以前の記事で、「バスの種類」についてのご紹介をさせていただきました。
大別すると、バスには以下の種類が存在します。
◆「中型バス」
◆「マイクロバス」
そして、利用する側の立場……つまり「バスを借りたい!」となった時に最も迷うのは「どの大きさのものを借りたら良いか分からない」という点ではないかと思います。
今回は、“料金・人数・設備”の観点から、「どれを選ぶべきなのか?」という点について考えてみたいと思います。
各バスのサイズ・乗車定員の比較について
まずは、各バスのサイズ・乗車定員を比較してみましょう。
◆サイズ :全長12m、車高3.7m、全幅が2.5m
◆乗車定員:43~45名(補助席を含めると53~55名)
【中型バス】
◆サイズ :全長9m、車高3.5m、全幅が2.5m
◆乗車定員:27~28名(補助席を含めると33~34名)
【マイクロバス】
◆サイズ :全長7m、車高2.6m、全幅2.1m
◆乗車定員:20名前後(補助席を含めると26~27名)
大まかに……ではありますが、上記のようになります。
ただし、車種によって乗車定員は多少前後するので、あくまで参考程度にとどめておいてください。
人数と荷物の量で選ぶ、バスの種類について
人数が20名程度+荷物が多い場合
乗車定員がある程度明確に決まっているなら、「その基準に合ったバスを選ぼう!」となるはずです。
一番の悩みどころとなるのは、「人数は20名程度だが、荷物が多い場合」ではないでしょうか。
この時に注意すべき点は、“トランクルームの有無”にあります。
というのも、「マイクロバスにはトランクルームは設置されていないということです。
(大型・中型バスには設置されている)
そのため、マイクロバスで荷物を置く場合は座席をつぶして荷物を置く必要があるのです。
このことから、荷物が多い場合はマイクロバスではなく、大型・中型バスを選択した方が良いかと思われます。
ちなみに、バスを安全に運行するにあたり、「通路や補助席に荷物を置くことはできない」という法律が存在します。
荷物を、通路や補助席に置くことはできないので、この点にも注意をしておいてください。
どっちがお得?大人数で貸し切る際のバス選びについて
もう一つの悩みどころとして挙げられるのは、「大人数でバスを利用するとき、どのバスを選択するのがお得なのか?」という点です。
結論から言うと、「マイクロバス2台よりも、大型・中型バスを1台借りた方が安く済むことが多い」です。
というのも、貸切バスの料金は「バスを実際に走らせた距離×距離単価」と「バスを使った時間×時間単価」で算出されるからです。
確かに、マイクロバスはリーズナブルに借りることができるのが利点の一つではあります。
しかし、マイクロバスを2台借りる場合は、大型バス1台で済ませた方が料金が安くなる傾向があります。
その最たるは、「1泊2日などの日数がかかる場合」です。
宿泊する場合、運転手付きでレンタルする場合は、「ドライバーの宿泊費も実費としてかかる」ことになります。
そうなると、バスを2台借りた場合は“2名分の宿泊費”がかかることになるため、大型バス1台で借りた方がぐんとお得になるのです。
「ピストン輸送」する場合は、どのバスを選択するのがお得なのか?
もう一つの悩みどころは、「送迎利用で、乗客を”ピストン輸送”させる場合」です。
(ピストン輸送=車両・船舶などを休みなく往復させて、物や人を次から次へと送ること)
この場合は、“送迎の仕方”によって選ぶのが良いかと思います。
例えば、イベント(コンサートやスポーツの試合など)で、“時間が決まっている”場合。
この場合、一度に大勢を運ぶことが大半となるので、大型・中型バスの方がオススメかと思います。
逆に、工場送迎・駅から旅館までの移動・コミケなどの大きなイベント送迎など、“1度に運ぶ人数がある程度決まっており(20名程度)、1時間おきに駅と会場を往復する”という場合は、マイクロバスの方がお得かと思います。
このように、用途に応じて使い分けをしてみてください。
“バス選び”で注意するべきこと
次に、“バス選びの際に注意しておくべきこと”について、ご紹介をしていきます。
補助席は、基本的に利用しない!
