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タイヤの「バースト」の原因とは?パンクとの違いや起こった際の対処法について解説します!

この記事は約9分で読めます。

タイヤの「バースト」は、走行時に起きる可能性があるトラブルの一つです。

それほど頻繁に起こるものではありませんが、起きた場合は大事故につながりかねないため注意が必要となります。

バーストが起こる原因とはなんなのか。

予防法、そして実際にバーストが起きた際はどう対処すればいいのでしょうか。

今回は、この「バースト」についてご紹介していきたいと思います。

「タイヤがバーストする」とはどういう意味なのか?


“バースト=破裂する”という意味であり、文字通り「車の走行中にタイヤが破裂してしまう現象」のことを指しています。

タイヤは車の中で唯一地面と接しているパーツであり、当然ながらタイヤなくして車が安全に走ることはありません。

“タイヤがバーストする=車のコントロールが効かなくなる”ということであり、交通事故に発展する危険性が高まります。

また、破裂した際の衝撃が大きく、他のパーツが傷ついたり破損したりする恐れもあります。

命にかかわる危険性があることはもちろん、修理に掛かる費用が高額になる場合も多いため、バーストには十分な警戒が必要となります。

「パンク」とはなにが違うの?

「バースト」「パンク」は同じだと思われがちですが、両者は似て非なるものです。

「バースト」は、走行中に突然タイヤが破裂し走行不可能な状態になる現象のことをいいます。

対して「パンク」は、徐々にタイヤの空気圧が下がり、少しずつ空気が減少する(漏れる)ことをいいます。

前者は「ボンッ!」という大きな破裂音とともにコントロール不能となるため、すぐに分かります。

しかし後者の場合は、少しずつ空気が抜けていくため、すぐに気が付かない場合もあるのです。

特に最近のタイヤは性能が向上しており、釘などの異物が刺さってもすぐに空気が抜けないような構造になっています。

そのため、パンクに気づかずにそのまま運転を継続し、後になって「タイヤの空気が抜けていた……」なんて可能性もあります。

どちらにしても異常事態であることは間違いありませんが、バーストの方が(コントロールが効かなくなる分)周囲を巻き込んだ大事故に発展する可能性が高い現象といえます。

ただし、発生頻度はパンクよりは低く、そう何度も遭遇することはありません。

もちろん「絶対にバーストしない」という保証もありませんが、日々の点検をしっかりと行っていれば、早々遭遇することはないはずです。

なぜバーストが起きるのか?その原因は?


タイヤがバーストする主な原因としては、以下の4つが挙げられます。

①「外部からの衝撃」
②「タイヤが劣化している」
③「空気圧が低下している」
④「過積載」

それぞれ、順に補足を加えていきます。

原因①「外部からの衝撃」

路肩の縁石など、障害物にタイヤがぶつかったときにタイヤに過度な衝撃が伝わって破裂する場合があります。

すぐにバーストしなかったとしても内部が損傷している可能性があり、サイドウォール(タイヤの側面)の一部がこぶのように膨らむことがあるのです。

この状態で走行をし続けてしまうと、最終的にバーストにつながる危険性があり、大変危険です。

原因②「タイヤが劣化している」

タイヤは消費期限のある消耗品であり、そのほとんどは“ゴム”でできています。

そのため、仮にまったく運転していなかったとしても徐々にタイヤは柔軟性を失っていき、どんどん硬化してしまいます。

また、熱や紫外線などの影響でも硬化し、放置しておくとタイヤの側面にクラック(ひび割れ)が生じ、水や埃が侵入します。

走行させることはもちろん、放っておいてもタイヤはどんどん劣化してしまうのです。

劣化したタイヤを使い続けていると、バーストする危険性が高まるため注意が必要です。

タイヤの寿命を理解し、時期が来たら交換をしてあげることをオススメします。

尚、以前に「タイヤの寿命」についての記事も公開しておりますので、以下にリンクを貼っておきたいと思います。

原因③「空気圧が低下している」

バーストが発生する原因としてもっとも多いのが、「空気圧が低下している状態で運転すること」です。

※「空気圧」については、以下記事を参照ください※

車は、たった4本しかないタイヤによって支えられており、常にタイヤに車体の重さがかかっている状態となります。

いくら空気圧が正常であったとしても、時間が経てばどんどん空気が漏れていき、いずれは適正値よりも少なくなってしまいます。

この状態で高速道路などを走行すると、タイヤの表面が波状に変形する「スタンディングウェーブ現象」というものが発生します。

すると、タイヤが熱を持ち始め、補強材(コード)が壊れてしまいます。

これが、バーストを引き起こす原因となるのです。

ちなみに、空気圧が高すぎてもバーストが起こる原因にもなります。

気温が高いと、空気は膨張します。

暑い日に空気圧が高いまま走行してしまうと、地面との摩擦熱が内部に伝わりやすくなるのです。

空気圧は、低すぎても高すぎてもダメで、適正値を維持し続けることが大切なのです。

月に1度は点検を行い、適正な空気圧を保てるよう工夫してみてください。

原因④「過積載」

上記にも記載した通り、車はタイヤによって支えられています。

つまり、“車両が重くなるほどタイヤへの負担は大きくなる”のです。

車両には「最大積載量」が定められていますが、これを超えて荷物を積んでいるとタイヤに熱が加わり、タイヤ内部にある補強材(コード)が破損してバーストする原因となってしまうのです。

