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「自転車」は車両なの?運転時に注意すべき交通ルールと運転マナーについて解説します!

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移動手段の一つとして古くより利用され続けている、「自転車」

新型コロナウイルス感染症が蔓延してからは、特にコロナ対策の一つとして活用する機会が多くなった人もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、利便性が高い一方で、自転車の交通ルールをきちんと把握していない人もいます。

自転車による大小さまざまな交通事故も発生しており、自分や周囲の人々を守るためにも、より運転に対して注意を払っていかなくてはいけません。

自転車を運転する際に守るべき、交通ルールや運転マナーとはなんなのか。

今回は、この点について詳しくご紹介をしていきたいと思います。

自転車って「車両」なの?


意外と勘違いしやすい人が多いのが、「自転車は車両である」という点です。

つまり、“クルマの仲間”なのです。

道路交通法では、車両などの区分は「歩行者」「軽車両」「原動機付自転車」「自動車」に分けられています。

自転車は、上記「軽車両」に分類されるのです。

もちろん、駆動補助付き自転車(いわゆる電動アシスト自転車)も「軽車両」に分類されます。
(原付バイクは「限度機付き自転車」に分類されるため、軽車両ではない)

そのため、他の車両と同様に、道路標識のあるところではその標識に従わなくてはいけません。

「車両通行止め」の標識があれば通行できませんし、「車両進入禁止」の標識があれば侵入できません。

ただし、標識の中には「軽車両を除く」「自転車を除く」という補助標識が掲げられていることがあります。

この場合は、自転車(軽車両)はその標識に従う必要はありません。

例えば、以下のような「一方通行」の標識の下に「自転車を除く」と補助標識が掲げられていれば、自転車はこの区間を逆走することができるのです。

また、以前の記事で「飲酒運転」について解説しましたが、飲酒後の自転車の運転も法律で禁止されています。

自転車は「軽車両」であるため、違反の対象となり、発見されれば処罰の対象となります(詳細は上記記事にて)。

ただし、自転車に乗らずに押して歩く場合には「歩行者」として扱われます。

この場合は飲酒運転には該当しませんので、もし飲酒後に自転車を持ち帰らなければならない場合は、乗らずに押して歩くようにしましょう。

「信号機」はどのように従えばいいの?

軽車両は、原則として「車両用信号機」に従わなければいけません。

ただし、「歩行者信号機」の中には、「歩行者・自転車専用」と表示されているものもあります。

その場合は「歩行者信号機」に従って、自転車横断帯を通行しなければいけません。

守るべき「交通ルール」とは?

「自転車安全利用五則」について

警察庁が、自転車の乗る際に守るべき交通ルールを分かりやすく伝えるため、特に重要なものを5つにまとめた基本的なルールが存在します。

それが、「自転車安全利用五則」です。

その内容は、以下の5項目となります。

①車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
②交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
③夜間はライトを点灯
④飲酒運転は禁止
⑤ヘルメットを着用

順に、補足を加えていきます。

ルール①:車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先

ここまでにご紹介した通り、「自転車=軽車両」という扱いのため、歩道と車道の区別があるところは“車道通行”が原則となります。

もし違反した場合は、罰則として「3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と記されています。

車道を走る場合は自動車と同じ「左側通行」であり、基本的に白線の外側(歩道者寄り)を走ることとなります。

ただし、以下のように例外的に歩道を通行できるケースがあります。

◆歩道に「普通自転車歩道通行可」の標識などがあるとき
◆13歳未満の子ども、または70歳以上の高齢者、身体の不自由な方が自転車を運転しているとき
◆車道や交通の状況から鑑みて、やむを得ない場合
(道路工事や連続駐車などで通行困難な場合や、車の交通量が多い・車道の幅が狭いなどで接触事故の危険性がある場合)

