最近あまり見かけなくなった牛乳配達の人たち。現在コンビニなどの拡大によって減少傾向にありますが、少しずつ復調の兆しを見せているようです。
いろいろなドライバー職員が存在する中で、牛乳配達員という業務はイマイチはっきりわからない方も多いのではないでしょうか。
「この人たちはいったい何時から仕事を始めているのだろう」
「収入ってどれくらいなのだろう」
と疑問に思われる方も少なくないと思います。
さらには、「牛乳配達員のやりがいってなんだろう」と思う方もいると思います。
今回はその牛乳配達員について、仕事内容や特徴、やりがいなどを詳しく解説していきたいと思います。
牛乳配達とは何か?
牛乳配達は、読んで字のごとく、契約先のお宅に牛乳を届けることが仕事です。
各担当エリアで配送し、早朝の5時頃までに配達し終えるのが一般的となっています。
牛乳配達員は、ただ牛乳を配達するだけではありません。非常に神経を使う業務になります。
牛乳配達において最も怖いのは「誤配」です。
間違ったものを配達してしまうと、その瞬間に顧客からの信頼度はガクっと落ちてしまい、最悪は契約解除につながりかねないので、最も気を遣うところでもあります。
また、牛乳配達員は、「営業」という側面も持ち合わせていて、顧客に商品を渡す際に、本数の増加を促したり、新規顧客を獲得するために、配達先で近所を回ることもあります。
牛乳配達員の仕事内容はどのようなことをするのか?
では、その牛乳配達員の具体的な業務内容とはいったいどのようなことをするのでしょうか。一般的な1日の流れを見ていきましょう。
AM1:00 出社
配達店に出社し点呼を行います。
基本的には軽トラックや軽バンの車にその日に配達する商品をチェックし積み込んでいきます。
商品のほかにも、空き瓶を回収するクレートや、鮮度を保つために必要な蓄冷剤なども同時に積み込みます。
このようなものをすべて合わせると、かなりの重量になりますので、結構な体力仕事になります。
AM1:30 配達
担当エリアに配達を行います。
いかにムダのないスピーディー且つ安全な配達を行うのかがカギになります。
もっともしてはいけないのは「交通事故」と「誤配」です。最新の注意を払いながら配達していきます。
また、配達先の保管容器などが汚れている場合にはその都度清掃を行います。
AM7:00 帰社
帰社したら業務日報を作成し、契約内容等に変更があれば都度報告していきます。
また、回収した空き瓶の破損状態などをチェックし決められた場所に返却します。
翌日の配達商品などの確認作業を行い、業務終了です。
牛乳配達員のメリット・デメリット
メリット
未経験者でも比較的簡単に仕事に就ける
牛乳配達は、安全運転ができる人ならば基本的に誰でもできる仕事です。
必要な資格も普通免許だけで、AT車限定の免許であれば、営業所によって違いはありますがAT車の貸し出しもしてくれます。
基本的に職務経験や学歴も不問のところが多く、牛乳配達には特別なスキルは必要ないためどなたでも挑戦することができます。
体力がつく
牛乳配達は100件以上の顧客へ牛乳を配達します。
その段取りをするために車に必要な分の商品を積み込まなければなりません。
はじめは重く感じるかもしれませんが、積み込み作業は短時間で終えることができますし、配達においても慣れていくうちに効率よく回ることができるようになるので、おのずとトレーニング程度の労働になっていくと思われます。
勤務時間が比較的短い
牛乳配達業務は明るい時間で終了するのがほとんどです。
昼から夜までは基本的に自由時間となり、自分のしたいことができます。
趣味に費やすのもいいですし、子育て中の方にはその時間子供の面倒を見ることができますので自由度が高い職業と言えます。
デメリット
単純作業で飽きる
基本的に毎日同じエリアを配達することになりますので、単調な業務になります。
はじめのうちは誤配をしないように細心の注意を払って配達業務を行いますが、慣れてくると余裕が出てくるので飽きてしまう人もいるようです。
朝が早い
主に牛乳配達はシフト制を組んでいるところが多く、働く時間を選ぶことはできますが、募集を見るとやはり深夜から早朝にかけての募集が多いのは否めません。
早起きが苦手な人にはこの仕事は向いていないかもしれません。
夜の予定を組みにくい
牛乳配達は朝が早いので、夜は早めに就寝します。そうなると夜の予定が組みにくくなります。
牛乳配達員のここがやりがい!
