目的地までの移動手段として重宝する「タクシー」。
人々の生活において身近な存在であり、利用したことがある人も多いのではないでしょうか。
ただ、普段何気なく利用しているタクシーにも、さまざまな種類があり、もちろん「タクシーの定義」も存在します。
また、当然ながら「ハイヤー」とは別物として扱われています。
今回はこれら「タクシー」に関するさまざまな情報をご紹介していきたいと思います。
「タクシー」の定義とは?
「タクシー」と聞くと、皆さんはどういったものをイメージされるでしょうか。
恐らく、多くの人が「目的地まで運んでくれる車」と考えるかと思います。
その認識で間違いはないのですが、もっと正確な言い回しをすると「鉄道やバスなどと同じ”公共交通機関”の一つ」となります。
定義としては、旅客を運行する「一般乗用旅客自動車運送事業」です。
そして、乗車定員は“11人未満”と法律によって定められています。
タクシーには、セダンやワゴン車などさまざまなタイプの種類が存在します。
これらの定員10名以下の自動車を“貸し切って”乗客を運送するもの……これが、「タクシー」なのです。
タクシーの”種類”について
「タクシー」と一言でいっても、事業者別に以下のような種類が存在します。
◆「個人タクシー」
◆「介護・福祉タクシー」
それぞれ、順に補足を加えていきましょう。
「法人タクシー」
「法人=企業が運営するタクシー会社」となります。
「〇〇観光株式会社」などがその典型例であり、企業がタクシードライバーを雇用して、(許可を受けた)複数の車両で営業を行っています。
なり方などの詳しい詳細は別途ご紹介しようと思いますが、基本的には「普通自動車第二種免許」を所持している人であれば、ドライバーとして働ける最低条件は満たしているかと思います。
(それ以外の条件は、企業によって異なる)
ただし、運転免許を持っていれば誰でもタクシードライバーになれる訳ではありません。
「お客様」を乗せて、目的地まで運ぶのですから、相応の接客(営業)マナーは身に付けておかなくてはいけません。
そのため、企業に就職できたとしても、業務を担当する前には一定の研修期間を必要とします。
ちなみに、車両はそれぞれのタクシー会社が指定するものを複数人で使用しています。
(行灯に会社名が記されていたり、色や表記が会社によって異なる)
「法人」か「個人」かは、特に“行灯”などを確認すれば分かりやすいかと思います。
「個人タクシー」
これは、「個人=ドライバー自身が経営者(個人事業主)」となり、自身で用意した車両で営業を行う者のことを指します。
もちろん、誰でもすぐに個人事業としてタクシードライバーを始められる訳ではなく、(タクシーやハイヤーなどのドライバーとして)“10年以上のキャリア”を必要としています。
また、そのほかいくつかの条件をクリア・試験に合格することで、個人経営が可能となるのです。
(詳細は別の記事にて)
企業に属さずに個人経営を行うため、自由こそありますが、その分“責任”も重大となってきます。
ちなみに、見た目の特徴として、車体側面ドア付近に「個人」と表示されています。
利用したことがない人にとっては、「個人タクシーって信用できるの……?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。
しかし、“10年以上のキャリア”と、“法令・試験などの合格”などを必要とするため、企業に雇われている人以上に「運転に対する知識・技術が豊富である」という証明にもなります。
まさしく“運転のプロフェッショナル”であり、人によっては「個人タクシーしか利用しない」という人もいるくらいです。
タクシーを見れば、法人か個人かはすぐに判別できるので、気になる方は「個人タクシー」を利用してみるのも良いかもしれませんね。
「介護・福祉タクシー」
これは、「身体が不自由な人の”移動”をサポートする」目的で利用されます。
◆外出・買い物
◆旅行
など、身体の不自由な人のサポートを行いながら目的地まで移動をすることとなります。
もちろん、この福祉タクシーを運転するためにも相応の知識・技術を必要とし、車両によっては「リフト装置」を備えていたり、「車椅子・ストレッチャーごと乗り込める」といった車両も存在します。
また、乗車時は、家族や付き添いの方がサポートを行うこととなります。
その他
もう一つ特殊な例として、「荷物の運搬」を中心に事業を展開しているタクシー会社もあります。
要するに、「人」ではなく、「荷物」の“輸送”を引き受けるということです。
ただし、タクシーはあくまで「旅客運送業=人を目的地まで運ぶ」ものなので、基本的に貨物だけの輸送というのは認められていません。
貨物だけを輸送しようとする場合、基本的には事業者が「有償貨物運送許可」を取得する必要があり、許可を受けている事業者のみが“特例措置”により参入できる……というものになっています。
(そもそも、荷物の運搬であれば宅配業者などが存在する)
特に昨今は「新型コロナウイルス感染症」の影響もあり、(特例期間中限定はあるが)“出前”などを引き受ける企業なども存在しています。
「ハイヤー」との違いはなんなのか?
「タクシー」と同じく、「ハイヤー」も良く耳にする言葉かと思います。
“人を目的地まで運ぶ”という点では共通している両者ですが、名称が違うことからも、この2つは似て非なるものとなります。
その違いは、主に以下の3つが挙げられるでしょうか。
◆「運賃・料金システム
◆「サービス」
こちらも、順に補足していきたいと思います。
「営業形態」
タクシーを利用する場合、どうやって利用する人が多いでしょうか?
基本は、「タクシー乗り場」を利用したり、「タクシー会社に連絡をする(電話やアプリを利用する)」がほとんどかと思います。
基本的に“街中で簡単に利用できる”のがタクシーの利点となります。
対して、ハイヤーは「完全予約制」となります。
街中でハイヤーを見かけても、タクシーのように手を挙げて呼び止めることはできないのです。
「運賃・料金システム
両者の違いは、以下のようになっています。
◆ハイヤー:栄養所を出発から営業所に戻るまでの区間
ハイヤーは、お客様から連絡(予約)があった際に、営業所から出発をし、お客様を目的にまで輸送します。
そして、お客様を目的地まで送り届けたら、そのまま営業所に戻るのです。
つまり、この間が「利用料金が発生する区間」となります。
タクシーとは利用区間そのものが異なるため、(料金という点で)注意が必要となります。
「サービス」
「ハイヤー=高級車」という印象が強いかと思います。
実際にその通りであり、ハイヤーを利用する人の多くは、VIPや会社の役員などの移動手段……もしくは各種組織で利用されることが多いかと思います。
つまり、ドライバー自身にも上質なサービスor身なりが求められることとなるのです。
場合よっては海外の賓客を乗せる機会もあrため、語学にも堪能になっている必要もあります。
また、「ハイヤー=上質な時間」を求められる場合もあります。
大切な記念日などで利用する人もいるため、お客様にどれだけ“快適な時間を過ごしていただけるか?”も考慮して、運転を行っていく必要があるのです。
まとめ
以上が、「タクシーの特徴」+「タクシーとハイヤーの違い」の説明となります。
タクシーは身近な存在で、誰でも簡単に利用できるものですが、実はさまざまな種類が存在するのです。
もちろん、“タクシー”と“ハイヤー”も似て非なるものとなります。
それぞれの違い・特徴を理解し、うまく利用していけるようになると良いのではないかと思います。