前回の記事で、「タクシードライバーに必要な免許について」のご紹介をしました。
今回は、「タクシードライバーになるためには?」という点に焦点を当てて、詳しくご紹介をしていきたいと思います。
未経験からでも職に就ける?採用の条件とは?
「法人」と「個人」について
まず、タクシードライバーは「法人」と「個人(個人事業主)」に分類されることとなります。
ただし、個人タクシーは法人(タクシー会社など)に一定期間勤務していないとなることができません。
(許可を得ることができない)
そのため、就職を目指す際には、まず「法人タクシー」に入社することを考えると良いでしょう。
未経験でも職に就ける?
「タクシー運転手 求人」などで調べれば、求人情報はたくさんのものを閲覧することができます。
求人でもっとも多いのは、東京・神奈川・大阪などの都市圏が中心ではあります。
とはいえ、全国どんな地域にもタクシーは走っているため、各地方にもタクシー会社は存在します。
そのため、どんな場所であってもタクシードライバーとして勤務できる可能性はあるかと思います。
(ただし、タクシーは“営業区域”が法令で定められているため、各都道府県の運輸局が管轄しているそれぞれのエリアを調べてみるようにしてください)
そして、肝心の採用活動についてですが、タクシードライバーに必須なのは「普通自動車第一種免許」……つまり、一般的な乗用車の運転に必要な免許を所持していれば、未経験からでも募集をかけている所はたくさんあります。
「タクシーの運転手になるには、第二種免許が必要と聞いたけど……?」
その通りです。
ただ、第二種免許は、採用後に(会社負担で)免許を取得できるところがほとんどです。
そのため、第一種免許さえ所持していれば、比較的採用される可能性は高いかと思われます。
とはいえ、一つだけ注意点があります。
それは、「第二種運転免許の取得条件に、第一種免許取得後から3年以上経過している必要がある」という点です。
(免停の期間があった場合、その期間は入らない)
そのため、企業によっては「第一種免許取得後、3年以上経過している者」とさらに条件を絞り込んでくる場合もあります。
この点は募集している企業によって変わってくるので、気になる方は募集要項を確認したり、直接問い合わせなどを行ってみるといいかと思います。
このことから、タクシードライバーになるためのスタートラインに立つこと自体は、それほど難しくないとは言えるでしょう。
年齢制限はある?
タクシー会社は、比較的「転職者」が多い職業です。
その理由としては、「学歴」および「年齢」が不問であることが挙げられます。
年齢に関しては、20代から60代まで採用を行っている会社も多く、ある程度の年齢になってからタクシードライバーに転職を考える人も多いのです。
ただし、この点においても一つだけ注意点があります。
それは、「第二種免許の取得は、21歳以上でないといけない」という点です。
この理由は、「第一種免許取得後、3年以上経過している者」とも関連してきます。
第一種免許は、18歳以上から取得できますが、そこから3年以上経過していないと(=21歳からでないと)二種免許を取得できないのです。
求人募集は比較的多く、経験・学歴・年齢も不問であることが多いため、比較的誰にでもチャレンジできる可能性が高い職業ではあります。
とはいえ、もちろん経験者や二種免許所持者の方が優遇される可能性は高いので、この点にも注意はしておいた方がいいとは思われます。
「女性」でもなれるの?
もちろん、女性でもタクシードライバーになることは可能です。
近年は女性の活躍も期待されており、女性にとって働きやすい職場環境や勤務体系を整えている会社も少しずつ増えてきています。
今の時代、「女性だから」「男性だから」という考え方は古いものであり、誰にでもチャンスがある職業と言えるでしょう。
タクシードライバーに求められる「スキル」とは?