特に旅行や帰省時など、乗車人数が増えたり・荷物が多くなる際は過積載になりやすいため、注意が必要です。

バーストが起こる「前兆」について

まず、視覚的に確認できるのは、“タイヤの状態”です。

◆古いタイヤを使用している
◆ひび割れや傷などの劣化が激しい
◆スリップサインが出ている

この状態を放置しておくと、バーストだけでなくパンクの原因や乗り心地の悪さにも影響してくるため、早めにタイヤ交換を行った方が良いでしょう。

そして、走行中に発生する「スタンディングウェーブ現象」ですが、これが発生する=“バーストする前触れ”であるため、より注意が必要となります。

「車体が小刻みに振動し、その後大きな振動に変わる」「タイヤのゴムが焼けるような臭いが発生する」といった異変が発生するので、気付いたら無理に走行しようとせず、安全な路肩へ停車させることを意識してください。

バーストが起きたときの対処法について

できる限り、慌てず落ち着いて対処すること


まずバーストが起きた際に、タイヤや車がどうなるのか?についてです。

バーストするとタイヤが一気に破裂するため、側面のゴムが粉々に破れて周辺に飛び散ります。

また、タイヤの骨格となるワイヤーやコードもちぎれた状態となります。

このときの走行状態ですが、タイヤが破裂した際にハンドルが取られて、異常な振動を感じるようになります。

車体を制御しにくくなるので、慌てて急ブレーキを踏んだりハンドルを急に切ったりすると、死亡事故にもつながる危険性があるため注意が必要です。

もし万が一にもタイヤがバーストしてしまったら……?

突発的なアクシデントなので難しいことであることは重々承知しているのですが、それでも「慌てず、落ち着いて対処する」ことを意識してください。

「安全な場所に停車させる」ことだけを考えて行動すること

まずは、ハンドルを握ったまま少しずつスピードを落として、路肩などの安全な場所まで移動させてください。

できる限り冷静になって、とにかく「安全な場所に停車させる」ことだけを考えて行動してみてください。

このとき、慌てて急ハンドルを切ったり急ブレーキを踏んだりすると、二次被害にまで発展する恐れがあります。

また、タイヤがバーストした状態での走行は非常に難しく・危険です。

余計なことをせず・余計なことを考えず、とにかく「安全な場所に停車させる」ことだけを考えて行動してください。
(仮に目と鼻の先にガソリンスタンドなどがあったとしても、決して無理に自走しないこと)

そして、路肩などに停車できたら、車の後方に「停止表示板」を設置し、車から離れた状態でロードサービスの到着を待ちましょう。

ちなみに、ロードサービスを待たずに自身でスペアタイヤに交換することも対処法の一つではあります。

ただ、多くの人が冷静さを欠いている状態であることは間違いない(走行中にいきなりタイヤがバーストして焦らない人はそうはいない)ので、自分でどうこうしようとせずにロードサービスなどに対応をお願いするでもいいとは思います。

後続車に追突されるリスクもあるため、路肩でのスペアタイヤへの交換はもちろん、車内での待機も避けた方が無難です。

予防法について

バーストの発生を防ぐためには、日々の定期的な点検が欠かせません。

特に「タイヤの空気圧を適正に保つ」ことを意識し、できれば1ヶ月に1回は空気圧点検を行うことをオススメいたします。

タイヤの空気圧は、低すぎても高すぎてもダメで、適正値を保つことでその寿命を延ばすことができます。

ただし、空気圧の適正値は車種によって異なりますのでご注意ください(詳細はこちらにて)。

また、「タイヤの保管およびメンテナンス方法にも気を付ける」ことを意識してみてください。

タイヤは、熱・紫外線・雨水などに当たることで劣化が進みますし、タイヤのワックスが付着したまま保管していても劣化を早める要因となってしまいます。

前者は屋根がある場所やカバーをかけるなどする、後者はワックスを拭き取ってから保管をするなど、扱いには十分に注意しておいてください。

バーストしたタイヤは、修理できるの?

結論からいうと、バーストしたタイヤは修理することはできません。

パンクの場合は“穴が開いているだけ”なのでパンク修理キットや業者に依頼することで修理できる場合もありますが、“バースト=タイヤが破裂している状態”となるため、修理のしようがないのです。

バーストしてしまった場合は、タイヤそのものを交換する必要があります。

また、“バースト=大きな衝撃が発生する”ことにつながり、タイヤとは別のパーツも損傷・破損してしまう可能性があります。

そうなると、損傷・破損個所の修理も必要となってしまい、修理費も高額となります。

ちなみに、「タイヤの被害は車両保険の補償対応となるのか?」という点ですが、残念ながら“タイヤだけの被害では車両保険の対象外”となります。

タイヤも車を構成する重要なパーツであることは間違いないのですが、車両の中で“もっとも自然消耗で破損しやすい部分”であるため、タイヤ単独の被害では車両保険の対象外とされているのです。

ただし、あくまで“タイヤ単独の場合に対象外となる”であり、その他のパーツも損傷・破損して修理が必要な場合は、保険の対象となる場合もあります。

とはいえ、加入している車両保険の設定範囲によっても異なることとなるため、車の所有者が各々でしっかりと事前確認を取ってもらった方が賢明かと思います。

まとめ

以上が、タイヤの「バースト」についてのご紹介となります。

この故障は、車が走行できなくなるだけでなく、周囲を巻き込んだ大事故につながりかねないため非常に危険です。

定期的な点検をしっかりと行い、加えてタイヤの正しい保管方法を理解して、事故を未然に防げるよう工夫してみてください。

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