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「マウンテンバイク」ってどんな自転車?街乗り時の注意点やクロスバイクとの違いについて解説します!

この記事は約12分で読めます。

一時期大ブームを巻き起こした自転車である、「マウンテンバイク」

近年は「クロスバイク」や「ロードバイク」が注目を集めがちではありますが、もちろん今でもマウンテンバイクの需要はあります。

どちらかというと、普段使いならクロスバイク、山道も走るならマウンテンバイクのようなイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マウンテンバイクにはどんな特徴があり、クロスバイクとはなにが違うのか。

今回は、こういった点について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

尚、「ロードバイクとクロスバイクの違い」について、以下記事を参照ください。

「マウンテンバイク」とはなにか?

概要


“マウンテン”という名がついている通り、「山を走るための自転車」として開発されたのがマウンテンバイクです。

砂利・急勾配・段差などがたくさんある、いわゆる「オフロード(未舗装路)」を走ることに特化した自転車なのです。

ちなみに、山にもいろいろな斜面や登山コースがあるように、それに合わせてマウンテンバイクにも多くの種類が存在します。

最大の特徴は「サスペンション」を有していること

マウンテンバイク最大の特徴は、衝撃を吸収する「サスペンション」機能が付いている点が挙げられます。

その種類は、以下の3つに大別されます。

一つは、フロントとリアにサスペンションが装備された、「フルサスペンション」と呼ばれるものです(略して「フルサス」と呼ばれる)。

マウンテンバイクは、フロントにサスペンションが装備されていることがほとんどなので、“リアサス装備車=フルサス”と考えてもいいかもしれません。

もう一つは、前輪にのみサスペンションが装備された、「ハードテイル」というものです。

「ハード=硬い」「テイル=尾=後ろ」という意味であり、リアにはサスペンションが装備されていません。

実は、サスペンションは故障の原因になりやすく、リアサスが無い=故障のトラブル回避や軽量化できるなどの利点があるのです。

そして、最後にご紹介するのは、サスペンションがない「フルリジット」と呼ばれるタイプです。

リジットというのは、「固定されていて動かない、堅固なさま」という意味で、このタイプには前後どちらにもサスペンションが搭載されていません。

マウンテンバイクだからといって、実はすべてのマシンにサスペンションが装備されているわけでもないのです。

サスペンションというのは、衝撃を吸収するというメリットがある一方で、「地面からの振動が伝わりづらい」というデメリットが存在します。

要するに、「ペダルから地面へ力が伝わりづらい」のです。

フルリジットの特徴は、“路面の変化や状況を敏感に察知することができる”という点にあります。

その他の特徴について

他の自転車とは異なる特徴として、他には以下のようなものが挙げられます。

◆「ハンドルの幅が広い」
◆「タイヤが太い」
◆「ギア数が豊富にある」

順に補足を加えていきたいと思います。

「ハンドルの幅が広い」

一般的なシティサイクル……いわゆる“ママチャリ”と呼ばれる自転車のハンドルは、「セミアップハンドル」「アップハンドル」が採用されていることがほとんどです。

これによって、上体を起こしてゆったりと自転車に乗ることができます。

対してマウンテンバイクのハンドルは、まっすぐな「フラットハンドル」が採用されており、加えてハンドルの幅が広いのが特徴です。

ハンドルの幅が広くなることで、悪路を走ってもハンドルが安定しやすく、効率よくペダルに力を伝達することができるようになるからです。

「タイヤが太い」

クロスバイクやロードバイクの場合、「表面の凹凸が少なく、タイヤの幅が細い」ことがほとんどです。

対してマウンテンバイクの場合は、「ゴツゴツした凹凸があり、タイヤの幅が太い」ことが特徴に挙げられます。

このゴツゴツした太いタイヤは「ブロックタイヤ」と呼ばれており、もちろんブロックタイヤが採用されていることには理由があります。

その理由には、以下が挙げられます。

◆グリップ力が高い
◆パンクしづらい
◆地面からの細かい衝撃への吸収性がある

舗装されていない山道(=オフロード)などで利用する関係上、悪路にも対応しやすいタイヤが装備されているのです。

ただし、この手のタイプは舗装された道では一般的な自転車のタイヤよりも抵抗が大きくなってしまいます。

そのため、街乗りにも対応できるように、ブロックパターンが進行方向に沿ったものや、路面との接地面がスリックタイヤになっている「センターリッジタイヤ」「セミスリックタイヤ」というものも登場しています。

