今の時代、「車」は人々が生活するうえでなくてはならない乗り物の一つとなっています。
そして、自動車産業は日本の基幹産業の一つであり、現在でも多くの自動車メーカーが現存しています。
(このような国は世界でも珍しい)
自動車の歴史はなかなかに古く、その歴史を詳しくご存じという方も少ないかもしれません。
そして、車は時代とともにどんどん進化を続けています。
今回は、この“歴史と未来(進化)”について、詳しくご紹介していきたいと思います。
自動車は、いつ・誰の手によって作られたのか?
初の誕生は「1769年」と言われています。
発明したのは、フランスの「ニコラ・ジョゼフ・キュニョー」という将校です。
最初の自動車は、“蒸気で動く三輪自動車”であり、その使用目的は“軍隊の大砲を運搬するため”と言われています。
この初めての自動車は、スピードは5km/h~10km/hしか出なかったといいます。
このことから、操作性がかなり悪く、パリ市内での実験走行中に壁に激突してしまったそうです。
これが、“世界初の自動車事故”と言われています。
この後、多くの自動車が生産されていくこととなりますが、この人物がいなければ、もしかしたら自動車の開発はもっと遅れていたかもしれません。
ちなみに、この頃の日本は江戸時代であり、「徳川家康」が江戸幕府を開いた時代となります。
電気・ガソリン車は、いつ頃・誰が誕生させたの?
まず、それぞれの誕生の歴史をご紹介しましょう。
◆「ガソリン車」 :1885年~1886年
このことから、意外にもガソリン車の方が歴史が浅いこととなります。
ガソリンエンジンの基礎になるエンジンが発明されたのは「1876年」であり、ドイツの発明家である「ニコラス・オットー」が発明したと言われています。
(そのエンジンの名は、「オットーサイクル」と呼ばれる)
その後、このオットーのエンジンを改良して新たな自動車が開発されました。
そのガソリン車の中心的な役割を担うのは、ドイツ人技術者の「カール・ベンツ」と、「ゴットリープ・ダイムラー」です。
名前に“ベンツ”とある通り、このお二人は「メルセデス・ベンツ」の創始者でもあります。
ただし、両者はあくまで“ガソリン車誕生の立役者”であり、そのガソリン車を大衆に普及させた人物は他にいます。
それが、アメリカ人の「ヘンリー・フォード」です。
大衆の車として人気を博したのは、1908年に誕生した「T型フォード」です。
その後、ガソリン車もどんどん大衆に普及されるようになっていったのです。
ちなみに、1885年~1886年ごろの日本は、「明治時代」です。
この後、自動車産業は大きく発展した
ガソリン自動車が誕生すると、改良と技術開発が行われ、驚くほどの進化を遂げていくこととなります。
ただし、このころの自動車はとても高価なものであり、所有できるのはごく一部の富裕層のみがほとんどでした。
そして、1900年代の初めは、まだ「蒸気」が主流だったのです。
そんな中で、フランスの「ド・ディオン・ブートン」が多くのガソリン自動車を販売しました。
その後、上記でご紹介した「ヘンリー・フォード」および、彼が生み出した「T型フォード」によって、一般市民への普及が一気に進められることとなったのです。
というのも、T型フォード以前の自動車は、一台ずつ手作業で生産されていたのです。
しかし、T型フォードの改良により、コンベアラインでの流れ作業での組み立てが可能となり、“大量生産”が確立されていくこととなります。
日本の車文化はいつから始まったの?
始まりは、明治~大正時代にかけてである
日本における自動車文化の始まりは、「明治時代」とされています。
フランスの「パナール・ルヴァソール」というガソリンエンジン車が、海外から持ち込まれたのです。
その後、日本でも自動車の製造が進められていくこととなります。
◆1907年:ガソリン車の実用化
が、それぞれされていくこととなります。
ちなみに日本初の乗用車の名前は「ダット」と呼ばれています。
その後「オートモ号」という車が開発され、本格的な生産を開始していくこととなります。
その後も進化は続けていく……
昭和に入ると、現代でも活躍を見せる自動車業界が設立されていくこととなります。
◆1933年:「豊田自動織機製作所自動車部」→トヨタ自動車の前身である
ただし、1939年~1945年は「第二次世界大戦」が勃発しており、長い年月をかけて進化してきた産業も一時低迷してしまうこととなります。
この頃は軍事用の車両が多く生産されるようになり、「軍用ジープ」もこの時に誕生したと言われています。
そして、乗用車の量産が始まったのは「1960年代以降」になってからとなります。
1960年代~2000年代の日本車を進化を簡単にご紹介していきましょう。
これまでは欧米の車両を参考にしていたが、この頃から日本独自の車両が開発されていく
【1970年代】
排気ガスによる大気汚染問題が顕著になり、審査基準が高まる
この時、ホンダが開発した「CVCCエンジンが、厳しい基準をクリアする世界初のエンジンとなった」
【1980年代】
◆エンジンの電子制御
◆樹脂製のバンパーの採用
など、現代の日本車につながる進化が起こり始める
(日本車のスポーツカーも多く誕生した)
【1990年代】
◆エアバック
◆ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)
◆衝突安全ボディ
など、車の安全性能が飛躍的に向上する
また、「カーナビゲーションシステム」が誕生したのもこの年である
【2000年代】
エコカー全盛時代であり、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車などの研究開発が加速した
また、車の安全性能もさらに進化している
このように、進化は時代とともに進んでいき、日本の基幹産業となるまでに進化していったのです。
今後、車の未来はどうなっていくのか?
自動車産業は、今現在もどんどん進化を続けています。
◆電気で走る「電気自動車」
◆水素で走る「燃料電池車 FCV」
また、海外では「空を飛ぶ車」なども開発されています。
特に自動運転機能付きの車は、各自動車メーカーがこぞって力を入れており、そう遠くない未来には全ての車が“完全自動運転”になる日がくるかもしれません。
また、上記の通り「エコカー」の開発もどんどん進化が進んでおり、いすれはガソリン車の衰退も予測されています。
ただ、こちらはまだまだ解決しなければいけない課題も残されています。
その解決すべき課題とは、以下のようなものです。
◆燃料供給などのインフラ整備の確立
上記が解決すれば、いずれはエコカーの利用がガソリン車を超すこととなるでしょう。
まとめ
さまざまな苦難を乗り越え、進化を続けてきた自動車産業。
そして、その進化は今現在もとどまることなく、自動車産業は新たなステージへと歩を進めています。
現在は、安全面や環境に配慮した技術力を高め、日本車は世界をリードする立場にもなっています。
また、エコカーの登場により、ガソリン車は衰退する可能性もあるともいわれています。
(逆に上記の理由から、ガソリン車の需要はこれからも長く続くともいわれている)
なんにせよ、自動車産業はこれからも進化を続けていくことは間違いありません。
車が誕生して、2022年で「253年」も経つことになります。
空飛ぶ車も開発されていることから、私たちが思い描いていた未来は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。
ただの設計図が、実物となって目の前に現れる日も近いと言えるでしょう。