顧客からの感謝の声を聞くことができる
配達先での感謝の言葉は何をもってしても活動の原動力になります。「ありがとう」というその言葉ひとつで「よし!がんばろう!」という気持ちにさせてくれます。
配達先でちょっとした会話になったりすると、ささいなコミュニケーションが新鮮な刺激になり、そのコミュニケーションが顧客との信頼関係につながっていきます。
社会に貢献していると実感できる
牛乳という人々の暮らしに重要な役割をもつ商品を、各家庭へ届けているという実感が社会の貢献につながっているという誇りに変わっていきます。
配達という単純な作業ではありますがその社会的貢献度は高く、人々の健康の向上に一役買っているのです。
もっと大きくとらえると物流業界においてひとつの歯車として活躍することができます。このことで、物流における社会のインフラに貢献しているとも言うことができ、大きなやりがいのひとつにもなります。
新しい発見がある
基本的には決まったエリアを配達する牛乳配達ですが、そのなかでもいかに最短で迅速な配達をするかを考えた時に、新しいルートを開拓する楽しみがあります。
また、営業所にもよりますが、顧客の新規獲得も任される場合があり、新規顧客を獲得した時にはそれはまた新しい発見になります。
さらには、顧客と顔を合わせ、コミュニケーションを取った時にその会話の中で自分にとって新しい発見のある会話になるかもしれません。
このように、牛乳配達と言っても単純に配達をするわけではなく新しい発見を見つけ出せることも大きなやりがいと言えるでしょう。
牛乳配達員に向いている人と向いていない人
向いている人
ひとりでいても苦にならない人
牛乳配達はほとんどがひとりで仕事を行います。朝礼や終礼などに他の人と顔を合わせるくらいで、そのほかはほぼひとりで作業を行っていきます。
大人数でわきあいあいと作業をするというよりは、淡々と仕事をこなすことの方が多いのは間違いありません。
このような職場環境でも苦にならない人、または与えられた仕事を黙々とこなすのが好きな人にこの仕事は向いているでしょう。
向上心を持って仕事に取り組める人
向上心というのは仕事だけではなく、物事に対して必要とされることです。
基本的に牛乳配達というのは決められたルートで決められた場所へ配達を行うという単純作業の繰り返しになります。
人によってはこの作業に「飽き」を感じてしまう可能性があります。その中で向上心を持っている方は、新規顧客を獲得するために自ら営業活動をしたり、常に効率の良い配達ルートを考えたりすることで「飽き」といった状態にならないように工夫できる人のことを言います。
自己管理能力の持っている人
牛乳配達は基本的にシフト制を導入しているところが多く、急な怪我や病気などで休むことがあれば、ほかの人にその仕事が覆いかぶさってきます。
そうならないためにも日々自分の健康管理には気を付ける必要があります。
また、配達においても常に「誤配」と「交通事故」に注意しながら配達を行わなければなりません。健康な状態を保っていないとミスや事故につながりかねないので、自己管理能力ができる人にこの仕事は向いているでしょう。
ある程度接客業務ができる人
牛乳配達も実は接客業務です。
基本的には100件程度の配達を行っていきます。しかしその中で配達先の住人の方と直接顔を合わせる機会が多々あります。そのときに横柄な態度で接してしまうと信頼関係が崩れ、会社そのものの名前を汚してしまう恐れがあります。
よってある程度きちんとした接客技術を持っている人にこの仕事は向いていると言えるでしょう。
柔軟な対応ができる人
配達途中にいつものルートで配達をしようとしたときに、そのルートが通行止めだった場合、即座に別のルートを考え対応しなければなりません。しかもこの時は必要最小限の時間ロスでルートを決めなければなりませんので、臨機応変に柔軟に対応できなければこの仕事は務まりません。
また、顧客からの要望や注文においてもマニュアル通りのものばかりではありません。瞬時に判断しなければならないリクエストなども多々あります。
そのような時も動じることなく素早く対応できる柔軟さが必要になってきます。
安全運転に徹する人
配達業務全般に言えることですが、安全運転なくして効率の良い配達はできません。
