廃車寸前まで乗り続けた車を売ろうと思ったとき、まず考えたいのが「車の買取」です。
しかし、廃車同然のようなボロボロの車だと査定額が付かないことも多く、かといって自分で廃車手続きをするのも面倒……と、対応の仕方に困ってしまう人も少なくありません。
こういうときに役立つのが、「廃車買取業者」です。
ただ、
◆「廃車する来る車を買い取るメリットってなんなんだろう?」
◆「どうやって業者を選べばいいの……?」
といった点で、業者に依頼することに不安を感じる人もいます。
今回は、こういった「廃車買取」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
不要な車を処分する方法には、なにがあるの?
不要な車を処分する方法としては、以下4つが挙げられます。
②「ディーラーに下取りしてもらう」
③「中古車販売店に買取してもらう」
④「廃車買取業者に買取してもらう」
順に、補足を加えていきます。
処分法①「自分で廃車手続きをする」
不要な車は、自分で「廃車手続き」を行うことが可能です。
この場合は、自分で廃車する車をスクラップ業者に持ち込むこととなります。
ただし、手間や費用が発生する点には注意しておきましょう。
例えば、廃車するためには「一時抹消登録」や「永久抹消登録」といった手続きを行う必要があり、車検証やナンバープレート・申請書などのさまざまな書類を用意しなければいけません。
また、もし自走できない場合はレッカー者に運んでもらう必要があり、レッカー代がかかってしまいます。
「自分で廃車手続きをする=費用を抑えることができるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、実際は手間も費用もかかってしまうため、基本的にあまりオススメはできません。
処分法②「ディーラーに下取りしてもらう」
ディーラーで新車を購入する場合、それまで乗っていた古い車を買い取ってもらえる場合があります。
ただし、あくまで“ディーラーから新車を購入する場合に限る”であり、不要な車だけを買い取りしてもらうことはできません。
また、「高額な査定はしてもらえない」「廃車同然のようなボロボロの車は査定額が付かない」などの注意点もあります。
処分法③「中古車販売店に買取してもらう」
不要な車は、中古車販売店でも買い取りしてもらうことができます。
ただし、ディーラーに依頼する場合と同じく「人を乗せて安全に走行できる車」であることが基本的な条件であり、廃車同然のボロボロの車だと買い取りしてもらうことは難しいかと思います。
また、「走行距離が10万kmを超えている」「年式が古い」などの場合、査定額がかなり低くなってしまいますので注意が必要です。
処分法④「廃車買取業者に買取してもらう」
最後は、今回の記事のテーマである「廃車買取業者に買取をしてもらう」です。
ディーラーや中古車販売店では買い取ってもらえない車や、査定額が0円だった車でも買い取りをしてもらうことができます。
ディーラーや中古車販売店との最大の違いは、「車を買い取る”目的”」です。
ディーラーや中古車販売店の買取目的は、「買い取った車を”中古車”として新たなオーナーに販売し、そこで利益を得ること」にあります。
そのため、買取の必須条件が「人を乗せて安全に走行できること」なのです。
日本国内の場合、10万km越えの過走行車や、販売から10年以上が経過している年式の古い車は、中古車としての価値がほとんどありません。
費用をかけて整備し・中古車として市場に出しても“売れる見込みがない”ため、査定額が落ちてしまうのです。
対して廃車買取業者の買取目的は、「中古部品やパーツを販売し、利益を得ること」にあります。
つまり、“車そのもの”ではなく、“車の部品”に価値を置いているのです。
だからこそ、事故車であっても不動車であっても買い取ってくれます。
不要な車を処分する場合、廃車買取業者に買い取ってもらった方が、高い価値が付くかもしれません。
廃車買取業者にとって、車はまさに”宝の山”である
車は、さまざまなパーツで構成されており、約30,000個もの部品からできているといわれています。
中古車として再販することはできなかったとしても、個々の部品にはまだまだ価値があり、実際にそれらを必要としている人もいるのです。
例えば、エンジンなどは専用のテスターで動作確認を行い、検査に合格すれば中古部品として再利用されます。
ボディなどの金属部分も鉄やアルミなどに分別しリサイクルされますし、プラスチックはプラスチック原料や燃料として、ガラスは断熱材原料として利用されるなど……。
車はまさに“宝の山”であり、単にスクラップとして廃棄される部品はほとんどないといっても過言ではありません。
だからこそ、廃車買取業者は値段のつかない車をも買取を行うことができるのです。
廃車買取業者に依頼するメリットとは?
普段から車を利用する人であっても、なかなか取引する機会がない廃車買取業者。
ディーラーや中古車販売店とは異なる、独自のメリットにはどういうものが挙げられるのでしょうか。
一つは、上記でも記載した通り、「どんな車であっても値段がつく」という点です。
どれだけ大切に扱ってきた車であっても、運悪く事故に遭遇したり自然災害で乗れなくなったり……といった不足の事態は起こり得ます。
仮に、“中古車としては無価値”でディーラーや中古車販売店で買い取ってもらえなかったとしても、廃車買取業者であれば“個々の部品そのものに価値を見出してくれる”ため、どんな車であっても値段をつけてくれるのです。
例え廃車が確定している車であっても、丁寧にメンテナンスしてきた状態の良いパーツがあれば、それを高値で買い取ってもらえる可能性があります。
そしてもう一つのメリットは、「廃車の書類手続きを代行してくれる」という点にあります。
廃車の手続きは自分で行うこともできますが、必要な書類をそろえたり・担当する機関に出向いたりと、さまざまな作業が求められます。
そもそも廃車にすること自体、人生でそう何度も経験することではないため、「何から手を付けたらいいのか分からない」という人も少なくありません。
しかし、廃車買取業者に依頼をすれば、書類の手続きから車両の解体までを代行してもらうことができます。
不慣れな手続きや煩雑な作業をカットし、ワンストップで廃車から行政手続きまでの一連の作業をスムーズに進められるのは、大きなメリットといえるでしょう。
廃車買取業者の選び方について
「廃車解体業者」と一言でいっても業者は数多く存在し、どの業者を利用するかで買取時の値段なども大きく変わってきます。
選び方次第で得をするか損をするかも違ってきますし、依頼する際に注意しなければいけない点もあります。
この項目にて、「どのような業者を選べばいいのか?」を解説していきたいと思います。
選び方のポイント①「サービスは充実しているか?」
◆不動車などの場合、レッカー代を負担してもらえるか?(引取費用が無料であるかどうか)
◆アフターケアは充実しているか?
