以前の記事で、「バスの種類」についてのご紹介をさせていただきました。
そして今回は、数あるバスの一つである「マイクロバス」についてのご紹介となります。
◆どんな用途で使用されるのか?
◆小型バスとの違いはなにか?
などについて、詳しくお話していきたいと思います。
「マイクロバス」ってなに?
まずは、「マイクロバスとはなにか?」という点からご紹介していきたいと思います。
これは、「座席数(正座席)が、20席程度の小型のバス」のことを指しています。
ただし、席数はあくまで目安であり、車両のタイプによって変わります。
例えば、座席が17席ほどしかないものや、補助席がないものなども存在します。
実は、この基準は、道路交通法によって定められています。
その基準は、以下の通りです。
◆車両総重量が、5~11t未満である
◆積載量は、3~6.5t未満である
法律で定められていることから、上記の基準を超えて乗車することは禁止されています。
次に、上記に記載した「乗車定員」「車両総重量」「積載量」について、少し補足を加えていきたいと思います。
「乗車定員」とは?
これは、“乗車”と記載されている通り、「バスに乗車できる最大人数」のことを指しています。
ただしこれは“運転手を含めた人数”であり、“運転手を含めて29名以下であれば利用が可能”ということになります。
(極論を言うと、1名でも利用が可能である)
ちなみに上記でも記載した通り、正座席は20席前後しかありません。
では「残り9名前後の人は、どこに座るのか?」ですが、これは“補助席”が含まれているのです。
とはいえ、もし旅行などで貸し切って利用しようとした場合、長旅になることも多いため、あまり補助席を利用して定員ギリギリで利用することはオススメできません。
(補助席は、あくまで”補助”用の席であり、快適に座れるようには設計されていない)
また、普段は広く見えるマイクロバスの車内も少し窮屈に感じることもありますし、通路が塞がれてしまうことにもなるため、仮に補助席を使用するにしても注意が必要となります。
「車両総重量」とは?
これは、「車両重量」「乗客定員数(※)」「最大積載量」のすべてを足した重さを表しています。
(※)1名あたり55kgで算出している
文字通り、“総重量”となります。
上記でも記載した通り、法律上は「総重量は、5~11t未満」と定められているため、この基準を超えて走行することは禁止されているのです。
仮に、乗客が定員数(29名以下)に満たない場合であっても、総重量を超えてしまえば“交通違反”となってしまいます。
実際にこれで検挙されるケースもあるため、利用の際には総重量には十分注意をしておいてください。
「積載量」とは?
これは、“バス内にあるすべての荷物・備品の総重量”となります。
道路交通法の基準でいうと、3~6.5t未満です。
注意すべきは、“乗客の荷物”だけでなく“マイクロバスに備え付けの備品”も含まれるということでしょうか。
そのため、積載量が多い場合、定員数に満たない場合でも基準値を超えてしまうことがあり、これも“交通違反”となってしまいます。
重要なのは「すべての基準を満たしている必要がある」ということ
上記に記載した通り、マイクロバスの「乗車定員」「車両総重量」「積載量」は、道路交通法によって基準が明確化されています。
重要なのは、“すべての基準を満たしている必要がある”という点です。
極論を言うと、乗車定員が1名であったとしても積載量が基準値を超えていれば、それだけで“交通違反”となってしまうのです。
これらは安全性を考慮した結果であり、運転・利用する場合は必ず順守しなければいけません。
利用の際には、上記を十分に配慮した上で利用するようにしてください。
どういった用途で使用されるの?特徴は?
まず最大の特徴は、「価格や維持費がリーズナブルであり、さまざまな用途で使用しやすい」という点が挙げられます。
人数によっては、レンタカーを借りるよりもマイクロバスを一台借りた方が安く済むこともあるくらいです。
そのため、マイクロバスはさまざまな場面で日々利用されています。
例えば、以下のような場合です。
◆保育園などの送迎
◆結婚式場や試合会場への送迎
また、「貸し切りで利用できる」という点もメリットの一つに挙げられるでしょう。
②学校や会社などのイベント時に利用する
1の場合、「自由に日程を組める」「プライベート空間を確保できる」という利点があり、小回りが利き・ツアーバスのように他の乗客を気にする必要もありません。
マイクロバスの車内には、カラオケやゲームなどが用意されているものもあるため、ワイワイと楽しみながら目的地まで移動することができます。
そして②ですが、学校の場合は「部活の遠征試合」「社会見学」などで利用されることがあります。
また会社の場合は、「新人研修の移動」「企業視察」「取材撮影」「接待」「忘年会・新年会などの移動」など、学校以上に多方面で利用される機会があります。
乗車定員的にも丁度良い場合も多く、マイクロバスはまさに「行事の強い味方」となるのです。
「小型バス」とは何が違うの?
似た形式のバスとして、「小型バス」というものが存在します。
「マイクロバス」と「小型バス」の違いですが、基本的に乗車・積載量・総重量やレンタル料金に大きな違いはありません。
最大の違いは、「トランクルームの装備」に関するところが大きいかと思います。
「小型バス」にはトランクルームが設置されているものが多いですが、マイクロバスには原則トランクルームは存在しません。
また、シートの配列や助手席の有無も違いに挙げられるかと思います。
◆「マイクロバス」:通路を挟んで2人がけと1人掛け
◆「小型バス」 :両方とも2人掛け
【補助席の有無】
◆「マイクロバス」:補助席があることがほとんど
◆「小型バス」 :原則、補助席は設置されていない
このような違いがあるのです。
最後に。
小型バスは、10年以上も前にメーカーが製造を終了しているため、新車がありません。
つまり、“台数が少ない”ということになります。
「マイクロバスではなく、小型バスを借りたい!」という利用客もいるのですが、メーカーが製造を終了している点や、出発地によっては手配が難しいなどの理由もあり、「小型バスではなくマイクロバスの案内となってしまう」こともあるため、注意が必要です。
まとめ
以上が、「マイクロバスとはなにか?」「どんな用途で使用されるのか?」「小型バスとの違いは?」などのご紹介となります。
マイクロバスは、レンタル料や維持費がリーズナブルであることから、さまざまな場面で利用されているバスとなります。
ただし、「乗車定員」「車両総重量」「積載量」は道路交通法で明確に定められているため、交通違反とならないように利用には十分注意をした方が良いかと思います。
また「小型バス」と似ているように感じる人も多いかと思いますが、厳密にはこの2つは似て非なるものです。
そもそも小型バスを利用できるバス会社も少なくなっていますが、仮に利用できる機会があったとしても「マイクロバスとは異なる点がある」ということにも注意しつつ、どちらを利用するかを検討してみてください。