配達員はプライベートの運転以上に安全運転に徹しなければならないのです。
向いていない人
横柄な態度や不愛想な態度を取る人
牛乳配達をしていくうちに、必ず配達先の人と顔を合わせる時があります。その時に挨拶もせず、ただ配達をして去っていくという方はこの仕事には向いていません。
配達業務も立派な接客業務です。
配達先の人と顔を合わせた時にはきちんと笑顔で挨拶をし、時にはコミュニケーションをとりながら配達するように心がける必要がありますので、横柄な態度を取ったりする人にはこの仕事は向いていないと言えるでしょう。
ズボラな人
配達するにあたって、牛乳瓶の置き方ひとつでもその配達員の顔が見て取れます。雑な置き方をして万が一瓶が倒れ、破損につながっては話になりません。
また、牛乳配達は時間との勝負でもあります。遅刻したり、サボったりしていると時間内に配達を終えることができず、顧客に多大な迷惑をかけ、信頼関係を損なってしまう恐れがありますので、ズボラな人にはこの仕事は向いていません。
方向音痴な人
道を覚えられない人はこの仕事はかなり苦労するでしょう。
集合住宅地などでは道路が入り組んでいて、なかなか覚えるのに苦労します。
車ですとナビゲーションなどを活用することもできますが、細い道になると自動車を使うことはなかなかできません。バイクや自転車での配達業務になります。よって担当するエリアはきちんと道を覚えなければならないので、方向音痴の人にはこの仕事は難しいかもしれません。
早起きが苦手な人
牛乳配達は早朝に配達を終わらせる必要があります。もはや早起きは仕事の一環とも言えることです。
早起きが苦手な人は遅刻をしたり、居眠り運転をしたりする可能性があるので非常に危険です。
牛乳配達員の収入について
牛乳配達員の契約内容は営業所に寄って異なりますが、主な契約内容は正社員、派遣社員、アルバイトが一般的で、それぞれ相場が異なります。
正社員の場合
月給 約21万円~25万円
年収 約270万円~330万円
派遣社員の場合
時給 約1000円~1400円
年収換算 約180万円
アルバイトの場合
時給 約900円~1200円
年収換算 約84万円
牛乳配達員になるためにはどうしたらよいのか?
牛乳配達員の年齢制限や、特別な資格などは必要ありません。
ただし「普通自動車免許」は配達をする関係上必須となります。
特別な資格とスキルアップなどは必要なく、車を運転することや、コツコツと仕事をすることが好きな人なら誰でもなることができると思います。
自動車免許に関してはAT車での応募可能がほとんどの所を占めていますが、マニュアル車を運転できるに越したことはないので持っていて損はないでしょう。
スキルに関しても特に必要なスキルは求められませんが、営業スキルやそのほかの配達経験者ならば業務のプラスαとして働くことは間違いありません。しかし、このようなスキルを持っていなくても十分働くことは可能です。
強いてスキルが必要だとすれば「安全運転」でしょう。なによりも交通事故を1番恐れなくてはなりません。
相手に怪我を負わせるだけでなく、自分も怪我をすることがあります。さらには事故を起こすことで会社に迷惑を掛けることにもなりかねませんので安全運転には十分配慮して業務にあたることが大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか。ここまでイマイチ謎の多かった牛乳配達員についての仕事内容やメリット・デメリット、やりがい、収入などについてご紹介してきました。
牛乳配達員は朝早くから業務に従事し、私たちに新鮮な牛乳を提供してくれる。なくてはならない人たちです。
コンビニが拡大している現在で牛乳は24時間いつでも購入することはできる状態ではありますが、日々毎日牛乳を家庭まで運んでくれるのは牛乳配達員だけなのです。
牛乳配達員は早朝から仕事に就かなければならない厳しい仕事です。
雨の日も風の日も休むことなく牛乳を届けなくてはなりません。しかしそれだけにやりがいも多く社会に貢献できているという実感と誇りをもって業務に従事することができるでしょう。
これから牛乳配達をやってみたいという方も、仕事の空いた時間を有効活用したいと思っている方も、この記事を参考にしていただけたら幸いです。