職した場合は、“1年以上の実務経験を積まなければ3級自動車整備士の受験資格を得ることはできない”となります。

この際、実務経験の免除はなく、学科と実技の両方の試験に合格する必要があります。

要するに、知識も経験もない状態で、いきなり試験に挑むことはできないのです。

尚、自動車整備士の資格を所持していなくても、携われる業務はあります。

例えば、以下のような業務です。

◆「塗装板金」
◆「各種オプションの取り付け」
◆「タイヤ・オイルなどの交換」
◆「お客様への各種案内」
◆「店頭での接客」
◆「発注などの事務処理」など

ただし、「点検整備」や「分解整備」などの業務に携わることはできず、これらを行う場合は自動車整備士の資格が必須となります。

また、資格を持たずに整備の業務に携わっている人は「整備士」とは呼びません。

こういった方は、「整備工」または「工員」と呼ばれるのです。

携われる業務にも制限がかかることとなりますので、自動車整備士として長く務めていきたいと考える場合は、資格の取得は必須となります。

もちろん、資格を取得しておけば、転職時にも役立てることができることでしょう。

まとめ

最後に、自動車整備士の資格の特徴をまとめると、以下のようになります。

◆等級は「1級」「2級」「3級」に分かれている
◆試験は、「学科」と「実技」がある
◆受験資格が必要となる(自動車整備課程の学校を卒業or実務経験)
◆試験の難易度は高めである

この仕事は、専門的な知識・技術が求められます。

調整が不十分な状態のままだと、ドライバーや同乗者、周囲の方々に危害が及ぶ可能性があり、最悪命にかかわる事故に発展するかもしれないからです。

大変な仕事ではありますが、利用者の安全に直接つながる社会的意義のある仕事ともいえます。

また、国家資格である自動車整備士を取得できれば、長くこの業界で活躍していくこともできるはずです。

●カーディーラー(販売店)
●自動車整備工場
●駐車販売店
●修理も可能なガソリンスタンド
●車検工場
●塗装修理を行うペイントショップ

などなど就職先も数多くありますし、「自動車」という存在が今後完全になくなることもありません。

需要・将来性ともにある仕事といえますので、関心がある方は、ぜひ知見を広げてその一歩を踏み出してみてください。

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