尚、例外的に歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければなりません。

もし上記を破った場合は、罰則として「2万円以下の罰金又は科料」が科されることとなります。

また、歩道はあくまでも「歩行者優先」です。

上記の通り、13歳未満の子どもなど一部の人は歩道を通行できますが、あくまでも歩行者優先である点には変わりありません。

この点には、十分注意しておきましょう。
(お子さんにもしっかりと教えてあげてください)

ルール②:交差点では信号と一時停止を守って、安全確認

上述で記載の通り、道路を通行する際は、「車両用信号機」もしくは「歩行者信号機」に従わなくてはいけません。

「歩行者信号機」に従う際は、「車両用信号機」のように黄色信号がありません。

ただし、「歩行者用信号機」には“青色信号の点滅”があります。

これが、いわゆる“車両用信号機の黄色信号と同じ”意味合いを持つため、点滅時は原則として一時停止をしなければいけません。

また、一時停止標識のある場所や踏切などでは、必ず一時停止して左右の安全を確認してください。

もし、上記が守れなかった場合、罰則として「3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」が科せられることがあります。

ルール③:夜間はライトを点灯

無灯火の場合、歩行者や自動車など、他から自転車が見えにくくなるため非常に危険です。

安全のために、夜間は「ライトを点灯する」「反射機材を備える」などして、安全に自転車を運転するようにしてください。

また、これが守られなかった場合の罰則として、「5万円以下の罰金」が科せられることがあります。

ルール④:飲酒運転は禁止

上述でも記載した通り、飲酒後の自転車運転は法律で禁止されています。

また、「飲んでいる人に車両を貸す」「運転の予定がある人にアルコールを飲ませる」「運転手が酒気を帯びていることを知りつつ運転させる」ことも、禁止されています。

これらが守られなかった場合、罰則の対象となる可能性があるのです。

飲酒運転には、「酒気帯び運転」「酒酔い運転」の2種類が存在します。

罰則の対象は「酒酔い運転」であり、その内容は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります。

現時点では、「酒気帯び運転」は罰則の対象にはなっていません。

しかし、「処罰の対象ではないなら、自転車を運転していい」という理由にはなりません。

道路交通法で自転車の飲酒運転は禁止されているため、そのルールを破った時点で“違法行為”となるのです。

そもそも、仮に交通事故を引き起こしてしまれば、自身はもちろん周囲の無関係の人にも危険が及びます。

下手をすれば、自分の人生を棒に振る可能性だってあるのです。

「大げさな……」と思う人もいるかもしれませんが、実際に自転車による交通事故で命を落としてしまうケースもありますので、飲酒後の自転車運転は絶対に止めるようにしてください。

ルール⑤:ヘルメットを着用

「転んで頭を打って大怪我につながる」……ということがないように、事故による被害を軽減させるため、自転車を運転する際にはヘルメットを着用する必要があります。

特に、児童や幼児などの成長過程の子どもは、身体の重心位置が不安定で、転倒した際に東部に重大なダメージを受けることがあります。

子どもが自転車に乗るときはもちろん、幼児を幼児用シートに乗せるときにも、幼児用ヘルメットの着用を徹底しておいてください。

また、ヘルメットの着用は、子どもだけでなく大人も同様です。

現時点では”努力義務”ではありますが、今後はどのように法律が変更されるか分かりません。

「格好悪い……」と感じる人もいるかもしれませんが、バイクであってもヘルメットの着用は義務付けられています。

すべては、「自身を事故から守る(頭部を守る)」ために必要なものなのです。

できる限り、乗車用ヘルメットをかぶって、自転車を運転するようにしましょう。

守るべき交通ルール(交通マナー)は他にも存在する

上記でご紹介したのは「自転車安全利用五則」であり、基本的かつ特に重要なルールをまとめたものとなります。

しかし、それ以外にも守るべき交通ルールは存在します。

例えば、「二人乗り」(罰則:5万円以下の罰金など)や「並進」(2万円以下の罰金または科料)などは禁止されており、記載の通りルールを破れば罰則を受ける可能性があります。