などの“サービスが充実しているかどうか”を、検討材料の一つとして確認しておきましょう。
また、「キャンセル時の対応」や「手数料などの料金」についても確認しておくことをオススメします。
前者は、キャンセルの可否やキャンセル料の有無をしっかりと確認しておき、不足の事態でも素早く対処できるようにしておかなくてはいけません。
キャンセル時の対応を確認しておかないと、強引に契約を成立させられる場合もあるので注意が必要です。
後者についてですが、廃車の買取時は手数料などの料金が必要となります。
例えば、廃車手続きの手数料など、必要な費用はさまざまです。
この確認を怠ってしまうと、買取額が大幅に減少する可能性もあるため、事前にしっかりと確認を行っておくことをオススメします。
選び方のポイント②「丁寧に説明してくれるかどうか」
「事前にしっかりとした説明がある」「不明点を質問した際にきちんとした回答が返ってくる」といった、丁寧な業者を選ぶようにしましょう。
特に、「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険」の3つについて、“還付金の説明があるかどうか”も業者選びを行う上で重要です。
実は、廃車買取の際には「リサイクル法」を順守しているかどうかの説明義務はありません。
だからこそ、還付金の説明があるかどうかは、良心的できちんと廃車の手続きを行ってくれる業者かどうかを見極めるポイントの一つとなるのです。
選び方のポイント③「輸出ルートを持っているかどうか」
日本製の車は、品質が高く頑丈で、海外で非常に人気があります。
海外では走行距離10万km越えの車でも乗り続けている人が多いため、中古車でも価値が高く、交換用のパーツにも需要があるのです。
海外を含めさまざまな販売経路を持っていれば、車の状態ごとに需要が大きい販路を選ぶことができるようになります。
そうなれば、どんな状態の車でも、より高値で買い取ってもらえる可能性が高まります。
選び方のポイント④「複数の業者を比較すること」
良い業者を見つける最大のポイントは、「複数の業者を比較すること」です。
一社だけでは、その業者の良し悪しも、買取価格が高いのか低いのかも見分けることはできません。
一つの見積もり査定額をもとに価格交渉を行いつつ、上記で挙げた方法などで業者の良し悪しを判断し、最終的に自身が納得できる条件を見極めて業者を選定していきましょう。
依頼する際の注意点について
「現金が手に入る可能性がある」「廃車の手続きが楽に進めることができる」など良い点ばかりに目を取られて、慌てて廃車買取業者に車を持ち込むのも考えものです。
この項目では、依頼時の注意点について解説します。
注意点①「再販できる車は買取価格が安くなる」
廃車になると思い込んでいた車が、実はまだ再販可能だった場合は、損をする可能性があります。
なぜなら、「中古車として再販できる車両であっても、解体基準の価格で値段が決められてしまうから」です。
まだ中古車として扱える車ならば、中古車販売店などに持ち込んだ方が値段が高くつくので、依頼する業者を間違えないようにご注意ください。
注意点②「代車を借りられない場合がある」
車は、大切な移動手段の一つです。
その大切な移動手段である車が廃車になった場合、短期間でも代車を借りたいと考えるかと思います。
しかし、廃車買取業者はあくまで「車を解体処分して少しでも利益を回収する」ことを目的としており、ディーラーや中古車販売店と違って“車の買い替え”は想定していないのです。
そのため、「代車を借りられない」ことがほとんどとなります。
「名義変更」や「抹消証明」がされているかは、しっかりと確認しておこう
「名義変更」や「抹消証明書」などの確認書類は、必ず廃車後に送付してもらって、手続きが完了したことをしっかりと確認しておいてください。
「所有者としての責任の所在を知るため」や「税金の義務を果たすため」に必要となります。
“廃車=解体”とイメージする人もいますが、実際は“廃車=車の登録を抹消する”ことをいいます。
もし名義変更や抹消登録がされないまま、万が一にも犯罪に使用された場合は「所有者としての責任」が問われる可能性もあるのです。
実際、廃車手続ぎが一向に完了せず、トラブルに発展する例もあります。
契約時には、手続きが完了する日にちをしっかりと確認しておくこと。
そして、伝えられた手続き完了日を過ぎてもなんの連絡もない場合、進み具合を確認すること。
トラブルに巻き込まれないためにも、念のために確認はしておいた方が良いかと思います。
まとめ
「廃車となる=使い道がなくなる」と考える人もいるかもしれませんが、実際はそうでもありません。
廃車になったとしても“車”としての価値はありますし、仮に走らなくなっても“資源”としての価値があります。
廃車にも正当な価値があることを理解して、廃車買取をうまく活用してみることをオススメします。
ただし、廃車買取業者もさまざまに存在します。
中には悪質な業者も存在し、以下のようなトラブルに発展する可能性もあり得ます。
◆「最初に提示された査定額と違う」
◆「還付金が返ってこない」
良質な業者を選定できるよう、複数の業者を比較し、自身が納得できるところに依頼をしてみてください。