これはどのバスを選択した場合でも同じことが言えるのですが、「基本的に補助席に座ることはオススメしない」です。
ツアーや遠足などで乗った際、補助席に座ることはまずないと思われます。
というのも、“補助席”はあくまで“補助”のために存在するからです。
長時間の移動はかなり疲れますし、そもそも座り心地もよくありません。
それに、“通路を塞いでしまう”ということにもなるため、(補助席に座っている人の意思に関わらず)休憩時間などにわざわざ補助席をたたむ必要もでてきます。
総じて快適な空間を維持することが難しくなるため、原則として“全員が正座席に座れる大きさのバスを選ぶ”ことを意識した方がいいかと思います。
加えてもう一つ。
製造年数が古いマイクロバスの場合、“補助席にシートベルトが付いていない”こともあります。
現在は「道路運送車両の保安基準等」が改正されており、補助席にもシートベルト設置と着用が義務付けられています。
つまり、“シートベルトが付いていない補助席には座ることはできない”ということになるため、注意が必要なのです。
座席の”スペース”にも注意をしておこう!
上項でもお伝えした通り、バスの種類によって、“大きさ”は異なります。
それと同時に、「バスによって座席間のスペースも異なる」のです。
例えば、マイクロバスの場合は、
◆シート(座面)の奥行 :41㎝程度
◆足元のスペース :訳30㎝ぐらい
となります。
前の座席との間隔が思っている以上に狭くなるため、大柄の男性が多い場合はマイクロバスでの乗車は若干窮屈となってしまいます。
マイクロバス→中型バス→大型バスと、大きさによって快適性は良くなっていくため、乗車する人の体格によって、選ぶバスを選択するのも一つの手段と言えるかもしれません。
設備の違い
大型・中型バスの場合、設備が充実していることが特徴の一つに挙げられます。
例えば、
◆「トイレ付」←これは圧倒的に数が少ない
◆「トランクルーム」
◆「テレビ」「DVD」「クーラーBOX」「冷蔵庫」「カラオケBOX」など
などです。
マイクロバスは、基本的に“送迎用”として利用されることが多いため、他に比べて設備が充実していないことがほとんどです。
もちろん、バスやバス会社によって設置している内容は異なるため、この点は事前にバス会社に確認を取った方がいいかと思います。
※要注意※ バス内での”著作権”について
特に、テレビやDVD機材が設置されているバスに多い注意点として、以下が挙げられます。
「バス車内は、”公共の場所”として定められている」という点です。
公共の場所では、原則として“購入およびレンタルした映画やアニメは視聴できない”というルールがあります。
これは、同じ“公共の場所”として定められているバス車内でも同様です。
(一般的な市販・レンタルの映像ソフトには必ず「このソフトは家庭内での視聴に使用目的を限って許諾されているもの」と注意が入っているので確認してみてください)
では、「どんな映像なら視聴できるのか?」ですが、これは「自身で撮影した映像」などが該当します。
ただしバスに装備されているDVDデッキで必ずしも再生できるとも限りません。
そのため、あらかじめバス会社にDVDを郵送で送るなどして、再生可能かどうかをしっかりと確認しておくことをオススメします。
まとめ
以上が、各バスの特徴(比較)と注意点になります。
結論としては、どのバスを選ぶかは以下の用途によって変わってくると思います。
◆荷物の量
◆バスの使い方
バスを快適に利用できるよう、ここまでにご紹介したポイントや注意点を参考にして、自分たちに合った大きさのものを見つけてみてください。
また、バスの車種によって乗車できる定員数も変わり、会社によって設置されている設備にも大なり小なりの違いがあります。
そのため、バスをレンタルする場合は、必ず利用するバス会社に詳細を確認するようにしてください。