次に、タクシードライバーに求められる「スキル」について、ご紹介していきたいと思います。
まず結論から言うと、特に必要となるスキルは以下の3つになります。
②「安全運転」のスキル
③「地図を暗記する」スキル
それぞれ、順に補足していきましょう。
「接客」のスキル
タクシーを利用する人は、「お客様」です。
つまり、タクシードライバーの仕事は「接客業」なのです。
意外とこの点を忘れがちな人が多いのですが、タクシードライバーには、「運転技術」だけでなく「接客のスキル」も求められることとなります。
◆どんな人に対しても笑顔で明るく接することのできる方
◆気配りができる方
お客様を、“安全かつ快適に目的地まで運ぶ”これが、タクシードライバーに求められるものなのです。
「安全運転」のスキル
タクシードライバーに求められる最大のスキルは「安全運転」かつ「丁寧な運転」です。
自分がタクシーを利用する立場に立った時、以下のような運転をする人の車に乗って、安心できると思いますか?
◆急ブレーキや急発進が多い
◆車がすごく揺れる
◆(よその車に対して)暴言や舌打ちなどをする
最後は極端な例ではありますが、実際に荒っぽい運転をするタクシードライバーがいることも事実です。
(企業努力により減ってはいますが……)
大切なのは、「お客様を不快にさせないこと」です。
お客様の立場に立って(安全に)運転できる人こそ、タクシードライバーに向いている人と言えるかと思います。
「地図を暗記する」スキル
いくら安全運転ができ、コミュニケーションスキルが高いタクシードライバーであっても、“目的地までの到着が遅ければ”それはお客様のストレスとなってしまいます。
なぜなら、お客様のタクシーを利用する最大の目的は、「目的地に早く到着すること」だからです。
だからこそ、タクシードライバーには「地図を暗記し、最短で目的地までたどり着けるスキル」が必要となってくるのです。
「裏道を知っている人」などは、その典型例と言えるでしょう。
確かに、最近のタクシーには「カーナビ」が搭載されていることも多いです。
しかし、「カーナビ通りに運転する=時間が掛からない」とも限りません。
また、利用者からすれば「タクシー運転手なんだから、道に詳しくて当然でしょう?」と考える人も少なくありません。
カーナビに目的地を入力している時間は、意外とお客様のストレスとなってしまいますし、「この人に任せて本当に大丈夫なのかな……?」と言った不安材料にもなりかねないのです。
そのため、極力自分の走るエリアの地理には詳しくなっている方が良いかと思います。
まとめ
タクシードライバーは、
◆未経験からでも(第一種免許を所持していれば)採用される可能性が高い
◆学歴・年齢は不問であることが多い
といった特徴があり、多くの人にチャレンジできる可能性がある職業といえます。
ただし、誰にでもなれる職業というわけでもなく「安全(丁寧な)運転」「接客スキル」「地理を暗記するスキル」など、求められるものも相応に存在することとなります。
ただこの点については、採用後に企業ごとに研修を行っているので、そこで学んでいくことも可能ではあります。
興味がある方は、ぜひさまざまな求人情報を閲覧して、気になるところがあれば採用募集や問い合わせなどを行ってみるといいかと思います。
また、記事内でもお伝えしたように、タクシードライバーには「法人」と「個人(個人事業主)」が存在します。
個人でタクシードライバーを営むには相応の条件が必要となってくるため、未経験や経験が浅い方は、まず法人タクシーでの勤務経験を重ねていくといいでしょう。
最後に。
求人募集は比較的多く、経験・学歴・年齢も不問であることが多いため、比較的誰にでもチャレンジできる可能性が高い職業ではあります。
とはいえ、もちろん経験者や二種免許所持者の方が優遇される可能性は高いので、この点にも注意はしておいた方がいいとは思われます。
「誰にでもなれる可能性がある=競争率も高い」ということなので、求人募集時には企業側も求めるものは高くなってしまいがちなのです。
免許や経験はもちろんのこと、各スキルにおいて“抜きんでたもの”があれば、その分採用される可能性は高くなってくると思います。
この点にも注意しつつ、「タクシードライバーになりたい!」という方は、さまざまな求人情報を調べ・スキルを身に着けつつ、自分に合った企業を見つけてみてください。