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雨や雪の日は注意しよう!車が「スリップ」したときの対処法と注意点について解説します!

この記事は約7分で読めます。

大事故を引き起こす原因となることもある「スリップ」

雨や雪の日に車がスリップして肝を冷やした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なぜスリップは起こるのか。

車がスリップしたとき、どう対処すればいいのか。

今回は、「スリップ」に関する情報をご紹介していきたいと思います。

「スリップ」とはなにか?

概要


“スリップ=滑る”ことであり、「路面に対してタイヤが滑ってしまう現象」のことを指しています。

特に雨や雪などの通常よりも路面の状態が悪いとき(=摩擦抵抗が少ないとき)に発生しやすいといわれています。

スリップが起こるとどうなるの?

「タイヤが滑る=車のコントロールが効かなくなる」ということです。

また、突発的な事態への焦りから冷静さが失われる可能性もあります。

このことから、総じて「事故の危険性が高くなる」こととなります。

下手をすれば周囲の人まで巻き込んだ大事故に発展する可能性があるため、知識をしっかりと頭に叩き込んでおくことが大切となるのです。

どれだけ気を配っていてもスリップを完全に防ぐことはできませんが、それでも知識があればリスクを減らすことはできるかもしれません。

いざというときにできる限り冷静に対処できるように、正しい知識を身に着けておいてください。

なぜスリップが起こるのか?


まずは、スリップが起こる原因からご紹介していきます。

原因としては、主に以下の3つが挙げられます。

①「水たまりなど水分の上を走る」
②「雪道を走る」
③「砂や土の多い路面を走る」

順に補足を加えていきます。

原因①「水たまりなど水分の上を走る」

「ハイドロプレーニング現象」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

教習所の教本にも載っているため、ご存じの方は多いかもしれません。

これは、「雨天時や水たまりを走行する際にタイヤと路面の間に水が入り込むことによって、運転のコントロールがきかなくなる状態のこと」をいいます。

少しの水であれば、タイヤに彫られた溝から水が排出されるのですが、豪雨や深い水たまりなどの場合は溝からの排出が追い付かずに、車が水の上に浮いたような状態となるのです。

一度この現象が起きてしまうと、(タイヤが地面と接していないため)ハンドルやブレーキが効かずに制御不能な状態となってしまいます。

この現象が起こりやすい条件としては、以下が挙げられます。

◆路面が水浸しもしくは深い水たまりがある
◆タイヤの状態が悪い(空気圧が減っていたり、経年劣化でタイヤの溝が薄くなっている)
◆スピードを出しすぎている

ハイドロプレーニング現象による事故の現場は、特に高速道路で多いとされています。

他の車両も高速走行しているため、被害も大きくなる可能性が高いのです。

原因②「雪道を走る」

雪道や凍結した路面でも注意が必要です。

雪や氷に乗り上げることで、タイヤがグリップを失い滑ってしまうからです。

また、積もった雪が解けかけてシャーベット状になっている道路も気を付けてください。

雪がシャーベット状になっていると「タイヤの力を地面に伝えやすい」と思う人もいるようですが、それは違います。

なぜならシャーベット状になった氷がタイヤの溝に入り込んでしまうため、グリップ力が低下し滑りやすくなってしまうのです。

雪道を走る際は、どんなコンディションであったとしても慎重に運転することを心がけてください。

原因③「砂や土の多い路面を走る」

現在の日本ではほとんどの道が舗装されているので、砂や土の上などを走る機会はそうめったにはありません。

とはいえ、今でも郊外の山道に入っていくと、道の舗装が突然なくなってしまうこともあります。

そういうとき(砂や土の上を走るとき)は、スリップ事故に注意しましょう。

実際、歩道している道路に比べて、砂や土の上を走っているときの方がスリップしやすいのです。

なぜかというと、「細かい砂がタイヤの溝に入り込んで、グリップ力を低下させてしまうから」です。

「グリップ力」というのは、路面をつかむ力のことをいいます。

「グリップ力が低下する=タイヤの力を地面にしっかりと伝えられていない状態」となるため、急ハンドルや急ブレーキをすると滑る可能性が高くなってしまうのです。

もしスリップしてしまったら、どう対処したらいい?

