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「板金塗装」ってなに?どこに依頼すればいい?DIYは可能なの?

この記事は約9分で読めます。

事故などで愛車を傷つけてしまった場合、「板金塗装」を行うのが一般的です。

傷ついた車を修復するために必要不可欠な作業ですが、いろんな業者で受けることができることもあって「どこに依頼すればいいのか分からない」と感じる人もいるのではないでしょうか。

また、板金塗装をDIY……つまり自分で修復を行うことは可能なのでしょうか。

今回は、この「板金塗装」について、詳しくご紹介していきたいと思います。

「板金塗装」ってなに?

車の外装は意外と傷つきやすい……!?


「車は頑丈にできている」というようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、意外とそうでもありません。

頑丈にできているのは骨格部のみであり、ボディ自体は軽量化のために薄く圧延した鋼板が使用されています。

そのため、どれだけ注意して運転していたとしても、外装に傷がついてしまうのは避けようがないトラブルの1つなのです。

またボディの塗装は何層もの塗装層で形成されていますが、層には非常に繊細な塗装が施されており、意外と簡単に傷ついてしまいます。

“傷・へこみが付く=事故を起こしたとき”とイメージされる方もいるかもしれませんが、原因は事故だけとは限りません。

走行中に発生する砂埃や洗車時の磨き傷、ひっかき傷・擦り傷・へこみ傷、果ては乗車の際に荷物をぶつけるだけでも傷やへこみはできてしまうため、ボディを傷つける原因は非常に多いのです。

修理は「板金」と「塗装」を行う

上記の通り、車が傷ついたりへこんだりしたときに行われる「板金塗装」

これは、「板金」「塗装」という2つの作業からなる修理方法のことを指しています。

まず車における「板金」とは、傷ついたりへこんでしまったり、経年によって老朽化・変形してしまったボディを修理する技術のことをいいます。

この修理作業を行う中で塗装をはがすことが多く、作業後に塗装して元通りにすることが多いことから「板金塗装」と一括りにまとめられているわけです。

ただし、もともとの色にできるだけ近づけるよう調色するものの、熟練の職人であっても100%同じ色にするのは不可能だといわれています。

一般的には、塗装した部分が目立たないように”ボカシ”を施して仕上げていきます。

ちなみに、単に”塗る”だけではなく、以下のような複数の工程を合わせて「塗装」と呼ばれます。

◆パテで下地を整える
◆塗料を調色する
◆凹凸やゴミを除き仕上げる

また「塗装」にも種類があります。

例えば、ドアのパネルのように一枚まるまる塗装することを「全体塗装」といい、部分的な塗装をすることを「部分塗装」といいます。

当然、塗装する範囲が狭くなるため、部分塗装の方が費用は安くなる傾向にあります。

「板金」の具体的な作業について

もう少し、板金作業について掘り下げていきたいと思います。

板金作業は、以下の3つに大別されます。

◆「外板板金」  :外側のパネル(金属)を元通りにする作業のこと
◆「内板骨格修正」:事故などの衝撃が比較的大きく、外側に加えて骨格(フレーム)にまで歪みなどが及んでしまった場合に行う作業のこと
◆「パネル取替」 :パネル自体を取り替える作業のこと

軽微な傷やへこみなら「外板板金」で対応することが可能ですが、事故などの衝撃が大きく破損が著しい場合は「内板骨格修正」や「パネル取替」などが行われます。

傷やへこみを放置しておくとどうなるの?


「ちょっとくらいの傷やへこみなら放っておいても大丈夫かな……?」と考える人もいるかもしれません。

特に業者に依頼すると修理費用が発生するため傷を放置するケーズも珍しくはありませんが、放置するのはあまりオススメはしません。

理由は大きく2つあります。

一つは「ボディの傷を放置するとサビの原因になり、進行すると骨格部にまで影響を及ぼす可能性がある」からです。

“サビの発生=車の資産価値が低下する”ことを意味するため、放置せず修理を試みた方が良いかと思われます。

もう一つは、「ちょっとした傷やへこみでも、内部がどうなっているかは分からない」です。

表面上は大したことがないように見えても、内部が大きく破損している可能性だって否定はできないのです。

小石をぶつけたくらいの本当に軽い傷であれば傷けしワックスなどで誤魔化すこともできるでしょうが、「ぶつけてしまった」などの傷が深い場合は放置せず・自分でどうこうしようとせずに業者に依頼するのが適切かと思います。

どこに依頼すればいいの?業者ごとの特徴について


愛車に傷やへこみが付いたら、念のためにも業者に修理を依頼するのが得策です。

ただ、いろんなお店があるので「どこに依頼すればいいのか分からない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