また、昨今で特に多いのが、「片手運転」「イヤホンやヘッドホンの使用」です。

まず前者の「片手運転」に関しては、スマートフォンや携帯電話を操作しながらの「ながらスマホ」が、特に問題となっています。

また、「傘さし運転」も大変危険です。

どちらも、「周囲を見ていない(視界が遮られる)」「バランスを崩しやすい」といった理由から、事故に合う危険性が高まってしまいます。

尚、片手運転を行ってしまうと、罰則として「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金等」が科せられる恐れがあります。

そして後者ですが、こちらも近年問題となっている「イヤホンやヘッドホンを使用しての自転車運転」です。

音楽に気を取られて注意力が散漫になったり、後ろから近づいてくる自動車の音(というより周囲の音)が聞こえづらくなったりして、事故に遭う危険性が高まっています。

都道府県によっては、この行為を禁止している場合があり、「危険行為(安全運転義務違反)」にあたる場合もあります。

どれをとっても安全運転とは程遠い危険な運転となるため、自転車を運転の際には十分お気を付けください。

「宅配自転車」の交通ルールについて


誰でも気軽に乗れ、かつ小回りが利く自転車。

昨今は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための自粛生活の中で、「飲食宅配(フードデリバリー)」が急成長しています。

特に都市部での需要は非常に高く、宅配サービスの自転車を頻繁に見かけることも多いのではないでしょうか。

それと同時に、「交通ルールや道路交通法などお構いなしの粗暴な運転をする人もいる」と問題視もされています。

結論として、「宅配自転車であろうと、自転車を運転する以上は交通ルールは守らなくてはならない」であり、「一般的な自転車と交通ルールは同じである」となります。

(もちろん全員ではないが)なぜこのような粗暴な運転をする人が多いのかというと、「件数をこなすほどお金が稼げるシステム」となっているからです。

言い方を変えると、「多く稼ぐためには、1件の配達を短時間で済ませる必要がある」となります。

この宅配サービスは、その会社のアプリなどを通じて登録した人が、飲食店の従業員に代わってデリバリーを請け負うシステムです。

報酬額は距離によって変動はあるものの、基本的には「完全歩合制」であるため、件数をこなさなくてはお金を稼ぐことができません。

だからこそ、一件ごとの配達時間を短くし、数をこなしていく必要があるのです。

自動車やバイクのように、自転車には免許が必要ないため、道路交通法や交通ルール・マナーさえ知らない人も登録やデリバリーが可能……。

また、受取先や配達先の情報もアプリ経由であるため、スマートフォンを操作しながら走行する「わき見運転」も多く、これらが総合して社会問題として取り上げられるようになったのです。

中には、「なにがいけないのか……?」が理解できていない人もいるとか……。

もちろん、すべての配達員が無謀な運転をしているわけではなく、警察による取り締まりや注意も強化されてはいます。

また、社会問題としてニュースなどでも取り上げられているため、企業や運転手自身にも必要最低限の配慮やルールも徹底されるようになってきたようにも思います。

とはいえ、やはり問題視されていることも事実であるため、今後問題が続くようであれば、行政からのガイドラインや罰則強化などがある可能性も否定はできません。

なんにせよ、「交通ルールは守るべきもの」であり、交通事故が起こってからでは遅いことは確かです。

事故を未然に防ぐためにも、すべての運転手が注意し、安全運転を徹底していかなくてはなりません。

まとめ

自転車は、自動車原付以上に小回りが利く乗り物です。

また自動車や原付バイクのように「教習を受けて免許が発行されるものではない」ため、多くの人が独学(練習)で乗り方を学びます。

そのため、自転車の交通ルールや交通マナーが曖昧である人が多いのです。

しかし、法律上は「軽車両」であるため、守らなくてはならないルールがありますし、もしルールを破れば処罰の対象にもなってしまいます。

自転車による交通事故は、自身だけでなく周囲の無関係な人をも巻き込んでしまいます。

怪我だけでなく、下手をすれば命に関わる問題にまで発展することもあります。

そのため、自転車の運転には十分注意をし、事故のないよう安全運転を心がけてください。

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