「ギア数が豊富にある」

マウンテンバイク・ロードバイクなどのスポーツバイクには、一般の自転車に比べてたくさんのギアが用意されています。

例えば、前ギア2段・後ろギア9段の18段変速など。

この理由は、フラットな道だけでなく、急な上り坂・砂地・砂の中など、さまざまなシーンに対応する必要があるためです。

特にマウンテンバイクは山道・砂地・土の上などさまざまなコースを走る必要性があるため、より幅広いギア比に対応できるようなつくりとなっているのです。

クロスバイクとマウンテンバイクの違いについて

両者は構造も性能も大きく異なる


マウンテンバイクがオフロードに長けた性能を有しているのに対して、クロスバイクはオンロード……つまり舗装された道を走ることに特化しています。

異なる性能を有していることから、当然構造も性能も大きく異なります。

最たる違いは、「タイヤの太さ」「ハンドルの幅」「サスペンションの有無」です。

【タイヤの太さ】
◆クロスバイク  :30mm~38mm
◆マウンテンバイク:50mm~

【ハンドルの幅】
◆クロスバイク  :450~500mm
◆マウンテンバイク:560~800mm

【サスペンションの有無】
◆クロスバイク  :なし
◆マウンテンバイク:前輪のみ、もしくは両輪に採用

特にタイヤは見ただけでも判断できるほど大きく異なり、マウンテンバイクの方が太くてゴツゴツしているのです。

その理由は、オフロードや山道でも安定して走るためです。

クロスバイクは、マウンテンバイクよりも細く、ロードバイクよりも太いものが採用されることがほとんどです。

この理由は、街中での段差や溝にも対応できる安定感と、スピードを両立させるためです。

ちなみに、「装備」や「値段」も両者で異なることとなります。

装備に関してはどちらもスポーツバイクであるため、ライトや泥除けなどの装備は基本的に標準装備されていません。

理由は、軽快な走り心地のために軽量化を重視しているからです。

しかし、クロスバイクは普段使いを想定して作られていることもあって、普段使いに対する拡張性が豊富に存在します。

かご・ライト・泥除けなどを後からつけることができますし、ものによっては最初から装備されて販売されているものもあります。

マウンテンバイクにも取り付けられるパーツは存在しますが、装備の充実度的にみると、実用的なのはクロスバイクといえます。

値段に関しても、マウンテンバイクよりもクロスバイクの方が相場価格は低く設定されています。

もちろんピンからキリまであるので一概にはあてはめられませんが、例えば普段使い用のクロスバイクであれば、2万円~購入できるものもあります。

対してマウンテンバイクの方は、安くても5万円以上は必要です。

マウンテンバイクの方が高価な理由は、「オフロード走行にも耐えられる頑丈な車体や高い性能を備えているため」です。

このように、見た目こそ似ている自転車ですが、性能・構造・値段には大きな違いがあるのです。

では、実際に購入するとなった場合、どちらを選択すればいいのでしょうか?

結論をいうと、「用途や目的に合わせて選択すべし」となります。

街乗りや普段使いには「クロスバイク」がオススメである

例えば、「通勤・通学のために自転車を購入したい」というような、街乗りや普段使いを希望する方にはクロスバイクの方をオススメします。

ロードバイクのような走行性、シティサイクルのような拡張性、そしてマウンテンバイクのような安定性……。

高い走行性能とスタイリッシュな外観を兼ね備えるだけでなく、実用性も有しているのがクロスバイクの最大の特徴といえます。

細すぎず・太過ぎないタイヤを装着しているため、平坦なロ総道路であればある程度の高速走行が可能ですし、未舗装路であってもある程度は安定して走れます。

道路上に引かれた白線やちょっとした段差でバランスを崩すこともありません。

また、その気になれば軽いスポーツ走行をこなすこともできるため、フィットネスのために役立てることもできます。

値段もリーズナブルで、スポーツバイク初心者の方にもとっつきやすいのもポイントの一つといえるでしょう。

山道や未舗装路を走ることが多い人には「マウンテンバイク」がオススメ!

マウンテンバイクがもっとも真価を発揮するのは、“未舗装路での走行シーン”です。

山道・砂利道・ぬかるんだ道でも、路面をしっかりグリップして前進することが可能で、安定性が非常に高いのが特徴です。

また、多段変速ギアを搭載していることから、刻一刻と変化する地形に応じて適切なギアが選択することもできます。

どちらかというと、マウンテンバイクの方が趣味の一環として利用することは多いように思います。

◆オフロードサイクリングを楽しみたい
◆ヒルクライムなどの競技に参加してみたい

中には、折り畳み機構を備えた製品も販売されており、車への詰め込みが容易なものもあります。

キャンプなどに持って行って、テントサイト周辺のオフロードを散策するような楽しみ方もできます。

ヒルクライム競技も、上り坂のオフロードコースで戦うマウンテンバイク向けのヒルクライムレースなども開催されています。

尚、ここまでの内容をみると「マウンテンバイクは街乗りに向いていないのか?」と感じる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

いくつか注意しなければいけない点もありますが、マウンテンバイクでも街中を走ることはできます。

事項にて、この「注意しなければいけない点とはなんなのか?」について、ご紹介をしていきたいと思います。

マウンテンバイクでも街乗りはできるの?