依頼先の候補としては、以下の3つが挙げられます。

◆「ディーラー」
◆「自動車整備工場」
◆「カー用品店」

以下に、それぞれの特徴を解説していきます。

「ディーラー」

ディーラーとは、「特定の自動車メーカーと特約店契約を結んだ販売業者」のことをいいます。

特約店契約を結んでいる自動車メーカーのものしか取り扱いをしていませんが、メーカーの純正品を使用して修理を行ってくれるため、安心して修理を依頼することができます。

メーカーの場合は、“自社工場で作業を行う”場合と、“外部工場へ外注する”場合の2パターンがあります。

ディーラーを利用する場合の注意すべきことは、「純正品を使用するため、費用が高くなりやすい」という点です。

「費用が高くなっても構わない。純正部品を使って高クオリティな仕上がりをお願いしたい」という場合は、ディーラーに依頼するのがオススメです。

尚、ディーラーに関しては以前に別の記事にてご紹介をしておりますので、以下にリンクを貼っておきます。

「自動車整備工場」

自動車整備の専門家が集まる「自動車整備工場」も、高いクオリティでの仕上がりを期待することができます。

ディーラーを通さずに直接依頼すれば中間手数料がかからないですし、純正品ではなく互換品やリサイクルパーツを使って修理を行うこともありますので、ディーラーよりも費用を安く抑えることができる場合があります。

ただし、“自分で良い整備業者を見つけなくてはならない”という注意点もあります。

ディーラーの場合は自動車メーカーから直接指導を受け運営をすることになるので、サービスの質はどんなお店であっても一定以上の水準が保たれています。

しかし整備工場の場合は、規模もサービスの質も工場によって異なりますのでお店選びには十分注意しなくてはいけません。

また、互換品やリサイクルパーツを使って修理を行った場合、以後はディーラーの補償を受けられない可能性もあります。

自動車整備工場についても、以前に別の記事にて詳細をご紹介しておりますので、以下を参照いただければと思います。

「カー用品店」

カー用品店でも、板金塗装を行ってくれる場合があります。

全国に広くチェーン展開しているので、いつでもどこでも利用しやすいのがメリットです。

値段も比較的リーズナブル。ただし、傷の大きさや種類によっても価格が異なるので、見積もりを取ってから依頼するかを決めてみてください。

補足となりますが、「ガソリンスタンド」でも板金修理を行っている場合がありますので、給油ついでに聞いてみるのもいいかもしれません。

ただし、最近はセルフのガソリンスタンドも増えてきていますし、難易度が高い板金作業は対応していないこともあります。

カー用品店もガソリンスタンドも、店舗によっては自動車修理工場に外注していることもあるため、その場合は修理費用が高額になる可能性もあります。

板金修理ができる場合であっても、情報収集はしっかりしたうえで利用するかどうかを決めてみてください。

かかる費用はどのくらい?自動車保険は適用されるの?

板金塗装に掛かる費用ですが、依頼する業者によっても変わりますし、修理対象となるパーツによっても異なります。

パーツごとの相場としては、以下が挙げられます。

◆ドアミラー:7,000円~
◆バンパー:20,000円~
◆サイドドア・フロントフェンダー・リアフェンダー:30,000円〜
◆ボンネット・バックドア:50,000円~

基本的には、パーツが小さくなるほどに安くなり、逆に大きくなるほどに高くなる傾向があります。

費用については、(可能であれば)いろいろな業者に見積もりを取ってもらい、比較対象したうえで依頼するところを決めるのが良いと思います。

そして「自動車保険」に加入していれば、板金塗装も保険金で修理代をまかなえる場合があります。

ただし、注意点が2つあります。

1つは、「適用されるかどうかは、加入している自動車保険の補償内容による」という点です。

補償範囲外であれば、当然保険適用外となります。

もう1つは、「保険を適用すると翌年度の等級が下がる=保険料が高くなる」ということです。

修理費用によっては、実費で支払った方がトータルでお得になる場合もあります。

修理費用と翌年度の保険料をしっかり確認したうえで、どちらがお得かを判断してみてください。

「DIY」は可能なの?

結論としては、“DIYは可能”です。

大型カー用品やオンラインストアなどでは、非常に多くのDIYキットが販売されており、板金修理用のキットも豊富に取り扱われています。

小さく・軽微な傷やへこみであれば、これらを使って自分で修理するのも良いかもしれません。

ただし、「素人にできることには限界があるため、少しでも不安があるならプロの整備業者に依頼するのが得策である」とはいえます。

特に注意しなければいけないのが、「DIYに挑戦して、ダメだったらプロに依頼しよう」という場合です。

もしDIY修理に失敗してしまった場合、DIY修理部分を隔離する必要があるため、依頼したプロの手間が増えることとなります。

また、失敗によって仮に車に余計なダメージを与えてしまった場合、さらに修理範囲が大きくなる可能性もあります。

手間が増える・修理範囲が大きくなるということは、=“すべて修理費用に反映される”ということになるため、下手にいじると修理費用が高くなってしまうのです。

もちろん、車や整備に関する知識・技術がある人ならば、自分で修理を行うのもアリです。

しかし少しでも不安があるならば、プロの専門家に依頼した方が、短期間・低コストで修理を行ってくれます。

状況や人によりけりではありますが、DIYを行うかどうかは、しっかりと検討を行ったうえで決定してみてください。

まとめ

傷ついたボディを美しく蘇らせるためには、板金塗装を行う必要があります。

板金修理や修理の仕上げに行う塗装には高い技術力が必要となるため、少しでも不安があるなら業者に依頼する方が得策だとは思います。

ただ、DIYも可能ではありますので、注意点をしっかりと把握したうえで、どちらを選択するかを決定してみてください。

尚、一番やってはいけないことは、「ボディの傷を放置する」ことです。

愛車の資産価値が低下することはもちろん、故障など別のトラブルに発展する可能性もありますので、傷が発生した場合は早急に対処することをオススメします。

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