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「高速バス」は2種類存在する!?”路線バス”と”ツアーバス”の違いについて解説します!

この記事は約6分で読めます。

日本において、飛行機以上に市場規模が大きいとされている「高速バス」「夜行バス」の市場。

全国さまざまな場所で目にする機会があり、実際に高速バスを利用したことがある人も多いと思います。

実は、この「高速バス」ですが、ある一定の時期までは「高速路線バス」「高速ツアーバス」に分かれていたのです。

この2つはいったい何が違うのか?

現在はどうなっているのか?

今回は、こういった点について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「高速バス」とは?

概要


これは、その名の通り「高速道路」を利用するバスのことを指しています。

冒頭でも記載した通り、日本においては飛行機よりも市場規模が大きく、おおよそ以下の通りとなっています。

◆「飛行機」 :9,000万人
◆「高速バス」:1億1,600万人

その最大の理由は、「利用のしやすさ」にあると言ってもいいでしょう。

飛行機に比べて安く長距離移動を行える上に、誰でも利用しやすくかつ短期間で目的地に到着することができるのです。

2種類あった高速バスについて

そんな高速バスですが、今回の主題でもある通り、ひと昔前までは「高速路線バス(乗合バス)」「高速ツアーバス」の2種類に分かれていました。

高速道路が誕生したのは1964年であり、地域の路線バス事業者が認可を得る形で運行してきました。

これが、「高速路線バス」の誕生です。

その後、2002年の規制緩和によって「高速ツアーバス」が誕生したのです。

この2つの最大の違いは、「契約先の会社」が異なる点にあります。

◆「高速路線バス(乗合バス)」:路線バス会社
◆「高速ツアーバス」    :旅行会社から運行を依頼された貸切バス会社

要するに、「運送契約」を結んでいるか「旅行契約」を結んでいるかの違いなのです。

それぞれの特徴をもう少し深堀してみましょう。

「高速路線バス(乗合バス)」

こちらは、「高速道路を専門に走る路線バス」という扱いになります。

「運送契約」を結んでおり、実際に運行を行うのは「路線バス会社」となります。

一般の道路と同じく”バス停留所”が存在し、そこから直接乗車が可能。

基本的に予約が必要(予約客が一人でも運行される)ではありますが、予約制の便でなければ予約していなくても(当日空席があれば)乗車することができます。

ただし、一般の路線バスの場合は車両につり革が付いているものもあり「立ち乗車」が可能ですが、高速道路はそれができません。

そのため、予約する際に高速路線バスの予約が満席であれば、乗車することはできないのです。

また、予約制が原則であり、もしキャンセルをした場合は、キャンセル料が発生します。

そして、払い戻し手数料が+αで徴収されることとなります。

「高速ツアーバス」

こちらは、いわゆる「貸切バス」であり、利用者の契約の相手方は「旅行会社」となります。

契約は「旅行契約」となり、実際に運行を行うのは「旅行会社から運行を依頼された貸切バス」が原則となります。
(予約時点では確定していない場合がある)

「貸切バス」のため、当然関係のない一般客が利用することはできません。

また、事前に契約が成立している必要があり、旅行代金は旅行会社に支払うこととなります。
(この時、最少催行人数に達しなかったときは、運行されない場合がある)

そして、“貸切+事前に契約が成立している必要がある”という点から、もしキャンセルが発生した場合は、「取り消し手数料」が徴収されることとなります。

これは、旅行会社によって+乗車日からの〇日前か?によって、徴収料が変動します。

一般的な旅行業約款の場合は以下のようになるでしょうか。

①乗車日の前日から起算してさかのぼって20日目~8日目(日帰りの場合は10日目~8日目)
→旅行代金の20%以内
②乗車日の前日から起算してさかのぼって7日目以降(③~⑤の場合を除く)
→旅行代金の30%以内
③乗車日の前日
→旅行代金の40%以内
④乗車日の当日(⑤の場合を除く)
→旅行代金の50%以内
⑤乗車後のキャンセル又は無連絡不参加
→旅行代金の100%以内

上記はあくまで参考程度にとどめておいてください。

貸切での予約となるため、人数の変動は状況に応じて大なり小なり発生するものかと思います。

そのため、キャンセル料が気になる場合は、随時旅行会社に確認を取ることをオススメします。
(契約相談時に説明もされるはずです)

後に「新高速乗合バス」に一本化されることとなる

歴史について


上記でご紹介した2種類の高速バスは、あくまで昔の体制です。

というのも、2013年8月に「新高速乗合バス」という制度が定められ、一本化されることとなったのです。

高速バス市場は、誕生から急速な拡大の道を歩むこととなりましたが、多数の新興企業が高速バス業界に参入したことによって「他企業には負けない!」とその競争率が激化することとなったのです。

その結果、“運賃の低下”“経費抑制”“運転士の過労運転”などのさまざまな問題が生まれるようになりました。

総じて、“交通事故”を引き起こす重大な問題に発展してしまったのです。

特に大きな問題となったのは、以下2つの事故でしょうか。

◆吹田市のスキーバス事故(2007年2月、27人死傷)
◆関越道高速バス居眠り運転事故(2012年4月、乗客7人死亡、乗員乗客39名重軽傷)

このことから、高速ツアーバスの安全面の管理不足が問題(危険)視されることとなったのです。

その後、さまざまな検討が行われた結果、「高速路線(乗合)バス」と、「高速ツアーバス」の両面の長所を活かした、「新たな高速(乗合)バスに一本化するべき」という結論に至りました。

これが「新高速乗合バス」の誕生(一本化)であり、2013年8月に制度が定められることとなったのです。

結果、高速バス業界はどうなったのか?

結論から言うと、実に6割もの旧高速ツアーバスの事業者は新高速乗合バス事業には移行・参入しておらず、また運行を継続する事業者も運賃の値上げや運行本数の減少などの対応が迫られることとなりました。

というのも、旧高速ツアーバスの事業者は、事業継続にあたり以下のような対応が必要となったのです。

◆営業所や車庫、車両の準備
◆一般乗合旅客自動車運送事業の許可
◆業態を乗合バス事業者に変更する など

これは旧高速ツアーバスの事業者にとっては、非常にハードルが高いものとなっていました。

およそ6割もの旧高速ツアーバスが、移行・参入をしていない……。

これを見ると「体制が非常に厳しくなった」と感じる人もいるかもしれませんが、言い方を変えれば「それまでの安全面の管理がどれだけ不十分だったか」があらわになったとも言えます。

実際、この制度の移行によって、業界全体が良い方向に進んでいます。

一時期は、事故のニュースが相次いだ結果、高速バスに対する信頼性が下がった(疑われた)時期もありました。

ただ、現在は安全面の対策もしっかり施され、高速バス市場の信頼は上昇し、かつ高速バス市場は成長を続けているのです。

まとめ

上記でも記載した通り、一時期高速バスの信頼性が下がった時期もありましたが、今現在はその信頼も少しずつ回復し・高速バス市場は成長を続けています。

また、訪日外国人の増加によって、高速バスもどんどん利用価値が高まってもいます。

前回の記事でもご紹介した通り、高速バスにはさまざまな種類が存在し、これまでにない形での発展も遂げているのです。

今後も、ますます進化を続けていく高速バスは、その市場の高まりにも期待が持たれているのです。

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