今でこそ街中でクロスバイクを見かけることは非常に多くなりましたが、もちろんマウンテンバイクでも街乗りを楽しむことはできますし、マウンテンバイクで街を颯爽と走り抜けている人もいます。

マウンテンバイクはクッション性に優れているので、街中の段差や溝のストレスを緩和してくれることもあるのです。

ただし、基本的にはオンロードを得意としているスポーツバイクであり、街乗り用に作られているわけではない点には注意が必要です。

街の利用に購入を検討している方は、特に以下の点に注意して購入してみてください。

①タイヤが太くて駐輪場に停められない場合がある
②タイヤによってはスピードを出しにくい
③幅が広すぎるハンドルは歩道を走れない
④装備が不十分である

順に補足を加えていきます。

注意点①:タイヤが太くて駐輪場に停められない場合がある

街中の一時的に駐輪できるスペースは、“タイヤを入れ込むタイプ”のものが多いです。

ここまでにご紹介した通り、マウンテンバイクのタイヤはシティサイクルよりも太い車種が多いため、タイヤの幅に制限がある駐輪スペースには停められない可能性があります。

また、駐輪場によっては、マウンテンバイク自体の駐輪をお断りしている場合もあります。

通勤・通学の手段として利用しようと検討している人は、特に注意が必要といえるかもしれません。

注意点②:タイヤによってはスピードを出しにくい

上記でもご紹介した通り、マウンテンバイクには「ブロックタイヤ」が多く採用されています。

これは、オフロードでこそ真価を発揮するものであり、逆にオンロードではスピードが出にくい原因となってしまいます。

その理由は、“路面との摩擦が大きく、弾力に優れているため”です。

もし街乗りを検討している方は、「セミスリックタイヤ」という舗装路でも走りやすいタイヤを選択してみてください。

とはいえ、タイヤは自転車購入後でも履き替えることができますので、そこまで気にし過ぎる必要はないかもしれません。

注意点③:幅が広すぎるハンドルは歩道を走れない

道路交通法の条文上、横幅が600mm以上の自転車は“普通自転車に規定されない”ため、歩道を走ることができません。

上述にも記載した通り、マウンテンバイクのハンドルの幅は「560~800mm」ほどと幅が非常に広く、歩道を走ることができないタイプの方が多いのです。

現段階では違反しても罰則などはありませんが、今後はどうなるか分かりません。

いずれにせよ、法令で義務付けられているものではありますので、この点はしっかり把握しておいた方が良いかと思います。

ただし、あくまで走れないのは“歩道”だけであって、車道や自転車専用道路を走る分には問題ありません。

注意点④:装備が不十分である

マウンテンバイクには、基本的にライト・カギ・自転車スタンドなどは標準装備されていません。

しかし、これらは普段使いするのであれば必須に近いアイテムです。

安全かつ便利に利用するためにも、必要なオプションを追加で揃えてから街に出るようにしてください。

迷っている方は自転車屋さんで相談してみよう!

マウンテンバイクにしろクロスバイクにしろ、さまざまな種類が存在し、特徴や性能も自転車によって異なります。

そして、ものによって値段もピンからキリまでさまざまです。

インターネット上でも情報を入手することはできますが、あくまで一方的な情報提供のため得られる情報は限られてきます。

そのため、自転車を比較・検討する場合は、自転車さんに赴いて“現物を目で見て確かめる+店員さんに相談してみる”ことをオススメいたします。

「どんな目的で使用したいのか?」「そのために必要なオプションはなにか?」「すべてひっくるめてどのくらいの金額になるか?」など、店員さんとのやりとりを通じて明確になることはたくさんあります。

またお店であれば、実物に触れることもできるでしょうし、お店に寄っては試し乗りさせてくれるところもあるかもしれません。

両者は、タイヤの太さやサスペンションの有無など構造がまったく違うので、乗り心地も大きく変わってきます。

これらの点は、特にスポーツバイク初心者であるほど、しっかりと確認して購入を進めた方が良いと思います。

決して安い買い物ではなく、一度購入すれば長く使用していくものとなるため、比較・検討をしっかりし、自分に合った自転車を選択してみてください。

まとめ

同じ“自転車”でありながら、その構造・用途は大きく異なります。

それぞれで活かせるシーンが異なりますので、購入の前にしっかりと比較・検討を行ってみてください。

また、普段使いや街乗りする場合はクロスバイクの方がオススメではありますが、マウンテンバイクを利用できないというわけではありません。

ただし、マウンテンバイクで街乗りする場合はいくつかの注意点がありますので、その点だけは事前に確認を取って「街乗りしやすいマウンテンバイク」を選択するようにしてください。

自転車屋さんで店員に相談しながら決定していくことをオススメいたします。

しっかりと比較・検討して、自分に合った自転車を選択してみてください。

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