はじめに


どれだけ気を付けて安全運転していたとしても、スリップを100%予防することはできません。

ただし「スリップ時にやってはいけないこと」というのは存在し、それを理解しておくことで被害を最小限に抑えられる可能性はあります。

対処法として挙げられるのは、以下です。

①「焦ってハンドルやペダル操作で立て直そうとしないこと」
②「アクセル・急ブレーキを踏む、急ハンドルを取ることはNG」
③「ハンドルを少しずつ戻すこと」

順に深堀りしていきます。

対処法①「焦ってハンドルやペダル操作で立て直そうとしないこと」

突発的な問題が発生したとき、まして命にかかわる危険性があるときに、「焦るな」と言っても土台無理な話ではあると思います……。

しかし、どれだけ焦ったところで「スリップした」という事実を変えることはできず、焦ることで却って余計に事態を悪化させる要因にもなりかねません。

こういうときに一番問題となるのが、「焦ってハンドルやペダル操作を行って立て直そうとしないこと」です。

“スリップする=車のコントロールが効かない状態となる”ことなので、焦ってあれやこれやと行動しても、事態は良くなるどころか悪化してしまいます。

スリップしたときに一番重要なのは、「タイヤの摩擦力を回復させること」です。

極論をいうと、「何もしない」ことが一番有効といえるかもしれません。

難しいことだとは思いますが、極力焦らないことを心がけましょう。

対処法②「アクセル・急ブレーキを踏む、急ハンドルを取ることはNG」

スリップしたときに一番やってはいけないことです。

なぜかというと、“タイヤのグリップが戻ったときに異常行動を起こしてしまうから”です。

◆「アクセルを踏む」 :グリップが戻ったときに急加速してしまう
◆「急ブレーキを踏む」:タイヤがロックされてしまい、グリップ力が戻ったとしてもさらにスリップが起き、車は完全に制御不能となる
◆「急ハンドルを取る」:グリップ力が戻ったときに、いきなり思わぬ方向に車が方向転換してしまう

だからこそ、「スリップ時に焦って立て直そうとしない」ことが重要となるのです。

アクセル・ブレーキ・ハンドルともに、極端な操作をしないようご注意ください。

対処法③「ハンドルを少しずつ戻すこと」

上記でも記載した通り、スリップに一番重要なことは「タイヤの摩擦力を回復させる(グリップ力が戻るのを待つ)こと」です。

多くの場合は、少しずつ回復していきます。

ただ、大きくスリップした場合は、何もしないままだと車がスピンしてしまう可能性もあります。

その場合は、「カウンターステア」という操作が有効になります。

これは自動車やオートバイの操縦技術の一つであり、「旋回中に後輪の横滑りが発生した際、ステアリングを敢えて旋回方向とは逆に切る(逆操舵する)ことで横滑りを抑えるテクニック」のことです。

ハンドルを急に回すのではなく、ゆっくり操作すればだんだんとスリップが収まるはずです。

そうしたら、ハンドルを少しずつ戻してみてください。

予防法はないの?

どれだけ気を使っていても、スリップを100%予防することはできません。

ただ、発生確率を抑えることはできます。

それは、以下のポイントに注意を払うことです。

◆雨天時や雪道・砂や土の多い路面を走行するときは速度を抑える
◆カーブを曲がるときに急旋回をしない(特に上記条件のとき)
◆タイヤの空気圧をチェックする
◆タイヤの残り溝があるか、クラック(ひび割れ)が入っていないかチェックする

加えて、悪天候時は先行車との車間距離をいつもの1倍程度にすることも意識してみてください。

ちなみに地域によっては、冬場にスタッドレスタイヤにタイヤ交換する人がいると思いますが、スタッドレスタイヤは「雨の日は逆にハイドロプレーニング現象が起きやすくなる」ので注意が必要です。

まとめ

以上が、「スリップ」に関するご紹介となります。

スリップを完全に予防することはできませんが、ポイントを意識すれば発生確率を抑えることができますし、いざスリップが起きた際も冷静に対処すれば被害を最小限に食い止めることができるかもしれません。

ここまでにご紹介した内容を参考にして、できる限りスリップを起こさないよう注意してみてください。

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