タクシードライバーの勤務形態には、以下のように複数の種類が存在します。
◆「夜勤」
◆「隔日勤務」
隔日勤務の詳細については、以前に別の記事でご紹介しましたので、以下を参照ください。
勤務形態が違うと、働く時間帯が変わることはもちろん、お給料(稼ぎ)にも違いが生じます。
そのため、「これからタクシードライバーになりたい」と考えている人は、応募する会社を決める前に、まず“勤務形態”について理解しておくことが大切と言えるのです。
今回は、タクシー業界の勤務形態の一つ、「夜勤」の特徴、メリット・デメリットについてご紹介をしたいと思います。
尚、「昼勤」の特徴・メリット・デメリットについては、別の記事ですでにご紹介しておりますので、以下を参照ください。
「夜勤」とは?
特徴について
「夜勤」とは、読んで字のごとく「夜(夜中)に働く勤務形態」となります。
出退勤の時間は企業によって微妙に異なりますが、おおよそ「18:00くらいに出社し、翌朝(3:00~6:00くらい)に退社する」という形が一般的かと思います。
尚、「昼勤」の時にもお話しましたが、出社後はまず「車の点検・点呼」を行い、帰庫後は「納金・洗車」をします。
そして「夜勤」の最大の特徴とも言えるのが、「仕事のピークタイムが23:00~翌2:00になる」ということです。
電車で帰るのが億劫な人、終電に間に合わなかった人などがタクシーを利用するため、上記時間帯がもっとも忙しくなるのです。
夜勤の休みはどのくらいあるの?
“夜を中心に働く仕事”と言えど、「隔日勤務」と違い1日の就業時間はおおよそ“7~8時間”ほどとなります。
そのため、公休は昼勤と同じく「10日前後(週休2日制)」となることが一般的です。
隔日勤務の場合は、1日の労働時間が長い(1回の勤務で2日分働く)こととなるため労働規則の関係上休みが多くなりますが、夜勤の場合は1日の労働時間が昼勤と変わらないため、休みも昼勤と同じくらいになるのです。
ただし、ピークタイムを過ぎればタクシー利用者の数も激減するため、昼勤に比べて時間のメリハリは(慣れれば)付けやすいと言えるかもしれません。
夜勤の「メリット」とは?
最大のメリットは、やはり「他の勤務形態に比べて、もっとも稼げる」という点にあります。
その理由は2つあります。
②「長距離の運送を求める乗客」が増加する
夜間は昼間に比べて平均単価が高く、少ない回数で効率よく稼ぐことが可能となります。
特に長距離の乗客を上手く得られれば、稼ぎの決め手になると言えるでしょう。
そしてもう一つは、「夜型の生活に慣れている人であれば、時間のメリハリが付けられる」という点も挙げられます。
上記でもお伝えしたように、ピークタイム(23:00~翌2:00)を過ぎると、タクシー利用者は一気に減ります。
(もちろん、地域にもよりますが……)
そのため、仕事と休憩のメリハリをしっかりつけることができ、夜型の生活に慣れている人であれば、比較的時間のメリハリが付けやすいかと思います。
夜勤の「デメリットとは?」
最大の特徴でもあり最大のデメリットにもなり得るのが、「昼夜逆転の生活になる」ということです。
家族がいる人であれば、家族との生活時間が合わせづらくなるのは必然です。
また、昼夜逆転=体のリズムが崩れたりする可能性もあります。
人によっては「慣れればどうということない」という人もいますが、やはり“人を選ぶ勤務形態である”というのは覆すことのできない事実かと思われます。
そしてもう一つは、「ピークタイムに利用者(お客様)を捕まえられないと、稼ぐことができない」という点です。
確かに、昼勤に比べると利用者の数は多く、また夜間の割増賃金や長距離運送の関係上、昼勤よりもはるかに稼ぎやすいのは事実です。
しかし、それはすべて「お客を捕まえることができれば」の話です。
必ずしも、毎日利用者が長距離を移動を求めてくるわけではありません。
地域によっても利用者の数は大幅に変わってくるでしょう。
タクシードライバーの場合、「夜間=稼げる可能性がある」だけであり、「夜間=必ず稼げるわけではない」という点は、注意しておいた方がいいかと思われます。
まとめ
「夜勤」と聞くと、「稼げる!」というイメージを持っている人が多いかと思います。
しかし、多職種の夜勤と違い、この業界の夜勤は「お客様ありき」であり、「ピークタイム以後は利用者が激減する」という点が挙げられます。
利用者を上手く捕まえることができるかどうかは、“自身の手腕=営業力”にかかってくるのです。
もちろん、お客様ありきであるため、日によって忙しさの度合いも変わってきます。
また、夜勤=「家族との時間が取りづらくなる」や「体のリズムが崩れやすくなる」といった明確なデメリットも存在します。
そのため、「稼ぎ」だけに捕らわれるのではなく、「本当に夜だけ働くという生活を続けていくことができるのか?」という点も熟考してみる必要性はあるかと思います。
ただ、上手くいけば「多職種の夜勤に比べても、稼げる仕事・勤務形態である」ことに間違いはありませんので、上記の点に注意しつつ、まずはチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
その後、もし「自分には合わないな……」と思ったら、別の仕事に切り替えてみるのもいいかと思います。
タクシードライバーの仕事は、「利用者(お客様)の命を預かる仕事」でもあります。
安全かつ快適に目的地まで運ぶ必要があるので、その点にも注意しながら「職に就くべきかどうか?」も検討してみてください。