「運転手」と一言でいっても、その種類は千差万別であり収入もさまざまです。
そんな運転手の中でも、「トレーラードライバー」は高収入で知られています。
それはなぜか?
理由は「大型免許」「牽引免許」という2つの高難度の免許を所持した上で携われる仕事だからです。
そして、この「牽引免許」には3つの種類が存在し、それぞれで運転できる車両が異なるのです。
今回は、この「牽引免許の種類」と「資格取得のメリット」について、詳しくご紹介をしていきます。
尚、「牽引免許の特徴・取得までの流れ・発生する費用」については、以前に別の記事にてご紹介しておりますので、以下にリンクを貼っておきます。
そもそも「トレーラードライバー」とはなにか?
概要
「トレーラードライバー」とは、「トレーラーを牽引(けんいん)して、目的地まで運ぶ運転手」のことを指しています。
そして「トレーラー」とは、コンテナ・車・二輪車などを乗せる“荷台”のことを言います。
多くの人が、街中で大きなコンテナや車などを乗せたトラックを見かけたことがあるでしょう。
あれが、「牽引自動車」と呼ばれるものなのです。
(運転席側を「トラクター」、荷台側を「トレーラー」と呼ぶ)
ちなみに、トレーラー部分はトラクターと分離できる仕組みになっており、コンテナ・車・二輪車以外にもさまざまな荷物を牽引して走行することができます。
例えば、建設機械や重機、ガソリンや液体窒素などの危険物を牽引することもあります。
必要な免許とは?
冒頭でも軽く記載した通り、トレーラードライバーとして働くためには、以下2つの免許が必要です。
◆「牽引免許」
ただし、上記で記載した「危険物」を運搬する場合には、別途「危険物免許」も必要となります。
「牽引免許」の種類とは?
免許は”3種類”存在する
トレーラーの運転に欠かすことのできない「牽引免許」ですが、免許は「車両総重量が750kgを超え、かつ自走しない(できない)車」を牽引する際に必要となるものです。
例えば、車両総重量が750kg未満となる「キャンピングカー」などは、牽引免許を必要とせず「普通自動車免許」のみで運転することができます。
とはいえ、仕事で何かを牽引する場合は、ほとんどのものが750kgを超えてしまうでしょうから、牽引免許はほぼ必須と捉えても問題はありません。
そして、この「牽引免許」には、以下3つの種類が存在します。
◆「牽引第二種免許」
◆「牽引小型トレーラー限定免許」
免許が異なる通り、それぞれの免許で運転できる車両も異なります。
以下で、それぞれの違い・特徴をご紹介していきましょう。
「牽引第一種免許」とは?
一般的に「牽引免許」といえばこの免許を指しており、もっともメジャーな免許です。
(3種類の中でもっとも取得率が高い)
上記でもご紹介した通り「750kgを超える車両重量の貨物トレーラーなどを、車両と連結して引っ張りながら運転する際に必要となる免許」です。
仕事で必要とすることはもちろん、非営利のナンバー車両(例えば750kgを超えるキャンピングカーなど)を運転する際にも必要となります。
尚、取得条件は、「満18歳以上」であることと、「運転する車に対応した運転免許(※)」を取得していることです。
(※普通・中型・大型などの免許)
そして、以下の検査にも合格しなければいけません。
◆「深視力」:2.5mの距離で3回検査し、その平均誤差が2cm以下であること
◆「色彩識別能力」:交通信号機(青・黄・赤)の色が識別できること
◆「聴力」:10mの距離で90dbの警音器の音が聞こえること(補聴器も使用可)
◆「運転」:自動車の運転に障害を及ぼす身体障碍がないこと
クリアしなければならない項目は多いものの、眼鏡や補聴器なども使用できることから、基本的には“健康体”であれば問題なくクリアできるものばかりではあります。
尚、こちらの合格率は「約80%」と言われています。
「牽引第二種免許」とは?
結論から言うと、この免許の取得条件は「第一種よりも厳しく定められている」こととなります。
その理由は「営利目的で、人を乗せて運ぶことができる」からです。
どういった場面で利用されるのか?
それは「トレーラーバス(観光バス)」がもっともイメージしやすいのではないでしょうか。
これは電車のように車両を連結できるバスのことで、この運転に必要な免許となるのです。
こちらの取得条件は、「満21歳以上」「第一種運転免許のいずれかを取得後、通算3年以上が経過している+第一種免許or第二種運転免許を受けている」ことが求められます。
上記に加え「牽引第一種免許」と同じく検定にクリアすることで、条件を満たすことができるのです。
ちなみに、「第一種運転免許」「第二種運転免許」の種類は、以下のようになっています。
◆大型自動車免許
◆中型自動車免許
◆準中型自動車免許
◆普通自動車免許
◆大型特殊自動車免許
◆大型自動二輪車免許
◆普通自動二輪車免許
◆小型特殊自動車免許
◆原動機付自転車免許
※「牽引第一種免許」も含まれる
「第二種運転免許」
◆大型自動車第二種免許
◆中型自動車第二種免許
◆普通自動車第二種免許
◆大型特殊自動車第二種免許
※「牽引第二種免許」も含まれる
最後にこちらの合格率ですが、第一種よりも格段に低く「約20%」と言われています。
「人乗せて運ぶ=乗客の命を預かる仕事」であるため、合格難度がより高く設定されているのです。
「牽引小型トレーラー限定免許」とは?
この免許は「ライトトレーラー免許」とも呼ばれており、積載総重量が“750kg~2,000kg以下”のトレーラー限定で牽引できる免許のことを指しています。
ただし上2つと違い、この免許は「自動車教習所」では講習や試験を受けることができません。
取得したい場合は、事前に「運転免許試験場」に連絡をいれ、「試験車両」を持ち込まなくてはなりません。
当然、受検者は運転ができないため、牽引免許を所持している人にトレーラーの運転をお願いし、運んでもらう必要があります。
上記2つとは毛色が異なるため、注意しておきましょう。
牽引免許を取得する”メリット”とは?
資格を取得する最大のメリットは、やはり「給与・キャリアアップのため」でしょう。
そもそも大型トラックドライバーは、給料が良い(高い)ことで知られていますが、トレーラー運転手にもなれば運べる車両数や荷物の量が増え、さらなる高収入が望めるようになります。
当然ながら業務の幅も増えるため、“収入”だけでなく“スキルアップ”も同時に叶えることができます。
加えて、第一種を取得しておけば、アウトドアが趣味の方でしたら、大きなキャンピングカーやボートも運搬できるようになります。
第二種を取得すれば、観光地でバス運転手としても活躍することができるでしょう。
仕事はもちろん、ライフスタイルの充実にも役立てることができるので、関心がある方はぜひ資格取得に向けて動き出してみてください。
まとめ
以上が、「牽引免許の種類・取得のメリット」に関するご紹介となります。
今回の記事、そして前回の記事でもご紹介した通り、この免許は種類に応じて「取得方法」「特徴」「試験の費用や内容」が異なります。
しかし総じて言えることは、一度取得すれば「運送業や物流業界で長く活躍ができる」「給与アップが望める」「キャリアアップができる」ということに繋がります。
取得難度は(特に第二種は)なかなかに高いですが、それに見合うだけの価値のある免許とも言えます。
関心がある方は、ぜひ知見を広げて、資格取得に向けてその一歩を踏み出してみてください。
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