公共交通機関を支える「バスの運転手」。
しかし、一言で「バスの運転手」といっても、実にさまざまな種類が存在します。
今回は、バスの運転手になるために必要な免許(資格)および免許取得時に注意すべき点をご紹介していきたいと思います。
バスの運転手の業務形態にはどんなものがあるのか?
一口に「バス」と言っても、その種類は以下のようにさまざまに存在します。
◆「高速バス」
◆「観光バス」
◆「送迎バス」
当然、走る道路や目的によって、さまざまな業務形態が存在します。
この「バスの種類」に関しては、以前に別の記事で詳しくご紹介しておりますので、以下にそのリンクを貼っておきたいと思います。
バス運転手は、どういう会社に勤めるの?
概要
基本的にバス運転手の多くは、「路線バス会社」や「観光バス会社」に勤務することとなります。
採用における試験内容は会社によって異なりますが、基本的には「実技試験」「筆記試験」「身体検査」などが実施されることが一般的かと思います。
ちなみに、“民間のバス”だけでなく、都道府県や市町村が運営する“公営のバス”も存在します。
公営バスの場合の身分は、基本的に「地方公務員」となります。
バス運転手は、未経験からでも就職できる?
まず前提として、「バス会社(バス運転手)は、人手が不足している」が挙げられます。
そのため、基本的には“未経験”や“ブランク”のある方でも、採用される可能性は高いと言えるでしょう。
また資格に関しては、バスを運転するためには「大型二種自動車運転免許」が必要となります(詳細は後述にて)。
しかし、就職する時点では「普通自動車免許」を所持しているだけで、応募条件を満たせる可能性が高いです。
というのも、入社後には必ず“研修”があるからです。
この研修で、以下のようなことを学びます。
◆アナウンスの練習をする
◆マナー研修
◆実際の公道を走る(=実技訓練)
研修で業務に必要な知識や技術を学びつつ、「大型二種自動車運転免許」の資格取得に臨むのが一般的とされています。
「学歴」は必要?
結論を言うと、バス運転手になるために必要な(特別な)学歴というものはありません。
上記でも記載した通り、基本的には「普通自動車免許」があれば、高卒からでも就職することが可能となります。
ただし、企業によっては応募資格が異なる場合もあります。
(経験者であったり、有資格者を募集しているケースなど)
これについては、「応募資格」をしっかりと確認し、自分に合った就職先を検討するのが良いかと思います。
「女性」でもバス運転手になれる?
「バスの運転手は男性が多いイメージがある」という人もいるかもしれません。
しかし、それは過去の話であり、現在は女性でもバス運転手として活躍している人は大勢いますし、その比率もどんどん高まっています。
この仕事は“運転技術”がモノを言う仕事であり、技術さえあれば男性と女性で仕事内容を区別されることはありません。
そのため、女性であってもバス運転手になることはできますし、男性と同じようにスキルアップしていくことが可能です。
必要な「運転免許」について
はじめに
次に、今回の主題である「バス運転手に必要な免許」について、ご紹介していきたいと思います。
そもそもの話ですが、バスの運転手は乗用車とは全く異なる大きさのバス……加えて大勢の乗客を乗せて運転する必要があるため、“特別な運転技術”を身に着ける必要があります。
その運転技術を証明するために必要となる資格(免許)が、「大型第二種自動車運転免許」なのです。
この項目にて、この資格(免許)を取得するために必要なことをご紹介していきたいと思います。
免許取得の条件は?
まず、本免許を取得するために必要な条件が以下の通りです。
◆「普通自動車免許」以上を取得済みであること
◆免許を取得して、通算3年以上経過していること
(※3年の間、免許停止処分などを受けている期間がないこと)
加えて、「視力は、片目0.5以上・両眼で0.8以上」という決まりもあります。
(眼鏡やコンタクトを使用することも可能)
また、信号機や標識の判別も当然ながら必要となってくるため、以下のような要素も問われることとなります。
●「深視力(2cm以下)」:物体の位置や奥行きが認識できる(両眼視機能とも呼ばれる)
●「聴力(※)」:(クラクションなど)音を察知するために必要
(※補聴器を利用することも可能)
最後に。
当然のことではありますが、大前提として「自動車を運転するにあたって、必要不可欠な”運動能力”も必要となる」ではあります。
例えば、障害があったり身体的な不具合があって「運転そのものに支障をきたす」という人は、この免許の受験資格を満たすことはできません。
取得手段について
一般的な方法は、自動車教習所に通い、技能卒業検定に合格することです。
(普通免許と同様である)
ただし、勤務先の研修制度が充実しており「教習所に通う必要がない」という人の場合(知識・技術が十分にあると判断した場合)、運転免許試験場で直接技能試験を受ける方法もあります(いわゆる”一発試験”のようなもの)。
ちなみに、自動車教習所に通う場合はどうしても費用が発生してしまいます(数十万円以上)。
そのため、ハローワークにて「教習訓練給付金制度」を利用することも可能です。
「教習所に通う費用が気になる……」という方は、上記を活用するのも一つの手段と言えるでしょう。
「大型二種自動車免許」の合格率はどのくらい?
結論から言うと、合格室は“約10%”と言われています。
採点基準がかなり厳しくなっている理由としては、「乗客の命を預かる、責任ある仕事に就くために必要な免許である」ということからです。
そのため、(バス会社によっては養成制度が設けられてはいるものの)できる限り自動車教習所などに通い、しっかりと基礎から知識・技術の習得を行った方が良いかと思います。
(一発試験も可能ではあるが、不合格が続けば結果として受験料がかさんでしまう)
ちなみに、試験科目は以下の3つが用意されています。
◆「学科試験」
◆「技能試験」
合格率がかなり低く、基本的に一回目の試験で合格する可能性は極めて低いと言われています。
そのため、しっかりと勉強をして、試験に臨むようにしてください。
ちなみに。
上項でもお伝えした通り、バスにはさまざまな種類が存在します。
(路線・高速・夜行・観光など)
いずれのバス運転手として働く場合であっても、この「大型二種自動車免許」の取得は必須となります。
この点にも注意しておいてください。
まとめ
以上が、「バス運転手のなり方・必要な免許」などについてのご紹介となります。
冒頭でもお伝えした通り、「バスは公共交通機関支える重要な乗り物の一つ」です。
そのため、バスのニーズは一定数あり、運転手の求人も多数存在します。
「バス運転手という仕事に興味がある」という人は、ぜひ知見を広げて、その一歩を踏み出してみてください。
ただし、上記でご紹介したように「大型二種自動車免許の取得難度は非常に高い」という注意点もあります。
バス会社自体は、「未経験」でも採用される可能性があり「普通自動車免許」を所持していれば応募資格を満たせる場合もあります。
しかし、就職後はさまざまな研修を経て知識や技術を学んでいく必要があり、実際にバス運転手として勤務するには「大型二種自動車免許」の資格取得は絶対に避けては通れません。
「入り口は広いが、長く続けていけるかどうかは本人次第」なのです。
(長く続けていくためには)厳しい仕事であることは間違いありませんので、「誰にでも続けられる楽な仕事ではない」という点には、注意をしておいた方がいいかと思います。
また、当社では関連サイトとして、「ドライバー」に関する採用サイトも取り扱っております。
詳細は以下リンクよりご参照いただければ幸いです。
さまざまな求人が掲載されておりますので、お仕事をお探しの方はぜひご覧ください。